HSC、ひといちばい敏感な子。
ぶっちゃけ、育てにくくないですか?
感覚が過敏でこだわりも強いし。
変な正義感があったり、納得するまで意見を曲げない。
かと思えば引っ込み思案でもじもじ。
みんなの前で発表できなくて、見ているこっちがハラハラ。
遠足の数日前から大はしゃぎしたかと思えば、いざ当日になると「疲れた」。
気になるとしつこく聞いてきたり、
かと思えば口を挟むと怒ることもあって。
頭痛、腹痛、胸痛、関節痛、腰痛、生理痛、(イタイイタイ病か)
挙句、起立性調節障害からの不登校……。
うがーーー!
私が一体何したっていうの⁉︎
前世か? 前世で何かやらかしたのかっ⁉︎
そんな育てにくお子さんを育てているお母さん。
お疲れ様です。
でも、HSCだからこその良いところもたくさんあるって、お母さんがよくご存知でしょう。
先日受診されたHSCと思われるお子さんの、ほっこりしたエピソードを紹介したい。
起立性調節障害の疑いで紹介されてきた中学生。
負荷試験の最中にぶっ倒れ、めでたく診断がついたところだ。
半年ほど不登校のようで、詳しく話をきいた。
学校のこと、友達や勉強、部活について、自分の性格、家族のこと。
そして定番の質問、『好きなことはなんですか?』。
するとこう答えた。
ディズニー!
ディズニーが大好きで、テストとかのご褒美にディズニーランドを設定してます。
もう好きすぎて、ディズニーに行けると思うとなんとか頑張れるんですよ!
それまで死んだ魚のような目をしていた子が、急に輝き始める。
パークの雰囲気が大好きなんですよ。
あの世界観にひたっているだけでもう……(うっとり)
今ディズニーランドお休みだからつらいね。
そうなんですっ!
だから、プリンセスの世界とか思い浮かべて、妄想に浸っているときが一番の幸せで…。
このマイワールド。
すごくないですか?
情景、空、匂い、光。
手に取るように、すぐそこにあるように感じる。
想像に包まれ、酔いしれ、それだけで心が満たされる。
そこは暖かく優しい世界。
悪意のカケラもない、素晴らしい世界。
そしてこの世界は、彼女だけのものだ。
彼女の空、彼女の風景だ。
なんとなく理解できる気はするけれど、真に共有することは、誰にもできない。
いや、なんて素晴らしい。
この豊かなイマジネーション、非HSCにはきっと持ち得ないだろう。
表面上の即物的な感想ではなく、自分なりのイメージを付加し、高めていく感じ。
美意識が研ぎ澄まされていく感じ……!
もうね、オジちゃん、お腹いっぱいになったよ。
キミはそのままでいい。
そのままでいいよ。
その世界に浸っているのが、何より尊いよ。
学校とか、もう、どーだっていいんじゃないかな!
このような想像力って、HSC特有のものだと思う。
想像力が豊かすぎて時には厄介なこともあるけど、でもでも、すごく素敵なことだと思いませんか?
誰にも邪魔できない、真似もできない、唯一無二の彼女の世界。
あゝ、天上天下唯我独尊!(使い方合ってます?)
HSC、ひといちばい敏感な子。
育てにくいしめんどくさい。
でも、幸せに対しても誰よりも敏感。
少しいいことがあれば超ハッピー、自分のイメージに浸ってめちゃくちゃハッピー!
誰よりも『幸せになる才能』を持っていると考えるのは、突飛だろうか。
この子は、この子のまま幸せになればそれでいいと、心から思う。
ちなみに彼女が好きな教科は歴史だそうだ。
「幕末とか、いろんな人の思考が交錯していて面白い。想像するだけでご飯三杯はいけちゃう」
とのこと。
もう、あなたは、そのままでいてください……。