「学校がお葬式みたいだった!」
分散登校が始まってしばらく経つが、いかがお過ごしだろうか。
上記は、3月まで不登校だった子の言葉。
新年度の感想を聞いたらこう答えた。
僕の外来には不登校や五月雨登校の子がたくさんいる。
この子はいじめから不登校になったんだけど、中学進学を機に心機一転頑張ろうと準備してきた。
遅れた勉強を取り戻したり、朝起きられるよう生活リズムを整えたり。
ドキをムネムネさせた、ピカピカの中学一年生!
それが。
「 お葬式みたいだった!」
これだ。
お葬式?
どゆこと?
聞くと、
ポク、ポク、ポク、チーン
お葬式だわ。
私語なしってヤバくない?
教室に子供が複数人いて、誰も何も喋らないってこと?
想像するだに異様なんですけど。
みんな黙って授業を受けて、無言でモソモソのパンを食べて、終わったら黙って帰るんですって。
うーん。
仕方ないにせよ、これ、しんどそうだ。
不登校の子って人目を過剰に気にする。
不登校じゃなくても、僕の外来には周囲を気にしすぎる子が多い。
その子たちが私語できないってヤバい。
黙って様子を伺って空気を読んで、ってヤバい。
語彙がなくてヤバいしか言ってないんだけど、ヤバくない?
ヤバいがゲシュタルト崩壊してきた。
ヤバいよヤバいよー(出川)
仲良しの友達と喋っているときが、唯一のリラックスタイムなのに。
みんなで黙っていたら、友達なんてできるわけない。
人目に敏感な子は、その異様な空気にさらされるだけでぐったり疲れてしまうと思うんだけど。
僕は、進学やクラス替えがあった子には、必ずこう言う。
「まず友達を作ってください」
勉強はあとからどうとでもなる。
体調も、慣れてきたら楽になるはずだ。
部活? そんなんあとから考えて、中途入部だ。
優先すべきは友達作り。
1人でいい。
気負わず喋れる友達を作ってほしい。
そしたら学校が楽になるし、楽しくなるはずだと僕は思っている。
でも、お葬式じゃあ仕方ない。
まったくコロナめ……。
唯一の救いはスタートがゆっくりだったこと。
4月に自宅でのオンライン授業から開始して、今分散登校、ゆくゆくは通常授業に戻ると。
朝ゆっくりだし、体力的な負荷は少ない。
冒頭の子も、気負わず中学生活をスタートできたと言っていた。
「緊張してたのに拍子抜け」
そう笑った笑顔がまぶしい。
子供の適応力はヤバい。
ヤバいよヤバいよー(出川)
そろそろ通常授業に戻る頃でしょうか。
早く気が合いそうな子を見つけ、ロックオンしてほしい。
モソモソのパンも、友達と食べるときっと美味しいよ。ヤバいよ。
がんばれ、子供たち。