この話から。↓
ここに書いた通り、ODと不登校は密接に関連している。
でも、
OD (原因) → 不登校(結果)
という図式の人は少ない。
むしろ、
不登校(原因) → OD(結果)
の人の方が多いと思う。
不登校の子。
なぜ行けないか聞くと、本人は一貫してこう言う。
体調がよければぜひとも学校に行きたい。
学校大好き。
何度聞いてもそう。
親御さんが聞いても、僕が聞いても同じ答え。
でも、実際は行けない。
午後からは元気というので、午後からの出席を提案する。
遅刻でいいから出席したら?
すると翌月、
夕方以降は元気ですが、もう学校が終わっていて。
うそやろ⁉︎ と思うけど、まぁまぁ。
学校が終わる時間までピッタリ調子が悪いとか、そんな奇跡ある? とは思うけど。
まぁとにかく、本人がそう言うので信じる。
半ばウソくさいとは思いつつ、この子にはすでに親御さんが色々言っているので、僕まで彼女を責める側に回っても何もいいことがない。
彼女の味方であろう。
実際、「体調が悪い」というのは、本当だろうし。
彼女の中では事実。
本気でしんどいんだろうし、体調がよければ本気で学校に行きたいと思っている。
嘘をつく意図はないはずだ。
本人は一貫して強く登校を希望する。
でも、行けない。
こんな繰り返しで、もう数年経っただろうか。
ぶっちゃけ、思うんだよね。
受診はできてるじゃん。
この子、外来受診はすっぽかしたことが一度もない。
午前中の予約にも関わらず、だ。
連日チャンスのある学校には一度も行けない。
でも、月1回のピンポイントの受診には毎回来る。
変じゃね?
もちろん、受診を楽しみに、数日前から調整してくれている可能性はある。
※一般的にODは、気合を入れれば1日2日程度は動ける。ただ、長続きはしない。
けど、病院なんて楽しいところじゃないはずだ。
少なくとも、子どもが目を輝かせる場所ではない。
子どもに嫌われる場所ランキング、堂々の第二位。(一位は歯医者)
それに彼女は、学校にすごく行きたいと言っている。
めっちゃ楽しみで、是非とも行きたいと。
じゃあ、少なくとも月に数回は行けるんじゃね? と。
矛盾してね?
そう、彼女は学校へは行きたくないのだ。
行きたければ行くハズ。
行ってないってことは、行きたくないのだ。
病院はそこまでの「行きたくなさ」がないから、行ける。
病院では、大人(僕)が自分にフォーカスし、話を聞いてくれ、少なくとも否定はされない。
彼女的に、まぁ悪くはない。
学校は、病院と比較しハードルが高いのだろう。
傷つく可能性があり、行きたくないのだ。
でも、その気持ちを自分でキャッチできないでいる。
「行きたいのに体調のせいで行けない」と本気で思っている。
だから延々体調不良を訴える。
こう考えるのが自然だ。
多分、「行きたくない」が先だ。
嫌悪感が先。
ストレスが先。
でも、その気持ちを認められない。
自分で気づけない。
モヤモヤしたイヤな感じだけ残る。
すると、
自律神経のバランスを崩し、
↓
ODを発症する。
うん、自然な流れだ。
実際、調子は悪いんだと思う。
頭は痛いし、身体は鉛のように重い。
症状があるかないかで言えば、「ある」と僕は思う。
子どもはウソをついてない。
だから、ウソつき呼ばわりして責めないであげて欲しいんだけど。
でも、ここに至る理由を考えてほしいんだ。
僕はそっちのほうが気になる。
真面目すぎて、自分の中に「学校に行きたくない」なんて悪い感情があり得ないのかもしれない。
自分が行方不明で、気持ちが分からないのかもしれない。
とにかく、「行きたくない」という感情よりも、「腹痛」「頭痛」「倦怠感」なんかの方がキャッチしやすかったんだと思う。
そうして表面化したのがOD症状だ。
※メンタル無関係、純粋な身体疾患のODもいます。少ないけど。
そう考えると、なんか切ない。
子どもゆえに、感情より身体に親和性が高いのか。
いや、おそらく自分の気持ちに無頓着なのだろう。
その子、社会的なルールを優先して、自分のことは二の次、三の次じゃない?
ODにはそんな子が非常に多い。
真面目な頑張り屋さんが発症する病気だ。
だから、ODに「頑張れ」は無効なことが多い。
頑張るしか方法を知らない子が、頑張って頑張って発症する病気だ。
よくなまけやサボりと間違われるけど、全く逆。
頑張りすぎの病気。
今一度自分に立ち返り、己の心を見つめ直すのじゃ
という病気だ。
これ以上頑張れないよー
という、意識外からのSOSのように感じる。
ODは、過剰な負荷から自分を守る、隠れ蓑だ。
心が先!
(なことが多い)(身体が先のこともあります)
不登校はODが原因だ! と詰め寄られると、子どもは逃げ場がなくなる。
身体症状にフォーカスせざるを得なかった心境を、少しだけ思いやっていただけると、非常に嬉しい。
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いつも更新を楽しみにしています。
HSC+ギフテッドの娘(中3)も中一の時にODの診断が出ています。
今、中3で受験もあるので本人は朝から登校しようとするので学校近くまで私が車で送っています。
が結局、降りれず帰宅…2時間目から行きたいと言うからまた送りますが、また降りれず。
1日に何回も家と学校を往復する娘、真面目だから行かなきゃと思ってるんですよね。
結局、部活だけ行ったりの日々です。
土日の部活の時は送ってもさっさと降りて行くのでやはり学校が苦しいんだと思います。
試合の日の早起きには本当にODなのか…と思ってしまいます。
ODの薬は効かないけど、自分の好きなことは効きますね❗️
学校が辛くて朝起きられなくなり、不登校になり、ODの可能性もある、程度の診断でしたが、娘は安心して学校を休めるようになりました。
たまーに大遅刻して登校したときにも、クラスメイトに印籠のような言い訳ができたのも良かったです。
今は学校に通えるようになりましたが、最近、宿題や勉強量が多すぎて睡眠時間が足りなくて辛くて、娘が思春期外来の先生に相談しました。その先生曰く、「学校と睡眠時間を調整しないとね。ODを理由に宿題の量を調整してもらいなさい。ODは便利に使えるよ」とナイスな助言でした。娘、「睡眠時間は削らない。でもテスト前は一時的だから頑張れる」と前向き理解。
あれ?宿題減らしてもらわないんだ。ODって言ってもらえて安心したのかな。にしても、ODの子は、本当に真面目なんですね。
我が家の子どもがまさにそうでした。
ODの検査をしてくださった先生が「僕は本人に自覚症状があるならODだと思います」と一般的な数値では微妙なラインだったんですがそう診断してくださいました。まさしく子どもにとって(親にとっても)「隠れ蓑」が出来たことで、変な言い方堂々と遅刻&休めるようになったんですよね。
娘の欠席に対する罪悪感も減ったことで少しずつ落ち着き中学最後の3学期は遅刻はしてたけど欠席ゼロで過ごすことが出来ました。多分本人も学校が嫌だっただけってことにも気づいてたと思います。寄り添うことの大切さを教えて下さった小児科の先生に感謝しかないです。