この話から。
僕の進路選択について、参考までに聞きたいという意見をいただいた。
マジで聞きたいの?
小児科医Pが医学部に入った理由?
北村匠海が芸能界入りした理由じゃなくて?
需要があるかマジで謎だけど、聞きたい人もいるようなので書いている。
僕の進路の選び方。
ちなみに先に結論を言うけど、マジ偶然。
偶然性の強い1ケースの話なので、参考にするのはマジで難しいと思います。
やっぱり道枝くんがジャニーズに入った理由を検索した方が役に立つ気がしてなりません。
あと、書いてみたら長かったので、2回に分けます。
興味のある人のみどうぞ。
それは冬だった。
高校2年の冬に、僕は医学部受験を決めた。
僕は公立高校の2年生。
もちろん、進学校でもなんでもない。
「近いから」という理由で入った県立高校。
流川が湘北に入った理由と同じ。
その高校では、高2の冬に翌年の授業を選択するシステムだった。
つまり実質の文理選択であり、進路選択だ。
僕は、非常に困っていた。
どうしよう、選べない。
自分が文系か理系かすらも分からなかった。
「自分」が行方不明の、ASDタイプだ。
選べと言われても、将来の夢もないし、目標もないし、金もないし。(実家は貧乏)
学びたいことがあるわけじゃない。
ただ、高校は卒業しておきたい。
さて困った。
大学に行く気はなかった。
学びたいこともないのに、進学する意味がわからなかった。
お金もないし。
僕は、何者にもなりたくなかった。
「パン屋さん」「研究者」「公務員」「コンビニ店員」「ダイビングインストラクター」、そんな『肩書き』ができてしまうのが嫌だった。
何にもなりたくなかったし、決めたくなかった。
その気持ちははっきりと自覚していた。
今にして思うと多分、変化を嫌うASD特性だと思う。
「何かになる(変化する)」「何かを選ぶ」ということに、強い拒否感があった。
そうだ、フリーターになろう。
フリーターという自由な響きに、フワフワと惹かれていった。
今思うと進学よりフリーターの方がその先の選択肢が狭まりそうなものだが、当時は無知だ。
フリーターしつつ、あちこち旅行でも行こうかな。
気に入ったバイト先があればそのまま就職したらいいし。
そんなことを漠然と考えていた。
完全にお花畑。
で。
高校卒業後はフリーター、つまり『自由人』というはちゃめちゃにフリーダムな道を選ぶとして。
とりあえず卒業しないといけない。
中卒では雇ってくれるバイト先も少なかろう。
つまり、3年時の受講科目を選択する必要がある。
困った。
なんでも良いと言われると、逆に選べない。
もっと、こう、枠組みとか指針をくれよ。(この辺もASDだと思う)
困った僕は、
▷ひとにたよる
を選択した。
面談で、担任に相談したのだ。
あのー、選択授業が選べなくってぇ。
特にやりたいこともないしー。
ヘラヘラと相談した僕に、担任の初老美術教師は、予想外の反応をした。
オレはオマエの進路なんてどうでもいいんだよ。
さっさと提出しろ。
え、ヘラヘラはしているが、一応僕なりに考え、行き詰まって相談したのだ。
なのに何この対応?
新年度の初日からオマエが嫌いだった。
……え?
なにその衝撃告白。
そんなこと、今言わなくても良くない?
先生のバカッ!!!
今考えても僕、かわいそくない?
ひどくない?
ひどいよね。
これ、本当にあった話で。
でもこの一件がなければ、僕の進路は全く違ったものになっていただろう。
だから、結果的に良かったのかな。
いや、全然よくねーや。
パワハラぞ。
ハートブレイクした僕は面談室を後にし、泣きながら学年主任のところへ向かった。
担任はダメだった。
じゃあ次の人だ。
「担任」の次は「学年主任」。
それ以外思いつかない。
学年主任は英語担当のマダムで、ほぼ喋ったことがない。
授業は受けていたが、態度は非常に悪かったと思う。
というか、基本寝てた。
だからそのマダムに相談する意味もわからなかったが、もう、僕にはマダムしか思いつかない。
そんな挙動不審で意味不明な僕に、マダムはこう言ったのだ。
雰囲気がアナタに似てるから、水族館はどう?
楽しそうに仕事をしてるわよ。
水族館……だと?
思いがけない提案だったが、ハートブレイクした僕がすがるのはもうマダムしかない。
正直、水族館になんの思い入れもない。
その館長さんも知ったこっちゃない。
でもとりあえず生物を選択すれば、来年度の問題はなくなり、今直面している問題から解放される。
ってなわけで、用紙に
そして
と記入し、提出した。
あ、急に出てきた政治経済はですね、全然好きじゃないけど、担当の先生のファンだったんですよ。
難解な事柄をわかりやすく説明する、今思えば池上さんのような先生だった。
その人の授業を聞きたかったのだ。
生物と政治経済って、文系か理系かもよくわからないチョイス。
でも、なんの問題もない。
僕は受験しないのだから。
そして、文理選択をしたくない、「何かを選びたくない」という意識も働き、もっと言うとこの時点でもうっすら自覚していたように思う。
よし。
とりあえずこれで卒業できそうだ。
無事、選択用紙を提出。
これでこの件は終了だ。
そう思って疑わなかった。
このまま生物と政経を受講し、高校を卒業、そしてフリーターになる。
はずだった。
以上、僕の進路選択エピソードの前半部分でした。
偶然の上に、適当に選択科目を決めた。
何にもなりたくなくて、何も選びたくなかった。
自分の人生に責任を取りたくなかったのですね。
「自分」が見えておらず、ゆえに決められない。
向き合えないダメな自分が認められない。
なので偶然に身を任せ、流されることで、責任回避しようとしたのでしょう。
『決定』から逃げたんだね。
思えばコレ、僕の人生の前半でよくあった。
他のことでもそう。
とか言い訳して、自分以外のもののせいにする。
「流れに身を任せる」なんて耳障りのいい言葉を都合よく振りかざして。
結果、当たり前だけど、良いことも悪いこともあって。
ギャンブルよな。
自分の人生、なんの舵取りもしていなかった。
まぁガキだったし許して。
次回この続き。
一旦はこれで決まりかけた進路だったけど、運命のいたずらで、大どんでん返しにあったんだ。
ここから180度方向転換し、医学部受験を決めるまで。
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気になって
眠れません(笑)
しかし、色んな先生が
いらっしゃるもんですね。
つづきがたのしみです。
なにかしなきゃとか何かは選ばなきゃと
思う気持ちはえらいなです(^^)
そこで流川とは!!!先生きっと私と同年代です笑(前から思ってたけど)。次回、いつもの記事と違った意味での楽しみな気持ちです^_^
上のコメントの方に続き、先生バスケがしたいですじゃなくて、続編が読みたいです!笑
それはさておき、あたたかくクスっと笑える記事を、いつも本当にありがとうございます。
先生、いつもありがとうございます。
先生自身のお話が聞けるなんて嬉しいです。
ずっと傷ついてきた親や子どもたちが、これからの思いがけない人生を楽しみに、P先生のような先生もどこかにいらっしゃるという希望になります🍀
気になります💧
そして楽しみ✨
うちの子の参考になりますか…なってほしい。
大学はなんとなく、行っときたい。そして将来結婚せずにサラリーマンになるらしいです。
ワクワク、ドキドキ!
やっぱ先生の記事は面白いです。
はやく〜
続きが欲しい〜
こんにちは!
「それは冬だった」
小説が始まるかと思いました!
水族館、でしたか。
イルカがいますね。
その初老の担任のおじさんは 酷いです。
何でしょう、
授業態度の割に成績が良いから気に入らん、
な感じでしょうか。
初日から嫌いだった、は フッかけてるだけかな。
続編を楽しみにしています^_^
成功ガチャな出会いが出てきますように…(´-`)
私も続きが気になります!だって医学部って1番大変そうな選択肢なんですもの。
高校生の息子を持つ母として興味津々です。
第三者からすると面白いけど、親としてはハラハラドキドキ。後になるとなるべくしてこうなった。と思えるようになるのでしょうか。
続きが楽しみ!!
先生、早く続編が読みたいです!笑