Categories: 心理学

【ところで】WISC受けた?【どうした?】

WISC。

子ども用の知能検査。

※大人用はWAIS

 

心や発達系の相談に行くと、勧められることがままある。

 

受けました?

それはなぜですか?

 

 

最近、IQに絡めた話をいくつかアップした。

IQの概念って誤解されやすいところだと思うので、いっちょここらで書いておく。

 

完璧な検査ではない

最初に言っておく。

WISCでその子の能力の全てが測れるわけではない。

 

完璧な検査なんかじゃない。

むしろ、その子のほんの一面しか見ていなかったりする。

僕はザル検査だとすら思っていて。

 

そもそも、人間の能力を測るなんて無理なんだと思う。

その子の能力を数値化するって、どんなふうに検査すれば良い?

なんの能力を、どんな方法で評価する?

どうしたって限界があるだろう。

 

だから数字に一喜一憂する意味はあまりなくて。

あくまで『参考』だ。

 

 

よく言われるんだけど。

 

WISCで発達障害の診断ができますよね?

 

いや、できねーから!!!

 

発達障害を診断する検査ではない。

 

でも、凸凹が大きければ発達障害ですよね?

 

これも、絶対ではない。

そういう「傾向がある」ってだけで、全員が当てはまるわけではない。

 

凸凹のないASDやADHDもいるし。

定型発達でも、困りごとがある子は凸凹が大きいことが全然よくある。

 

パフォーマンスを見る

その上で。

僕はWISC結構好きで。

「参考までに」、とりあえずこの子のWISCを見てみたいなーと思う。

 

WISCはその子の能力を表すわけではないけれど、その子の「パフォーマンス」ならわかる。

パフォーマンス。

つまり、「この課題をやってください」と提示されたとき、どれだけの結果が出せるかだ。

 

たとえ能力があったとしても、やる気がなかったら得点にならない。

頑張りすぎて、必要以上に難しく考えすぎちゃっても点が伸びない。

 

だからWISCがイコールその子の知能ってわけではないんだけど。

「パフォーマンス」としては参考になる。

 

この「パフォーマンス」。

日常生活で求められる場面は多い。

実際「できる」か、「できない」かってこと。

役所で手続きできるかとか、お金の計算ができるかとか。

 

特に学校で求められる能力とは非常に似通っている。

問題に正解するとか、黒板の文字を書き写すとか、夏休みの宿題を計画をたてて実行するとかね。

 

だから特に小中学生では、学校生活でどんなことが困るか、「参考までに」WISCをとることが多い。

困り感を数値化できる(ザルだけど)のは、便利だと思う。

※ちなみに、得点が高すぎる子も学校では困る。みんなのレベルから逸脱しているから。大抵理解されないし(ギフテッドとか、そういうタイプね)。IQが高けりゃ無双できるってもんでもない。

 

その子の中での凸凹

WISCはザル検査だけど、その子の中での凸凹はそうなんだと僕は思っていて。

 

困りごとのある子。

得点の凸凹が大きいとする。

 

数字自体に大きい意味はないかもしれないが、得点差は信頼できる。

同じ日に同じ子が、同じモチベーションで受けた検査だからね。

 

その得点差で、困りごとの解釈を試みる。

↓例えばこのタイプなら、手を動かすよりより頭の中で考える方が得意だろうなーとか。

 

ってことで。

受けたからといって、その子の全てがわかるわけではないWISC。

「参考」にしかならない検査。

でも「参考までに」見るのは面白い検査。

 

お子さんは、受けましたか?

 

受けた理由はなんですか?

受けなかった理由は?

 

まだ受けていない子は、今後受けますか?

何を見て、どう活用しますか?

 

この辺を考えていただけると、非常に有用な、興味深い検査だと思う。

僕は好き。

pediatrician-p

View Comments

  • ASDの次男が通級を受けるか考えていて、その時にWISCの検査が必要になると聞きました。
    ざっくりとわかってはいましたが改めて理解できて良かったです。

  • 最近、こちらのブログに出会って、翻っていろいろ読ませていただいてます。発達障害、HSC、IQなど専門的な話をとても分かりやすく楽しい文章で書かれていて、なるほどと思いまくりです。学校が合わない子を持つ親の心の安定剤として、とても助かってます!

    WISC検査という言葉は、こちらのブログで初めて知りました。得意不得意の凸凹がある程度数値で分かるので、学校生活などの困りごとの対処法を考えるのに有効ということでしょうか。
    うちの子も、手を動かすより頭で考えるのが得意なタイプかも。
    検査を勧めるのは、お医者さんの考え方や子どもの困りごとによっても違うとは思いますが、お勧めされたら受けさせると思います。

  • いつもブログ拝読させていただいてます。
    先生のブログ読むと元気になります。

    息子小5ADHDグレー診断(小4の時脳波の検査で)
    WISC検査(小4)で
    知覚推理、ワーキングメモリが低くく
    言語理解と処理が高く出て
    高低差は30以上ありました。

    グレーと診断された時は
    今までの子供の言動を理解できなし
    そんな気がしたので、やっぱりなと。
    私はWISCと脳波でももっと早くにやっておけばと
    後悔しました。
    彼の困り事を理解せず、ただただ怒っていました。
    本当、叱って叱って育ててきてしまいました。

    早く知っていたら、もっと違う考えで対応できていたのではないかと。

    診断や検査結果を、受けて
    担任の先生、コーディネーターの先生の理解を得られて少しずつですが、変わっていってるような気がするし、通級指導に通い始める事ができ、
    私も相談できる場所が増えた事で少しは気分が楽です。

    あくまでも参考に、検査結果がこうだからこれは
    できない!とかではなく
    苦手な部分を補う方法を
    試行錯誤で試している途中です。
     
    それもありますが、思春期突入したような?
    あれ?つい先日までこんな事言わなかったのに
    こんな態度とらなかったのに!
    思春期に戸惑う毎日です。

    先生のブログ楽しみにしています。

  • いつもブログに気付きや励ましをもらっています。
    更新ありがとうございます!

    WISCはまだ受けたことがありません。
    医師からは長く時間がかかる検査で、子供の負担が大きいからとの事でした。
    市の就学相談でも聞いてみましたが、検査に繋がることができませんでした。

    でも興味がない事への集中が難しい息子では、受けたとしても結果がボロボロで、親のメンタルがえぐられそうです。
    数字が出る検査の結果が高ければ可能性を感じるでしょうが、低ければ相当のショックを受けるのが目に見えます。

    しかも、IQって一生変わらないんですよね?
    IQって学力を積み上げるための土台の部分だと思いますが、それが無いって事ですよね?
    やっぱりこの子はバカなのかと何かにつけてチラついたり、林修先生が学力は母親からの遺伝だと言ってたし結局は自分のせいなのかと、子供を諦め自分を責めてしまうと思います。

    無いものは無いと早めに受容する事が大事なのかもしれませんが、やっぱりこの子は普通ではないのかと揺れがちな気持ちと共に、WISCの現実を受け止めるのは、かなりしんどいです。

    試験を受けてしまったら最後、結果を指針に全ての物事が動いていきそうで、思ってたよりも数字が低かったらと考えると、検査を受けるのが怖く感じてしまいます。

    • ↑追記です

      ブログ読んでます!と言いながら、先生がずっと言ってる事が届いてないように見えるので追記します。

      その子のままを受容することが大事。
      何より大切なのは自己肯定感で、あとはどうにでもなる。
      検査ではどんなカードを持ってるか、戦略をたてるための武器を知ることができる。
      優劣をはかるためのものではない。

      それでも、物差しがあれば優劣を感じます。
      現実でもSNSでも発達障害って同じカテゴリの子の親なのに、子供のできるレベルでお互いに気を遣ったり、序列感があったりします。謎のマウンティングされることもあるあるです。
      数字があれば比較するし、いきなり足元の板が谷底に落ちてくように思える。
      数字を見ないで目の前の子供の成長を見てる方が、比較を突きつけられないので喜べる気がします。

      などと、デモデモダッテしましたが、主治医がP先生のように子供に寄り添ってくれる方なので、タイミングがきたら検査は受けます。ちゃんと現実と向き合います。
      子供が日々ストレスにさらされる事なく、笑顔多く過ごせることが何よりの願いなので。

  • 新版K式検査についても聞きたいです。
    私の子どもは、市の発達センターで3歳8か月頃受けました。まだ小学校が何かも分かっていない子に「小学校に遅刻しそうになったらどうする?」と聞いたり、運動面を見るのに椅子に立たせて飛び降りさせたり、疑問に思ったので新版K式を調べたら、原則隣り合わせで、また1対1で行うとなっていて、私の子どもの場合は、心理士と向かい合わせで、私は一緒の部屋で子どもの後ろにいました。
    臨床心理士(どちらか公認心理士かわからないですが)によってやり方がことなるのか、その子を見てやり方を変えるのか分からないですが疑問一杯です。

  • ちょうど4月にWISCを受け(2回目)、先週結果を聞いてきたところです。
    来年中学に入るので、いろいろと配慮をお願いするのに資料としてあったほうがいいかな、と思い受けました。
    1回目に受けたのは相談機関で結果は数値とグラフのみ紙でもらい、詳しくは口頭での説明といった感じでしたが、今回の病院(自費)は、説明も文書にしてつけてくれました。(A4に3枚くらい)
    また希望があれば子ども本人にも説明してもらえるとのことで、うちはこれもお願いしました。
    親への説明とは別日に子どもむけに検査結果をかみ砕いて文書にしたものをいただき、お医者さんの口から本人に説明してもらいました。
    本文の例に出ているグラフのような息子、3年生のときに告知済みで普段から発達障害に関しての会話はよく出てきます。
    何かあると"オレはダメなやつだ"となりがちな息子なので、時々心配になります。
    ですが今回、お医者さんの視点で息子を丸ごと誉めてもらった上で"こういう配慮を受けたら過ごしやすくなるよ""こういうところに気をつけて友だちと接してみると、わかることがあるかもしれない"とワンポイントアドバイスのような感じで話してもらえて、本人も素直に聞いていたような感じでした。

    私としては学校に配慮をお願いするときに、ただ親としての希望のおしつけにならないように、診断書まではいかないですが、"お医者さんの目から見てもこういう配慮が必要みたいです~"というニュアンスも込めやすいので、WISC検査を受けさせました。
    もちろん、学校側が興味を持って読んでくれなければ、ただの紙切れになりますが(^-^;
    でも今回の病院で、子供用にまとめてもらった文書が読みやすくわかりすいので、こちらも学校に出してみようと思います。

    私も万能検査だとは思っていませんが(むしろ息子のようなタイプは数値で計りきれない部分がたくさん…(^-^;)、外との交渉や本人とのやりとりのツールとして、WISCがあると助かるかなーと思います。

  • WISKって発達障害の診断になる検査ではないんですね。

    うちは長男が年長の時に療育センターで検査して貰い、私はなんとなく「犯人はお前だー!」って感じで苦手分野や支援すべき所がわかるのかな?なんて考えていたのですが、全般的に高めだけど下位項目でミスしてる問題がある?とかで、数値じゃなくて内容で検査結果を読み解く必要があるというような説明があり、いまいち何が問題点かはっきり分からず…でした。
    あと高い中でも20くらい差がある項目があるから、本人的に思う様にできてないと感じる事があるかも?という話もありました。

    でも私は息子のこだわりや癇癪はASDなのかな?と思っていたので、IQを考慮してみた事で、こだわりは高すぎる倫理観や正義感、癇癪は過度激動とも捉えられると解り、少し息子の見方が変わったように思います。

    それまでは何となくルーチンを崩さない事が大切だと思っていましたが、実はすごく好奇心があって、新しい事やイベントをすごく楽しみにしているのかも?と思うようになりました。
    楽しみ過ぎて大暴れしたり、ふと浮かぶ不安で頭がいっぱいになって癇癪を起こしたりするんですけどね…、最終的には良い経験になった、またやりたいね!っていう事が多い事に気づきました。
    あの頃は大変だったけど、就学前に検査して貰って良かったと思ってます!

  • 息子は病院で検査をしてASDの診断がされています。
    その姉が出来なかったことが重なり泣きながら下校して来たことがあり、児相で検査してもらいました。

    結果、息子の凸凹より差が大きく36。
    処理速度のみ凹でした。
    昔からマイペースだとは思っていたが・・・
    と納得しました。

    言語は項目差が激しい為、参考値と言われました。
    ↑別の息子のことで相談してる心理士さんから、最初の項目が極端に低いことから、初めての事に不安が強いことがわかると言われました。(実際、かなりの心配性)

    心理士さんからの解説で板書が苦手と伝えられ、実際に学校で間に合っていません。
    娘は自ら担任に自分は書くのが苦手と伝え、友達に書けたかった部分を見せて貰ったり、多く書けなかった時は先生に写メ撮って貰い後日記入することも。

    自分の得意なこと、苦手なことを理解したことにより、それを伝えフォローすることに繋がっているので、価値ある検査だったと思います。

    今のところ受診予定はないので、発達障害になるのか、ADHDに該当するのか分かりません。

    ですが検査により自分を理解する事が出来、
    学校生活でプラスとなりました。

    検査結果より、検査中の様子が参考になる部分多いようです。
    娘は検査中にも苦手な部分をフォローしながら解いていたそうです。
    (計算を指で書いて視覚的に記憶)

    息子は計算中に拘りを所々見せたようです。

  • ASD中1息子、4歳のときにWPPSIを、就学前にWISKを受けました。
    息子は3歳児検診で保健師さんに相談するも、全く問題視されずスルーされてしまったので、息子の感覚過敏が気になった私が直接療育先に連絡し、半年程の待機の末、療育にこぎつけました。
    そこで、OTとSTの先生に見てもらい半年経った頃、検査できそうなのでみてみましょうか?と医師に勧められ検査を受けました。
    言語性113、動作性141、全IQ132という結果でした。
    非言語的な力が強すぎて「言いたいことが伝わらないもどかしさ」「分かってもらえないもどかしさ」が、しっかり検査結果に表れていると思いました。この頃の息子は実生活で、言いたいことが伝わらないと「もういい…」と諦めていましたので。
    この検査結果を見て、もっと大人が息子の伝えたいことをゆっくり聞いて、時にはお友達に噛み砕いて息子の気持ちを代弁してあげたり、サポートが必要だなぁと、大人が理解するのに役立ちました。
    P先生のおっしゃる、パフォーマンス、わかります!
    息子は1時間20分、飽きた様子も見せず楽しんで取り組んでいたようです。初対面の検査者に対して楽しそうにお話をしていたようなので、ひとまず学校生活で机に向かうことは大丈夫かな、と思った記憶があります。

    就学前のWISKは、私から医師にお願いをしました。入学前に小学校に息子の何かしらの情報を伝えておきたかったからです。
    知覚推理132、言語理解131、ワーキングメモリー120、処理速度96、全IQ129でした。
    発達性協調性運動障害と言われていた息子、やはり不器用な面が処理速度に表れていました。
    WPPSIの結果と同じく、やはり息子は頭で考える事は得意だけれども、体を思った通りに動かすのは苦手なんだな、と分かりました。
    このときの検査は2時間、やはり集中して楽しんでいたようで、パフォーマンスとしてはしっかり自分の力を出せたんじゃないかと思ってます。
    この結果を受けて、入学して板書は大丈夫かな?と担任の先生にも確認しましたが全く問題なく、なんだかんだと体育の授業も、鉄棒や跳び箱もできる方だったし、縄跳びに関しては、1学年200人弱の学校だったのですが数名しかできないような技ができたりして、周りから見れば運動神経も良いと思われていたようです。
    で、検査を受けた結果としては、改めて周りの大人が息子に対して注視すべき点がハッキリしたし、どんなことが想定されるか分かったのが良かったです。
    ただ、P先生のおっしゃるように、検査で全ての能力がはかれる訳でも無いと、息子の学校生活を見て実感しています。今のところ、幼稚園も小学校も中学校も何の問題もなく本人が楽しんで通っているからです。
    検査結果は参考程度に留めて、やはり目の前にいる本人をよく見ることが大切なんじゃないかなぁと思ってます。

  • ADHD不注意型疑いや不安症、板書困難の困り感があり、学校から指摘を受けて、小二の時に発達検査を受けました。
    WISCは上下差が8で大きな凸凹は無しでしたが、WISCと一緒に受けた他の検査の結果を組み合わせることで、色々な問題点が分かって、今はその検査結果をもとに、学校とも連携しながら、療育やカウンセリングを受けています。
    海外なので日本と違うものもあるかもしれませんが、発達検査で受けたのは、WISC5、Tea-ch(The Test of Everyday Attention for Children)、NEPSY II、Rey Figure、Conners質問リスト(親と学校宛)です。
    うちの場合、勉強はついていけるものの、ADHDの不注意と不安症による緘黙症状があり、授業中に固まったり白昼夢状態になってしまうことが多くて、学校からは、できるのにやらないということは、本人のやる気のなさ、精神的幼さによる問題とみなされ、私たち親も先生から子供を甘やかすなとキツく言われることが多かったので、ある意味助けを求めるような気持ちで検査を受けました。
    検査結果から、IQは高めながらも、ADHDと書字困難、繊細で不安を感じやすいという、特性や性格が明らかになって、なぜ授業中に固まったりボーッとしたり板書に何時間もかかっていたかが分かり、学校からの理解も得られやすくなったので、検査を受けて本当に良かったです。

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