不登校がなぜダメなのかという話から派生して。
みなさん、予防接種って打ってますか?
お子さんには打ちましたか?
乳児期から入学までの大量の予防接種、大変でしたよね。
お疲れ様です。
そして。
世の中には『予防接種受けない派』の人も思ったよりたくさんいまして。
健診や入院患者さんで予防接種を受けていない子と出会ったら、僕は一応ふわっとオススメすることにしている。
「可能ならワクチン接種をお勧めしますけど、予約取りましょうか?」
すると大抵、「ウチは打たない主義なのよ!」的な答えが返ってくる。
世の中にはいろんな主義・主張の人がいる。
この人たちの考えを否定する気はサラサラないので、「そうですかー、わかりました!」と笑顔で引き下がるのだけど。
個々のどのワクチンという話ではなく、特に定期接種化されているワクチンたちについては、ある程度の効果が担保されてるとされる。
エビデンスも積み重なっている。
臨床での体感的にも、やっぱり効果はあると思う。
ヒブ髄膜炎とか、ロタウイルス腸炎とか、とんと聞かなくなった。
この辺、かかると結構重症化するんですよ。
場合によっては後遺症が残ったり。
それがめっきりなくなったって、医療の進歩はすげーなーと素直に思う。
対して、予防接種の副反応はあまり聞かない。
腫れたとか熱が出たとか軽いものはあるけど、大変なことになっちゃったって話はめったに聞かない。
なくはないんだろうけど、頻度は非常に低い。
「髄膜炎にかかって後遺症が残る人」と「ワクチンの副作用で後遺症が残る人」とを比較した場合、圧倒的に前者が多いのはお分かりいただけると思う。
確率の問題で、打つ方がおトクだと思うのだ。
と、僕は思うんだけど、これは僕の考えであって。
でも、ワクチン打たない派の人はなぜ打たないのか、ちょっと納得した話があるので聞いてもらいたい。
トロッコ問題って知ってます?
トロッコが暴走して、このままいくと線路上にいる5人が轢かれて死ぬけど、あなたがレバーを引けば進路が変わって1人が死にます、ってやつ。
引きますか? ってやつ。
(図:Wikipediaより)
これ、正解はない。
どっちが正しいとかはないと思うんだけど。
僕だったら圧倒的にレバーを引く。
秒で引く。
でも、自分が手を下して1人殺すくらいなら5人を見殺しにするって意見も、全然納得できる。
これですよ。
予防接種拒否派の人って、この考え方なんじゃね?
予防接種の効果より、頻度の低い副反応を優先する。
これって「自分が手を下した(ワクチンを接種した)ことで子供に副反応が起きるのは嫌」ってことなんじゃね?
そもそもワクチンには効果がないという主張については、平行線だと思うのでここでは議論しない。
でも一定の効果はあると思いながら、それでも接種しない人。
それってこういうことなんじゃないかと思い当たった。
「自然にかかって免疫をつける」というのも、
親が手を下して無理に免疫をつけさせる(副反応が起きたら親のせい)
より、
自然に罹患する(重症化しても悪いのは病原菌であり誰の責任でもない)
を選ぶぜ!ってことだろう。
友達は罹らなかったとかも、じゃあ自分の子も罹らないという保証は全くないのに、
「罹患せず終わる可能性もあるのに、わざわざ注射をして副反応を起こすなんて絶対にイヤ!」
ってことかしら。
そう考えると合点がいった。
なるほどな、じゃあ打たないよなーと。
考えたんだけど、不登校も同じ感じなのかしら。
わざわざレバーを引く(不登校を許容する)より、このまま普通に登校を続けさせて流れに身を任せる、ってこと?
不登校って普通じゃない選択肢(あえてこう表現する)で、覚悟を持って選ぶものだし。
普通に、当たり前に学校へ行くのが自然。
だから「普通であってほしい」「あえて突飛な選択肢(不登校)を選ばないでほしい」ってことなのかしら。
と思った。
不登校を選択した結果、最悪な結末(ひきこもりとか)になるのは絶対に避けたい! ってこと。
無理やり行かせた方がその後の引きこもりとか問題行動とかの可能性が高いのだけど、でも「ちゃんと登校させたのにも関わらず自然とそうなった」場合は仕方ないと思えるし、許容できる。
行動による害(例えば誰かが死ぬような出来事)は行動しなかったことによる危害よりも、非道徳的だと判断される。
『行動の原理』と言うらしい。
この原理に立てば、確かに不登校は「ダメ! ゼッタイ!」よな。
わざわざ不登校させて、しかもうまくいかなかった場合、非難されて然るべきという考え。
じゃあ行動しない(フツーに登校を続けさせる)が最適解だ。
※個人的には道徳的とか非道徳的とかどーでもよくて、単純に確率論で考えてしまうんだけど。
でもこの道徳観念を優先する人の気持ちは理解できる。
そんな仮説を立ててみたのだが、どうだろう。
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P先生、「不登校がダメな理由、コメントのお返し」ありがとうございました。
「不登校選択後の進路、選択肢」や、毎日の暮らし方を、具体的に知るにはどう調べるのが効率的なのでしょうか?先生のブログやみなさんのコメントで徐々に知っていってる現状です。
予防接種、「親の判断で手を下して もし重大な副反応が出たら精神的に耐えられない」
これを毎回思っていました。
その上で、もろもろを天秤にかけて、ドキドキしながら接種させる、の繰り返しです。トロッコ問題のたとえ よく分かります。
そしてコメント書かれている方のおっしゃるように、「うつ方が大多数」である事が、接種決定の一助になるかたちです。
P先生のようにフワッとオススメして、責めない先生…なんと有り難い存在か。
乳児湿疹やアレルギーが酷かったので予防接種を打ちたくなかった(なるべく異物を入れたくなかった)のですが、保健所では非国民扱いされ、酷いときには病原菌を撒き散らす犯罪者予備軍扱いされました。(東京23区内)
なるべく大きくなってから、と遅めに打った第一子で、強めの副反応がでで、それを話すと下の子たちはあまり言われなくなりましたが。。。
予防接種の場合は、接種する人が大多数なので、責任を取りたくない人は予防接種打っていると思います。
打たないで罹ったら母親のせい、と強く言われることが多いですし、何かあっても「国が決めてるから打ったのに」と言えるので。
我が子三人とも不登校ですが、風当たりは不登校の比ではないくらい強いです。
ちょっと話は変わりますが、HSC.HSPは痛みや不調にも敏感ですが薬にも敏感な感じはありませんか?
私も子ども達も歯科で麻酔を午前中にして、2〜3時間で切れますよと言われても夕飯が食べられないくらい違和感が残ったり、アレルギーの薬も眠気が抑えてあるものでも一日中朦朧としてしまいます。
私は医療従事者なのでインフルエンザの予防接種を推奨されますが、数日動けなくなってしまうので、何回かは打ちましたが、その後免除してもらってなるべく自分の免疫に頑張ってもらっています。
もしかして、他の方もそういう傾向があるのかと、興味があります。