今悩んでいる人へ。
「子供が発達障害」
「子供が不登校」
「感情的に怒鳴ってしまい、後から自己嫌悪」
内容はなんでもいいのだが。
「定型発達児だったらどんなによかったか」
「普通に登校してくれるだけでいいのに」
「もっとちゃんとしたお母さんだったら、この子は幸せだったのかな・・・」
『たら』『れば』がたくさん湧いて出てくると思う。
「でも、みんなにいい所があるから」
「誰でも何かしらの問題を抱えてるんだから」
「この子はあなたを選んで生まれてきた」
「神様は乗り越えられる試練しか与えない」
そんな言葉で納得できますか?
僕だったら納得できない。
ふざけんなそんな綺麗事!
アンタにはわかんねーんだよ黙っとけ!
あーあー、「持ってる」人は違いますねーさすがですねー。
自分に与えられたものが、人より明らかに劣ってることってある。
すごく重要なものが、どんなに足掻いても絶対手に入らないこと。
それがないとスタートラインにすら立てないのに。
そんな風に思いませんか?
僕は思った。
そして腐った。
僕自身は、ひどい虐待家庭で育った。
身体的・精神的虐待と、ネグレクト。
気分で殴る父親と、無関心な母親。
家は地獄、誰も助けてくれない。
自分は世界にひとりぼっち、誰にも必要とされていないと思わざるを得なかった。
小学生の頃はアザだらけ。
顔に青タンを作り、お岩さんのようだった。
今だったらさすがに先生が通告するだろうってレベル。
でも当時は「階段で転びました」で通った。
思春期になり、自分の親が他の家とは違うとひしひし感じるようになった。
友達はどうやら親から大切にされているらしい。
殴られることもない。
必要な学用品を買ってもらえず、担任からこっそり予備の教材を貰うのは僕だけ。
僕はクズだのゴミだの言われて育ったのに、友達は「あんたのことを生んで本当によかった」とか言われるらしい。
……何コレ?
人はみんな平等じゃなかったの?
理不尽な現実が受け入れられなかった。
『親』という人生の基本となるカードを、僕は持っていない。
それがないと人生が始められないのに。
みんなと同じに、ちゃんとカードを揃えてスタートしたい!
周りを見回すと、みんな当たり前に持ってる『親カード』。
自分もどうにかゲットしようと、何度も大爆発した。
でも全然ダメで、そのうちわざと悪いことをした。
何も話さない。
わざと悪い成績を取る。
外で問題を起こす。(警察のお世話になりました)
自分を削ることで、親を振り向かせようとした。
お察しの通り、ダメだった。
何をしても親は僕に興味を示さない。
腐るしかなかった。
お恥ずかしながら、僕はそんな過去を持つ。
そもそも、人はみんな平等なの?
大人になって確信を深めた。
人は生まれながらに不平等。
大事にされる命と、そうでない命とがある。
NICUで働いてそう実感した。
そして「持ってる」人と「持ってない」人がいるのも確かだ。
発達障害があれば生きづらいのは間違いない。
身体的な病気がある人も、そりゃ大変に決まってる。
みんな平等?
そんなわけあるか!
そう思っている。
だから。
だからね。
だから、不平等な前提で、自分を見つめ直すしかないと思った。
僕は『親カード』を持ってなかった。
あるのが当然じゃなくて、僕には「なかった」んだ。
そこからスタートするしかない。
あなたのお子さんは『定型発達』のカードを持っていなかったかもしれない。
『経済力』『環境』『学歴』『IQ』『ルックス』『才能』『配偶者』『生まれた時代』・・・
どのカードは持っていて、どれは持っていない?
悔しいことに、全部持っている人もいる。
ほぼ全滅の人もいる。
仕方ない。
それが配られたカードだった。
ないものを嘆いても意味がない。
持っているカードでどう勝負するか、考えるしかないんだ。
配られたカードで勝負するっきゃないのさ
これは僕が好きな言葉。
スヌーピーの名言。
「持ってる」人は人生イージーモードだと思う。
成功する可能性も高いだろう。
でも、「持ってない」人でもカードの使い方次第でどうにかなることは多いと思う。
逆に「持ってる」だけで戦略を練らなければ、大暴落することだってあるだろう。
カードは不公平だ。
でも、カードを配られただけだ。
まだゲームの途中。
神様には、カードを配ることしかできない。
配られたカードをどう使うかは、自分次第だ。
人生のコントロールは自分にしかできない。
神様なんてクソくらえだ。
今悩んでいる人。
僕と同じで「持ってない」人。
足りないカードをどうするか、別の何かで埋めるのか使わないで勝負するのか。
世界は広い。
作戦は無限大だ。
そう自分に言い聞かせながら、他の誰かの勇気になれると嬉しいと、ちょっとだけ思う。
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この投稿、すごく好きです。何度も読んでしまいます。
これ、何度読んでも勇気づけられる!
ありがとうございます。