僕の外来には、ネットで情報を調べてから受診される方がたくさんいる。
病名ずばり、コレですか? とか。
こんな記事があったのでこの薬を試してみたい、とか。
今日はネットの情報との付き合い方について。
子供の発達で困ったとき、ママ友には聞かないようにと書いた。
ではどうするか。
手っ取り早くネットで検索する人が多いと思う。
便利な世の中になったものだ。
僕はネット大好き。
肯定派だ。
ただ良い点と悪い点があるので、注意されたし。
気にしてほしいのは、誰が言っているのか。
それによって信憑性が全っっっ然違うことは注意してほしい。
信ぴょう性がある。
信じてください。
むしろ積極的に信じてください。
ニュースやワイドショーより正確。
個人が得られる情報で最も正確なのではないだろうか。
ただ、分かりづらいのが玉にキズ。
専門用語が多いんだもの・・・。
これはマユツバ。
注意されたし。
特に、ある個人の体験談を書いたもの。
そういう人がいたのは事実かもしれないが、一般論ではない。
そのまま我が子に当てはめるべきではない。
ただママ友よりは我が子の状態に近い人が見つかるだろうから、そういう人がいたと参考にするのはよいと思う。
じゃあ専門家のブログならいい?
例えばこのブログ、小児科専門医が書いてるっぷりだけど。
でも、本当に小児科医が書いている?
その辺の素人のオッサンが書いているかもしれない。
医師免許、アップされてました?
そもそもDr.Pなんて実在するの?
Pってなんなの?
イニシャル?
イニシャルPって、朴しか思い浮かばないけど朴先生なの?(全国の朴先生ゴメンナサイ。そして僕は朴ではない。)
ペリー?(ペリーでもない。開国を迫らない。)
いや、僕は実在するけれども。
でも僕が個人的に書いており、個人の主張であることは間違いない。
ちゃんとした論文で、ちゃんとした共著者がいて、きちんと査読されたものではない。
そのまま鵜呑みにするのは考えものだ。(だからこそ、気になることがあったらメールやコメントで教えてください。僕も勉強したいのでお願いします。)
上記①と②の中間。
ちゃんとソースがあるものと、個人ブログに近いものとある。
マユツバ物もある。
これを見分けるのは、その分野の知識がないと難しい。
だからちょっと注意してほしい。
ただ。
アヤシゲな情報があるのは事実だが、全て発信する側(メディアやマスコミ)が悪いとも言い切れないように思う。
人は未知の事柄に対し、解釈を求める。
例えばコロナ。
よくわからないですよね?
目に見えないし。
だからどんなウイルスか、感染するとどうなるか、誰かに説明してほしい。
未知のウイルスだから詳細は誰にもわからないのだけど、それらしい説明があるとちょっと安心する。
感染人数だけ提示されるより、「終息傾向なのか否か」を説明してほしい。
「スーパーに行くのは3日に1回」など具体的な数字があると、わかりやすい。
そんな心理から、人は解釈を求める。
ニーズがあるので、それらしいと思われる解釈を掲載するのだ。
ニュースが悪いわけではない。
でも、本当にそれらしいのか、的外れか、玉石混淆だ。
なので僕も注意している。
ちなみにネットではなくテレビだが、ワイドショーは・・・正直アレだ。
少なくとも医療の分野ではアレだ。
情報過多にならないよう、あまり見過ぎないほうが賢明だと、僕は思う。
以上。
ネットと上手に付き合ってほしい。
病院受診時に、「ネットでこんな情報を見たのですが」と持ってくるのはよいことだと思う。
それで怒る医者もいるかもしれないが、僕は歓迎している。
患者さんの情報源として、よいツールだと思う。
ただ、「ネットでこう書いてあったからこうに違いない」と決めつけて持ってこられると困ってしまう。
ネットより、実際に患者さんを見ている医者の意見のほうが信用に値すると思われる。
ネットを参考に医者(などの専門家)に話を聞くと、得られる情報量が増える。
上手に活用されたし。