発達相談に行ったり、ブログやネットで情報収集するとよく目にする「お子さんに寄り添ってあげてください」。
よくあるアドバイスなんだけど、いつも思うんだ。
なにこのフワッとした助言。
それって具体的にどーせーっちゅーんじゃ。
このブログを読んでいる方は、お子さんに「困った何か」を抱えている親御さんが大半だろう。
不登校だったり発達障害だったり思春期だったりODだったりIBSだったりラジバンダリ……。
で、親である自分はどう考えどう行動したらいいか、藁にもすがる思いで情報収集や相談をされているものと予想する。
親はどうしたらいいか。
僕は基本的に、親御さんの思うようにやってみるのがいいと思っている。
「我が子のために、こうするのがいいと思う!」
それな。
それが最も正解に近い。
僕なんて見ず知らずのオッサンより、お子さんを想う親御さんの考えの方がよっぽど当たっている。
で。
その時に、お子さん本人の希望や意見は無視できないだろう。
子供の意見を無視し、
「あたしゃこの子に忍耐力をつけるべきと思うから不登校なんて絶対に許さないよ」
という方は、今これを読んではいないだろう。
子供の意見を無視する配偶者や外野に困っているという話は聞く。
でも相談者さんがそのような考えってことは、まずないだろう。
お子さんの意見を加味し、世間の仕組みと照らし合わせて、じゃあどうしてやるのがいいか頭を悩ませているだずだ。
至極マトモな悩みだ。
ここまでが前提。
じゃあ、本人はどう考えてる?
これがキーになると思うのだ。
なぜ不登校なのか、なにが辛いのか、この先どうしたいのか、今どんなことに困っているのか。
本人に確認した上で、「それじゃあこうしてみるのはどうだろう」という提案を親御さんがするのがよさそうだ。
これに異論はないですよね?
これこれ。
これが、僕の思う『寄り添う』ってこと。
そんなの当たり前じゃん。
ナニ言ってんのコイツ何県人なの?(本籍東京です)
そうなんだけど、ここがブレることがあるようだ。
「○○って言われて不安でしたが、相談して安心しました」
「自分の育て方のせいでこうなったんじゃとモヤモヤしていました」
みたいなコメントをいただくことがある。
ブレてないかい? と思うのだ。
「子どものことを考えると、プランAでいってみるのがいいと思う!」
そう考えたとする。
よしやってみよう!
やってみる。
すると、外野からいちゃもんが入る。
素直なお母さんはうろたえる。
あぁそうかもしれない。
自分の責任でこの子の将来を潰しちゃいけない。
やっぱりみんなの言うように、普通の道を歩ませるべきだ!
そうでしょ! 今でしょ!
そう思って子供を叱咤激励する。
「頑張れ」「みんなやってるんだから」「このままじゃロクな大人にならない」
これですよ、ブレてると思うところ。
これ、お母さんが本当にやりたかった教育方針?
違うでしょ。
外野に踊らされているでしょう。
そして気づきました?
この状態、お子さん本人の意見が一ミリも入っていないのだ。
みんなこう、普通こう、先生がこう言った、ママ友はこうだって、本にこう書いてあった……
あれ、本人の意見はどこ行きました?
子供のためにどうすればいいか気を揉んでいらっしゃる、至極マトモな親御さんだ。
どうするのが正解か。
その答え、どこにあります?
もうお分かりですよね。
答えは子供の中にしかない。
それ以外、あり得ないのだ。
だから子供の話を『聞いて』欲しい。
「普通こうでしょ」「でもこうでしょ」「そうは言ってもこうでしょ」「今でしょ」
正論は一旦脇に置いて、子供本人がどう考えているか、聞いてほしい。
正論の中に答えはない。
もちろん、ママ友の中にあるわけがない。
人とはちょっと違ったお子さんだ。
ちょっと違った親になる覚悟を持つ必要がある。
ぐちゃぐちゃに混乱しているお子さんのとりとめもない話から、本音を引っ張り出してほしい。
「クラスメートの目が怖いのね。じゃあ保健室登校から始めてみよっか」
「先生と話してどう感じた? 嫌だった内容は、ちゃんと嫌だったって伝えていいと思うよ」
大人の知恵で(年の功ですヨ)、気持ちを整理し対処法を一緒に考えてあげてほしい。
「それならお母さんはプランBがいいと思うんだけど、あなたはどう思う?」
気持ちを整理する機会を与えてあげてほしい。
ヒントはお子さんにある。
答えもお子さんにある。
それを観察する探偵のような役割を、親御さんに担ってほしいのだ。
この子はこういう特徴があるな。
じゃあプランBを実行したら、こんな結果になると予想される。
観察して仮説を立て、実行してほしい。
ここを省略すると、
「あー、こんな問題が起きたから、じゃあこうしよう」
「あれま、そしたらこうなった。じゃあこっちにしてみよう」
「振り回されるばっかりで全然うまくいかない!」
と、行き当たりばったりの状態になる。
モヤモヤするなら、そこが手掛かりだ。
モヤモヤを整理し、観察し、仮説を立てる。
実行したら結果を確認、仮説が合っていたかの答え合わせを行う。
繰り返すことで、その子の『正解』に近づいていく。
これが子育ての試行錯誤。
寄り添うってことだ。
モヤモヤしたまま対応すると、その対応が正解だったかどうかすら確かめようがない。
全部、お子さんが中心だ。
外野の意見とか関係ないんだ。
お子さんを見て、親御さんがどう働きかけるか。
理論武装として情報を集めるのはいいが、取捨選択して実行するのは、お子さんと親御さんだ。
主演・お子さん、共演・親御さん、監督・親御さん、脚本・お子さんと親御さんと林先生(え、林先生出るの?)
お子さんに『寄り添って』あげてほしい。
そこからしか始まらないし、ゴールもそこしかあり得ない。
目の前に困っているお子さんがいるんですよね?
いつやるか? 今でしょ!
View Comments
皆さんもコメントが良くて!周囲に振り回されっぱなしでした。。
先生。わかってくれてありがとう。
先生、、大好き💕
子供目線で大好き💕
子供の心、少年の心を持った大人になってくれて、情報発信してくれて大好き💕
健康に気を付けて、世間に物申し続けて欲しい
草葉の陰から応援しています📣
もう一度言う。
大好きだ❣️
先生‼️
最高です‼️
胸にストンと入りました。