「人の目が怖い。」
よく聞く訴えだ。
遅刻は、クラスメイトの目が気になる。
同級生の目が怖くて学校に行けない。
道ゆく人の目が怖くて日中は外出できない。
電車や人混みがマジ無理!!!
よく聞く。
そんなこと言ってないで、えいやっと行っちゃえばいいのよ。
誰もアナタのことなんて見てないんだから!
正論なんだけど、この手の正論が通ることは、経験上ほぼない。
いくら励ましても、子どもは頑として動かない。
結果、不登校が継続する。
ここで立ち止まっている家庭は多いだろう。
これ、どんな心理?
もちろん正解は本人にしか分からないんだけど、僕の予想の範囲で解説する。
人が怖い心理を考察する前に、まずココ見て。
その子、本当に人が怖い?
というのもですね。
口では「人目が怖い」って言うけど、その実そもそも外の世界に興味がないって子もいるから。
学校に行かない理由を何度も問われるから、とりあえず「人の目が気になってー」って言うけど。
実際は、そもそもずっと家にいられればハッピーって子。
その子、そっちじゃない?
本当に、外の世界に興味があって、気になって、出て行きたい人?
なのに人目が気になって尻込みしちゃってる人?
オッケー。
なら、その前提で、僕の考察を読んでみてください。
参考になるかもしれませんし、ならないかもしれません。
人目が怖い。
この気持ち、僕は分かる気がするんだよ。
不特定多数の目も怖いし、知り合い(学校の友達とか)の目はもーーーーーっと怖い。
考えるだけでぐったり。
外出する元気がなくなる。
これね。
このときの気持ち。
とにかく超怖え!!!
んだと思います。
誰もオマエなんて見てないって?
分かっちゃいるけど怖いんだよぅ。
外で失敗するのが怖い。
ちょっとのミスが命取りとなるような。
何事もなくノーミスで完遂しようと思うと、死ぬほど神経を使う。
そこまでして外出したいかというと……いや、ちょっと遠慮しとくわ。
これねー。
多分その子、
冷たい世界に住んでいる
のですわ。
世界って怖いところ。
ひどいところ。
冷たいところ。
みんな揚げ足をとってくる。
失敗はゆるされない。
一度転落したらもう終わり。
みんなで総攻撃を仕掛けてくる。
わかんないけど、人によるけど、例えばこのような世界に住んでいるのではないでしょうか。
敵だらけの世界。
↓コレ。
町中敵だらけ!
冒険に行きたいけど、行かなきゃだけど、即詰みそうな。
宿屋の主人もモンスターだし。
武器屋だってモンスターだし。
戦えなくね?
もったいない。
世界ってホントはこうなのに。↓
周り中敵だらけとなると、取れる作戦は二つ。
オレは強いんだぞぅ!
と、相手を威嚇するか。
ごめんなさいごめんなさい僕は何もできないんです見逃してください。
と弱者を演じるか。
この二つだ。
いずれにしても、自分らしくいきいき生きていくことなんてできない。
で、後者の作戦を取る人が、「人目が怖くて外出できない」になりがちと予想する。
僕がそうだった。
過剰な自意識による圧倒的弱者作戦。
結果、立派な陰キャの出来上がり。
頑張ったところでキョドリすぎて逆に浮くし、もう外出したくなかったもん。
安心・安全ないつメン(いつものメンバー)としか会いたくなかった。
いや、それでも今日は機嫌が悪いかもしれないし、一人で引きこもっている方が気が楽だった。
誰にも会いたくなかった。
どんなふうに敵だらけなのか、具体的にどんな敵がどこに潜んでいる(と思っている)かは人によるけど。
でも、基本世界は冷たいし、みんな敵。
だから
とか考えちゃう。
これ、自分ではなかなか訂正できない。
めっちゃ怖いんだよね。
いくら諭されても、『自分の思う世界』が優先されちゃう。
だから動かない。
動けない。
じゃあどうするか。
この歪んだ世界を、どうやって変えるのか。
これを書くと反発が出ると思うんだけど、やっぱり僕は
親の世界は子に感染る
と思っていて。
親が、
とか思っていると、その価値観は子に受け継がれる。
子は、親を通して世界を見ている。
幼ければ幼いほど。
逆に、
という姿勢を見せれば、それも子に感染る。
子は、親から受け継いだ世界に、自分の経験を混ぜて、自己の世界観を形成する。
親にできるのは、「世界は優しいよ」って見せることだけだ。
でさー。
これ、超大事で。
子は、何かあったときに、自分の世界観に則って意味づけをする
から。
例えば先生に叱られたときに
と思うか、
と思うか。
その子の価値観や自己肯定感に左右される。
価値観や自己肯定感、世界観が優しいものなら、相手の行動を必要以上に悪く受け取る機会が減りそうだ。
すると、世界は『より優しい世界』になる。
良いスパイラルが回り始める。
冷たい世界に住んでいる子は、相手の言動を必要以上に悪く受け取り、世界はより冷たくなる。
悪いスパイラルが回る。
もちろん、子の世界を親がすべてコントロールすることはできない。
親子って別の人だからね。
子どもなりの解釈も入ってくるから。
年齢が進めば進むほど。
親にできるのは、親の世界を優しいものにすることだけ。
でも、親が世界は優しいよーって見せることは、絶対に子の世界に影響を与える。
つまり、
親御さんが人生をエンジョイしてください
ってことだ。
子は、勝手に背中から学ぶ。
どこをどう学ぶかは本人次第だけど、でも、親の背中は絶対に見ているのだ。
親御さんは親御さんで人生をエンジョイしつつ、お子さんは安心・安全な小さな世界から経験を積むしかないんだろうなーと思う。
そう、結局最後は経験だ。
経験から視野を広げ、矢印を調整する。
引きこもっちゃうとその『経験』が得られないのが、痛いところ。
対人不安の強い子の気持ち:「超怖え!!!」
親にできること:人生楽しむ!
結局コレだけだと、僕は思います。
もちろん、親がいくら人生を楽しんでも、子どもが動かないことはある。
実際、そんなケースも散見される。
親子って別の人だからね。
全部はコントロールできない。
乗り越えるのは、あくまで本人だ。
でも、それでも親御さんの人生観はお子さんに影響していると、僕は思う。
※あ、当然だけど、病的な対人恐怖は精神科へ行ってください。
僕は小児科医なので、小児科の範疇での話です。
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親のできることは、まずは親が先に優しい世界に行くこと。それしかないと実感してます。
少しづつだけど子どもたちも優しい世界に移行してきていると感じています☺
親も、その親から冷たい世界を見せられてきたから…。親が悪いんじゃないし。
気づいた時から始めればいいよね。まずは私から。
そもそも外に興味がない、家にいられれば超ハッピーの場合、もぅ家にいさせるしかないのかしら。
いやー、もぅ…本質ですよねぇ…
はい、ものすごく今そこを痛感してます。
親の背中を、子供はめちゃくちゃ見てる。
親が見てる世界を、そのままコピーする。
私も親の見てた世界をコピーしていた。
そして、それをそのまま娘もコピーしていた。
子供からすると無意識なんですよね…
自分の周りも母を筆頭に全員が怖い世界の住人だった。
でも、これって本当に知ってるか知らないかで、優しい世界を知って勇気出して経験していけば、怖い世界がちゃんと変わっていく。
怖い世界を生き延びるために握りしめていたいらないものを手放していくだけ。
私が怖い世界の住人だったせいで、そうだと気付くまで娘にいらない心配、いらない言葉をかけてしまってました。
ここでの過去のコメントも、怖い世界に住んでる状態で書いてしまったものもあって…当時理解出来てるつもりで全然理解出来てなかった。
目にした誰かにやっぱり世界は怖いんだと思わせてしまってたら申し訳ない、怖い世界の住人の戯言は是非スルーしてください(^◇^;)
楽しい毎日を重ねていくっきゃないですね(*´ω`*)
私も生まれた時から優しい世界で生きたかったけど、しゃーない。30歳も半ばになってからだけど、娘のお陰で気付けて良かった。
ここから死ぬまで、自分の心躍ることをしていくだけ(o´∀`)b