HSCとASDの違い。
割と需要のある議題らしい。
難しいですよねー。
興味を持っている人が多いようなので、いただいたコメントから考えたことを書いてみる。
HSCはネガティブだ。
そして、ASDとHSCの見分けは僕にはとても難しい。
こんなコメントをいただいた。↓
ASDとHSCの見分け方のひとつになる?
なるほど、考えたことなかった。
おもしろい視点だなーと思ったので、ちょっと考えてみる。
ネガティブといえばHSCだ。
ASDがネガティブって、あまり聞かない。
ここに差があるなら、ASDとHSCを見分けるポイントになるはずだ。
確かにその通り。
で。
よくよく考えてみたんだけど、ASDも結構ネガティブな印象がある。(なーんだ、見分けられないのか) (まぁ最後まで聞いてくださいよ)
特に、ある程度「自分」がある子。
特性がそこまで濃くない子。
周囲の目を気にする子は、割とネガティブだったりする。
もちろん「なんかうまくいかない子」が受診するので、病院にくる子はネガティブ率が高くなるのかもしれない。
問題のないASDはポジティブなのかもしれないけど。
まぁそれは逆も然りで、特に問題のないHSCは結構ポジティブなのかもしれないし。(「空気がおいしい」「雨上がりの空がきれい」「友達が優しくしてくれた」とかでめっっっちゃハッピーになるのがHSC)
考えたんだけど、HSCとASDとでは、ネガティブの性質が異なるように思う。
HSCのネガティブは、『ザ☆ネガティブ』。
星(☆)つけちゃうようなネガティブ。
幽☆遊☆白書 とか。
涙がキラリ☆ とか。
星(☆)が何を意味してるのかはよくわからないけど。
僕はノリだけ。
とにかくHSCは、わかりやすくネガティブ。
以前書いた、
それで笑われるかも、いじめられるかも。
みたいな。
そんなに悪い想像ばかりしなくても……的な。
他にも、
とかまぁ、 理解はできるけどなにもそこまで という内容が多いでしょうか。
「可能性はあるだろうけども……」って感じ。
が、ピッタリはまる感じ。
対するASDのネガティブは、なんかちょっと違う。
って感じ。
例えばHSCが授業中にお腹が鳴ることを心配しているとしたら、その横で
……カメ?
ん?
よくわかんないけど、じゃあ事情を話して隣のクラスに預けるとか、授業中は水槽を廊下に出すとかする?
こんな感じ。
言ってることは、分かるような分からないような、でもよく分からないような。
カメの話は僕が考えた例だけど、他の内容でも「なんか悪い方に考えてるんだけど、ポイントそこ?」みたいな。
ネガティブなんだけど、それよりもフシギが勝つ的な感じ。
多分、「ネガティブ」より「こだわり」に分類されちゃうことが多いのだと思う。
以前作った図。↓
マジ天才の仕事だと思うんだけど。
気遣いの方向性の図なんだけど。
この記事で作った。
自分から相手にピッタリ伸びた、この矢印が100点満点の気遣いとする。
この図を、「気遣い」じゃなくて「不安」と置き換えてください。
上図が、誰にでも理解される標準的な不安とする。
ピッタリの不安。
実際に起こりそうなリスクに対し、妥当な不安を抱いている状態ね。
とすると、HSCの不安ってこんな感じだと思った。↓
気持ちはわかるけど、そこまで不安がらなくていいのに!
典型的なネガティブですよね。
まぁわかる。
あとは、これ。↓
ちょっとずれてるけど、まぁ理解できる範疇の不安。
この二つがHSCの不安って感じ。
対してASDの不安。↓
不安の暴投!
そこ? って箇所を不安がる。
ネガティブはネガティブなんだけど(不安自体は強い)、不思議なネガティブ。
ちょっとよく分かんない。
だからASDはネガティブって言われづらいのかなと。
ネガティブというか、やっぱ『こだわり』に見えちゃうよね。
だから、ASDもHSCもネガティブなんだけど、ちょっと質が違う。
これが見極められると、ASDとHSCの見分けの一助になるのかなーと思った。
診察室では難しいから、日頃よく見ていただけるとよいかと。
「HSCだから」「ASDだから」とレッテルを貼らず、その子の特性を見てください!
↑これは変わらない結論なんだけど。
でもあーでもない、こーでもないと考えるのは、僕は結構好きなんだよね。
HSCとASDは、両方ネガティブな傾向があるけど、ネガティブの質が違う。
↑これは新たな視点として提案してもいいのかもしれないと思った。
View Comments
ASDの息子、ずれてはないけど拘ってます。
昨年度、理科のノート紛失したら、理科の授業のある日は学校に行かない!!となりました。
別のもので代用すれば良い。先生には話しとおくと言うも受け入れずでした。
結局、先生からなくても大丈夫って言われたら即OKに。
今年度は漢字ノートなくしました。
宿題3回忘れると起こられるから行かないとなりました。
先生にはノートなくして出来なかったと伝えると言っても駄目でした。
結局、新しいノート購入可能だからと言われたらOKに。
駄目もOKも拘りまくりです。
いつも更新を楽しみにしています。
中学一年のHSCの娘の母のすずらんです。
前回のHSCとASD の区別の記事も読ませていただきました。
娘は小5から不登校で母子登校したりして6年の3学期に教室復帰しました…が中学に入り2日ほど行きましたが、またやはり足が進まなくなりました。
教室復帰した時も周りに気を遣いすぎて疲れはてて帰ってきていました。
小さい時からうるさいのが苦手で主治医からは「HSCという診断名はないからつけるとしたらASD」と言われ、娘は周りに気を遣いすぎて疲れてるのにASD!?今まで場にそぐわない言動なんて全くなかったし、友達ともうまくやってるのに?
納得いかないと思いましたが、月に一回会うくらいの主治医が娘の全部を見てる訳ではないから仕方ないのかなぁ…と思いました。
下の小4の息子はADHD+LD(ディスレクシア)の診断を受けていてこちらも学校には行けたり行けなかったりですが、私から見ると彼の方がASDの傾向があると思っています。空気は読まないし、興味の偏りがすごくて。
ただ今のところ、周りからはちょっとわがままな面白いジャイアンと思われているようで友達も多いです。
ASD傾向の彼は学校に行けてなくても、楽しい校外学習にはその日だけ参加できていて例えば授業が全部彼の大好きな体育なら喜んで登校すると思います。
逆にHSCの娘は全部が好きな授業でも「急に学校にきてみんながどう思ってるだろう…」と言うのが気になり、結果的に参加できないのです。
ずっと行けてなくても自分の興味があれば行ける息子と自分が行きたくても周りの目が気になり行けない娘、ここもASDとHSCの違いのような気がします。
P先生の記事を読んで
HSCの娘のネガティブは「そんなとこまで気にして大変だねー」と同情したくなる内容でASDの息子のネガティブは「やはり私と脳が違うんだね」と言いたくなるような理解したくても難しいネガティブです(笑)
初めてコメントします。先生のブログ大好きです。
私の息子も ADHDとASDです。不安の暴投に笑っちゃいました!
息子の不登校の始まりも「教室が臭い」でした。担任の先生も不思議顔、私も確認しましたが「はて?」でした(笑
その後も色んな理由のオンパレードでした。
ペットのクワガタがご臨終すれば、その度に涙し「悲しくて学校に行けない。」
「人がいっぱいいると怖い」かと思えば、「誰もいないの怖い」。世の中、怖いものだらけ。
そんな息子も今は学校に行けてます(^-^)息子の場合は時間はかかりますが、慣れれば大丈夫なようです。
激しい行き渋りから不登校の始まりの頃のすごく辛かった時期に先生のブログに救われました。これからも楽しみにしています。
先生の図、天才すぎます。
特にASDの矢印の暴投っぷりなんて、もう!まさにうちの娘!
吹き出してしまいました。
ASDの不思議なネガティブの中には、もしかしたら共感覚によるものがあるかも知れませんね。
私は小さい頃、水戸黄門のテーマソングと共に流れる家紋の映像を見ると、とても苦い味を感じて(何も口に入れていないのに)部屋から逃げ出すほど苦手でした。
例に出てたカメさんは共感覚とは違うかも知れませんが…
ネガティヴの差、とても良くわかります。
うちのASD小6娘の不安のベクトルはまさに図の通り。不安の根底がそもそも「そこ?」的な感じで、こだわりが強いが故に「こだわっている部分が自分にとって適切でない」のが嫌!→不安感(に見える)という。嫌なものは嫌。妥協出来ないんですよね〜。
P先生のブログにはよく「あ、でも特性の強いASDは除いて」というのがありますよね。それを読むたびに「あーうちは対象外か〜」となります。って、あ、決して責めてるとか批判では無いですからね!それだけASDの強め特性って難しいんだなぁ、他の発達障害とは違うんだなぁと考えさせられるのです。
そしてP先生ご自身もASDでいらっしゃるという事で、その観点から強めASDについての記事を又もっと書いて頂けたら嬉しいです。
(過去分の不登校編や社会生活に向けて編は既読済みです。いろいろ目から鱗で参考になりました!)