爪である。
爪を、噛むのである。
気づくと噛んでいる。
いつだってボロボロ。
常にオートで深爪状態だ。
最後に爪切り使ったの、いつだっけ?
「爪を噛む。」
なんかカッケーな。
響きが。
文学作品みたいで。
「船を編む」的な。
「爪と罰」。
「路傍の爪」。
「我が暮らし楽にならざりぢっと爪を噛む」。
ありそうな気がしてきた。
「老人と爪」(普通w)
「吾輩の爪である」(普通www)
「齧るべきか切るべきか、それが問題だ」(いや、切ってw)
「バイト・マイ・ネイル」(スタンド・バイ・ミーw)
「君の爪を食べたい」(自分のにしてwww)
「ハリーポッターと齧りかけの爪」(小物感w)
「ツメーキッターと賢者の石」(小物感wwwww)
だめだ。
エンドレスでふざけられる。
閑話休題。
とりあえず、「爪を噛む」という行為も字面も、なんとなーく憂いを帯びて見える。気がする。
なんか意味深げ。
漫画やドラマで、神経質なキャラが爪を噛むシーンを見る。
そして大抵、死亡フラグときたもんだ。
そういうヤツ、大抵ロクなことにならない。
どうしたらいいでしょう。
相談を受ける。
これには僕は、こう答える。
どんな時に噛みますか?
暇なときですか?
それとも、イライラしたとき?
僕の経験では、大抵コッチだ。
暇な時。
手持ち無沙汰なとき。
ぼーっとしているときに、よく噛んでいる。
テレビや動画を見つつ。
病院の待ち合いで。
興味のない授業をぼんやり聞きながら。
ちょっとした隙間時間に、気づくと噛んでいる。
ふと見ると噛んでいます。
これ、多分問題ない。
そして、経験では大抵コッチ。
これは、自分で自分に刺激を与えていると考える。
刺激が足りないのだ。
子どもは、特にADHDタイプの子は、刺激を欲する。
外部からの刺激が足りないと、自分で刺激を作り出す。
子どもって、電車で脚をブラブラする。
じっと座っていられない。
そういう生き物だ。
授業中も、椅子をガタガタしたり、消しゴムに穴をあけたり。
外では用もなく走り回るし、ちょっとした段差は必ず登る。
ただ歩くんじゃなくて、「白線の上」とか「石を蹴りながら」とか、自分で制限をつける。
いつだって鼻をほじる、チンチンをいじる。
そうやって、刺激を増やしているのだ。
大人だってそうでしょ?
貧乏ゆすりしたり、手元のおしぼりをいじったり。
ペン回しやボールペンカチカチ。
無意識に髪をいじったりとかさー。
あなたも、何かしらのクセがあるでしょ?
今の時代だと、電車ではみんなスマホを覗き込んでいるものだし。
その方が落ち着くでしょ?
刺激が足りないって、ツラいでしょ?
「なにもしない」って、考えてみると、非常にツラい。
普段意識しないけど、ヒトは「なんか」してたい生き物だ。
だから、刺激が足りないと「なんか」し出す。
そうやってバランスをとる。
そうです。
暇な時、手持ち無沙汰なときの爪噛みは、この一種です。
だから、別によい。
人に迷惑かけるもんでもないし、噛みすぎて感染を起こさなければ、別にほっといていいです。
経験上コッチは少ないんだけど。
心がネガティブな方向に大きく動いたときに、爪を噛む。
ストレスで噛む。
「自傷」と呼ばれるヤツだ。
なにも刺激がないときには、特に噛まない。
かんしゃくを起こした時、イライラしたとき、ひどく落ち込んだ時、いっぱいいっぱいな時。
そんな時に、爪を噛む。
コナンくんの、殺される前の人の爪噛みはコッチだ。
ストレスで、爪を噛む。
それなら、環境を調整してあげてほしい。
ストレス源から遠ざけてほしい。
でも子どもの場合、「持続したストレス暴露で長期的に爪を噛む」といった症状は少なくてですね。
やっぱかんしゃくとかパニックで、ワッとやるよね。
明らかに「自傷」するので、親御さんもすぐに止める。
だから「そういえば……」的な相談には上がりにくい。
「爪を噛む」。
そこはかとなく文学的な、叙情的な、そして闇がありそうな行為だ。
親御さんはビビる。
実際、爪はボロボロだ。
大丈夫?
多分、大丈夫なヤツです。
アリテイに言うと、
暇だから
です。
「暇だから噛んでいる」。
それ以上でも以下でもない。
自分で自分に刺激を与えているだけ。
そうやって、自分のバランスを取る。
気になるなら、別の刺激への代替を提案する。
スクイーズ?
プッシュポップ?
そういうのとか。
学校なら、椅子の工夫も良いかもしれない。
そうやって、別の刺激に代替する。
刺激をなくすんじゃない。
代替するのね。
いくら言っても効果は薄そうだ。
刺激、足りないんだから。
安定しないんだから。
それより、身体に害のない別の刺激に代替するのがよさそうだ。
爪を噛むのは、どんな時ですか?
手持ち無沙汰なとき?
じゃあオッケーです。
感染や出血がなければ、大目に見てやってください。
なに?
いつだって深爪?
『深爪』。
↑コレも小説や映画なんかにありそうな、憂いを帯びた単語だな。
「爪の形」(聲の形)
「フカヅメンバー・ミー」(リメンバー・ミー)
「深爪物語」(B級感w)
「深爪の子」(ウチの子w)
「深爪ぼろぼろ」(切りすぎたwww)
「深爪ニモマケズ」(負けるな!)
ダメだ。
すぐふざけたくなってしまう。
View Comments
私も爪噛みしてました。
父がやってて、兄がやってて、私がやってる。
遺伝かなとw
大人になってからは、人前ではやらなくなり、
油断したらやってるときがあります。
今は、爪がちょっとでも伸びると触りごごちが気に障り、常に爪切りを携帯して、運転中でも、信号待ちの時に切っています。
爪って暇つぶしにさわっちゃうんですよね。
私、40代ですがストレスが増えると爪噛みする癖ががやめられませんでした。
子供も真似するようになって、一念発起してやめました!
大人の女性なら、シールでつけられる付け爪があるのでおすすめです。
治りました!
自分のためじゃないと痛み(快感)
途中で送ってしまいました、、!
自分のためじゃないと痛み(快感)が得られないので、噛まなくなります。
おすすめです
うちのADHD小6息子も噛みます。
学校では噛んでいないようですが、家でソファーに座ってテレビ見ながら足も噛んでます(笑)
学校で一番背が高いのでどうしたら背が伸びるか友達に聞かれるみたいですが「爪、食べると伸びるよー」と答えるみたいですが、誰もチャレンジしていないようです(笑)
はじめまして
最後のへんに出てくる 机の脚につける青いゴムはどのような商品名ですか。
教えてください。
P先生、面白すぎます!
「爪と罰」とか「君の爪を食べたい」とか。
エッ?先生、今、待合室めっちゃ混んでますよ?患者さん、めっちゃ待たせてますよ。
それなのに、こんなに面白いこと考えていたんですか?
なーんて、もしも、私が先生の傍にいる外来ナースだったらと妄想してみました!
先生のブログを読んでいると、息子たちが不登校でも、夫がワンマンでも、自分がADHDでも何でもいいじゃないかって思えるようになるんです。
エッ?このタイミングで笑かすの?っていう先生の余裕みたいなものを感じるからですかね。
先生、今回のブログ、本当に面白かった!
爪った!(ツボった!)
爆笑!
我が家の中2は未だに手の爪が相当な深爪です。
暇なときというよりは、ちょっと緊張したときに噛んでそう。な気がします。
爪噛むなって言ってもやめられるわけもなく10年以上たってしまいました。。。
言ってもムダですね。。。
ツメカミーというなかれ
私自身が小5まで爪噛み女子でした。親には「こっちを嚙みなさい」とかまぼこ板を渡されたりしましたが、全然別物なんです。今思えば爪を噛むことで充足感や満足感が得られていたんですね。解説していただき当時の気持ちにとてもしっくりきました。小学生不登校息子も、爪噛み遺伝子を受け継いだのか立派な爪噛みボーイです。
ちなみに私自身はある日突然指を口に入れるのをやめました。「世間的には小5で爪を食べてるのはヤバい奴らしい」と気づいたからです。いつか息子も恥ずかしさからやめる日が来るんだろうなと思っています。
ああ面白い!私もふざけた遊びに加わりたい。「深爪草の花が咲いたらさあ行こうラスカル♪」P先生には到底かなわないな(笑)
夫は40代後半まで爪噛んでました・・・
無意識だったらしいです。その年齢になってようやく恥ずかしいと思ったらしく今人並みに爪切り使ってます。
でも鼻をこする癖はまだあります。リラックスしているときによくやってるように思います。
小5の次男の爪を最後に切ってあげたのはいつの頃だったかな。常にオートで深爪です(笑) しかし家で爪を噛む姿はほとんど見ません。よっぽど授業がつまらなくて、刺激を求めているでしょうね。いつもP先生にはめんどくさがりの完璧主義の長男の事を聞いてもらっていましたが、実は次男にはLDがあり、検査過程での観察する中でADHD傾向が高いとの結果もいただきました。足の爪もいつも深爪状態。どうやってるのかわかりませんが、正直もう噛む爪もないので『君の爪を食べたい』と言わないか心配です(笑) 息子二人ともゲームが大好き。これも間違いなく刺激を求めての事なんだろうなと、諦めております。
うちの不登校中2も、爪切りで切ったのは多分2歳くらいまで。噛むのではなく、めくり取っていました。足も。いつからか、爪めくりを見なくなりましたが、爪切りを使ってい様子もなく。硬くなった爪をどうやって処理しているのか、謎です。