僕は、ASDやHSCの子と会う機会が非常に多い。
で、困りごとを聞いていくと、大抵この結論になる。
自他境界を引く練習をしましょう。
ASDもHSCも、自他境界が薄い(弱い)という共通点がある。
という線引きが弱い。
オカンのよく言う
よそはよそ!
うちはうち!
ができない。
外の環境が容易に入り込む。
他の人の気持ちとか、音とか光とか。
結果、自分が行方不明になりがちだ。
自他境界が薄いと、「うちはうち、よそはよそ」ができない。
むしろ正反対。
つまり、
ケンちゃんはもうスマホ持ってるんだよ!
ってゆーかクラスみんな持ってるんだから、ウチも買ってよー!
になる。
みんなって具体的に誰やねん。
何人いて、そもそもスマホが自分にとって本当に必要なのか、という視点がなくて。
周囲と混ざり合い、渾然一体となって、流される。
周囲の意見、空気、雰囲気。
そんなものに。
そういった点で、ASDとHSCはとてもよく似通っている。
周囲に敏感すぎて、混ざり合う。
もしくは、通り越して鈍感すぎる。
※敏感と鈍感って実は同じ物。↓
敏感すぎると自分が疲れ、鈍感すぎると周囲が困る。
どっちにしろ困る。
だもんで、自分と人の境界、つまり自他境界を引きましょうというアドバイスに帰着するわけだけども。
この話をしていて、僕、思ったんだ。
ASDやHSCは自他境界が薄いわけだけど。
じゃあ、マックスまで濃くしたら一体どうなるんだろう。
マックス濃い人って一体どんな人?
目の前の現象を理解するために、あえて極端を考え、そこから相対化する。
思考方法としてよくあるヤツで。
自他境界めちゃ強、周囲に一切流されない、環境の影響を受けない。
……あ、サイコパスだ!
ってことで、この話、およびここから派生する話を3回に分けて書きます。
もちろん僕が勝手に思ったことなので、エビデンスなんてありません。
僕の趣味みたいなものなので、興味のある方だけどうぞ。
自他境界は、非常に大事。
自分とそれ以外とを区別する。
自分と他人を明確に分け、距離感を把握する力が、コミュニケーションには絶対に必要。
でも、自他境界を濃くしまくればいいかというと、どうやらそうでもないらしい。
自他境界最強だとコミュニケーション能力も最強かというと、そんなこともなさそうだと思い至る。
「平均的なヒト」は、きっと、ある程度自他境界が薄い。
いわゆる「普通」「平均的」な行動をとる人は、多少なりとも周囲に影響されている。
相手の気持ちを慮るとかさ。
なんとなーく空気を読むとか。
例えば、映画鑑賞。
ASDやHSCは、映画の世界に「持っていかれる」。
浸りすぎてしまうわけだけども。
※別にこれは悪いことではない。が、周囲には引かれるし、本人も疲れる。
鉄壁の自他境界を持つ人は、まったく影響されない。
微塵も感情移入せず、興味もない。
他人事。以上!
うん。
それはそれで、社会的には難ありだろう。
やっぱり、平均的な自他境界の人が、平均的な反応を取りやすい。
A「あのシーン感動したよねー」
B「わかるー!」
直後は感想をシェアしてキャッキャ。
翌日には平常運転に戻る。
こんな反応は、標準的な自他境界を持つ人に多いだろう。
でさー。
自他境界が薄い人の中で、
対人関係に鈍感でトラブルを起こす、つまり「困る」人がASD
なんじゃないかと僕は思っていて。
対人関係に敏感でトラブルを起こさない(むしろ社会適応が良すぎる)、「困らない」人がHSC
なのでは。
と、以前仮説を立てた。
反対に、自他境界が濃すぎるがゆえに、対人関係に鈍感で、トラブルを起こす人。
これ、サイコパスやん! と今回思い至ったわけです。
ってことで、図にしてみた。↓
横軸が自他境界の強さ。
縦軸が困り度ね。
自他境界が薄い人の中で、
困る人がASD
困らない人がHSC。
同様に、
サイコパスと
カリスマ。
あ、「カリスマ」はとりあえずの呼称。
自分の主張をしっかりできる、リーダーシップのある人ってイメージ。
カリスマは、自他境界が強固なんだけど、人との関係性を知識や理解で「こういうもん」「こうなるはずだ」と客観視している。
よってトラブルを起こさず、困らない。
サイコパスは、強固すぎる自他境界ゆえ対人関係に鈍感で(自分の損得しか考えていない)、トラブルを起こす。
そんな図です。
両端に行くほど、つまり自他境界が薄すぎるか濃すぎるほど、困りやすい。
極端な人は困りやすい。
でも、数は多くなくて。
人数的には「平均付近」が最も多く、端に行くほど少ない。
ってことをグラデーションで表現した。
「平均付近」の人は、全体的に困りにくい。
社会に合った行動を取りやすいので。
そんな図。
何が言いたいかというと、
自他境界は、薄くても濃くても困りやすい
ってこと。
標準的な人が、やっぱり社会に適応しやすい。
極端な人は人生ハードモードというか、どうしてもひと工夫ふた工夫する必要が出てきちゃう。
やっぱり、社会に合わせようとするとそうなっちゃうよね。
自分の、またはお子さんの自他境界はどの程度なのか、見極めてほしい。
どのあたりにいるのか見極め、作戦を練っていただけると良いように思う。
「極端な自他境界ゆえに困っちゃう人」が社会に適応する方法というか、模式図を、今度書きます。
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こんにちは😃!
とってもおもしろいです!
興味深い!おもしろい💡💡
次回も楽しみにしております😊
サイコパスな担任と、HSC寄りな子供の相性は厳しいものでした。
盛大にコケましたが、不登校は子供が自分で選んだことなので、骨拾いババアになる覚悟を決めました。ここまでの心境になれたのはP先生のブログを読んでいたからです。
ありがとうございます(涙)
学校は何かあるとすぐに 他の人の気持ちになって考えましょう とものすごく教えますよね❗
私、ずっとそうしてました。
だから大変だったんだ。
その台詞、もう子供の時、耳にタコができらくらい聞きました!
他の人の気持ちを考えましょうとやってるから、普段優しいのに突然怒り出す人、教員に多い。
私も疲れてそうなってました。これからは他人は他人、自分は自分でいこう。
なんか他の先生が仕事してるんだから自分もって思ってましたが、それじゃダメだなと。
このまま、それでいったら教員になる人もういなくなってしまう。
自分の意見は言うようにしよう。と思ってないと本当に大変なんで。
そして数日前に読んだHSP の本にも自分の意見は大事ってありました。なるほど。