患児が成長した。
この春から進学した。
社会性皆無だった子が。
一応学校へ行き、一応友達も出来、なんか部活まで始めちゃったんだって。
この仕事をやっていて嬉しい瞬間が、子どもの成長を感じたときだ。
ASDの子。
コミュニケーションが下手だし、そもそもあまり外に興味がない。
一人で好きな絵を描いていられればハッピー。
どうやって社会復帰するのか、果たしてそんな日が来るのか、親御さんと僕とで気を揉んでいたのだけど。
この春、進学した。
不本意ながら、渋々の進学だが、まぁしゃーない。
でも、とりあえず学校に行ってるって。
そしたら、なんか、友達ができたって。
そしたら、なんか、居場所ができて。
髪とか染めちゃって、お化粧なんかしちゃってさー。
気づくと、アレ、馴染んでる?
不平不満ばっかりだった、この子がさ。
行く意味あるんですか?
みんな子どもっぽいし、うるさいし。
口を開けば文句ばかりだったこの子が。
まぁ楽しいです。
2学期も頑張ります。
おぉう。
成長だ。
成長を感じる。
この子の社会復帰の原動力は、きっと周囲の声掛けではない。
そんなの、ちっぽけな効果しかない。
メインは本人の成長だ。
成長し、社会性が育ったのだ。
子どもは成長する。
子どもの素晴らしいところだ。
完璧主義のあの子、少しずつグレーの許容ができるようになっている。
やんちゃなあの子、ちょっとだけブレーキが効くように。
ODのあの子、しんどいけど、それでも遅刻せずに登校してるらしい。
摂食障害のあの子、それなりに食べてるってよ。
成長だ!
成長した!
レベルアップだ。
テレレレッテッテッテーン。
子どもは成長する。
僕らの心配なんか飛び越えて、大きく成長する瞬間がある。
自分で突破口を見つけ、動き始める。
キラキラと、その子らしい輝きを見せる。
僕も一緒に、非常に嬉しい。
子どもって、いいなと思う。
子どもに関わる仕事を選んでよかったと思う瞬間。
僕は小児科医だ。
成長する子どもたちの姿を間近に見て、思わされる。
僕は成長しているのだろうか。
子どもたちのように、日々、年々、成長しているだろうか。
一応、新しいことにアンテナを立てているつもり。
新しい知識を得ているつもり。
多様な意見を聞くよう心がけている。
つもりでいる。
でも、ホントに成長しているだろうか。
凝り固まって、老いるばかりではないだろうか。
前頭葉は、30歳頃に完成するらしい。
じゃあ、30歳を越えた大人は、成長しないのか。
衰えるだけか。
ドラクエで、レベルが頭打ちになった。
どうやらこれ以上は上がらないらしい。
この先、上限は開放されるのか。
僕のレベルは上がっているのか。
主観では年々生きやすくなっていると感じるが、周囲の人はどう思っているのだろう。
独りよがりで、成長どころか後退していないか。
めんどくせーオッサンに、周りが合わせてくれているだけかもしれない。
時が経てば、環境が変わる。
立場も、求められる能力も変わる。
これはレベルアップか。
それともレベルダウンなのか。
子どもは成長する。
大人も成長すると、信じたい。
レベルアップのファンファーレは、いくつになっても聞けると信じたい。
大人になるとわからなくなる。
自分の変化は、成長か、後退か。
むしろ変わらない方がいいのか。
変わらないって、現状維持か、それとも後退か。
コロコロコミックって、知ってます?
そう、あの分厚いマンガ本。
あれは、「うんこ・ちんちん原理主義」だという。
ナニソレお下品っ。
小学校4〜6年生の男子は、マンガに「うんこ」や「ちんちん」が登場するとものすごく喜ぶ。
コロコロはターゲットを絞り、あえて「うんこ」と「ちんちん」を続けることで、その世代にドンピシャの面白さを提供し続けている。らしい。
子どもが育って卒業しても(大抵ジャンプに行く)、新入生に「うんこ」と「ちんちん」を浴びせ続ける。
どんどん卒業させて、どんどん入学させる。
そうやって読者を循環させ、数を保っているんだって。
同じものを、新しい人に浴びせ続ける。
これは後退か?
むしろ前衛的で、成長なのか?
「おかあさんといっしょ」、知ってますか?
そう、あの長寿番組。
僕大好きなんだけど。
あれは、『大いなるマンネリ』らしい。
ずっと変わらない。
でも、マンネリを続けるためには、刷新しないといけない時がある。
新しいお兄さんお姉さんも、人形劇も、僕はとっても好き。
そして、マンネリだからこその価値がある。
東日本大震災後、いち早く通常放送を再開したのがあの番組だ。
マンネリだからこそ、不安定な世の中に早く通常を取り戻したかったという制作側の熱意だそうだ。
そこに痺れる憧れるゥ。
みなさんご存知、ドラえもん。
長く続く秘訣は、時代に合わせて作風やキャラクターを変えることだって。
ドラえもんは、しっかり者の設定から、のび太と一緒にドタバタするキャラに変わった。
変えないサザエさんと、視聴者層に差ができている。らしい。
何が正解かはわからない。
わからないけど、僕は変わっていきたいと思う。
風の向くまま気の向くまま、流されていきたい。
子どもたちの成長を見て、オジサンも変わりたいと思わされた。
いつまでもうんことかちんちんとか言ってちゃダメだ!
……いや、それは多分まだまだ言うけど。
でも子どもたちは、目の前のこの子は、近いうちに「うんこ」と「ちんちん」に反応しなくなるのだ。
子どもはどんどん育っていく。
僕は、いつまでもここにいていいのだろうか。
それで子どものそばに居続けられるのか。
変わっていきたいと思う。
ずっとここにいるために。
子ども達のそばにいるために。
時代に合わせ、気分に流され、変わっていきたいと思った。
子どもたちをお手本にして。
レベルアップに向けて、経験値を稼ぎ続けよう。
これまでの自分にこだわる必要はない。
作戦なんて、どんどん変えていいんだし。
手札は、臨機応変に切るためにあるのだ。
目の前をよく見て、柔軟に、変化しつづけたい。
僕自身の人生を、まだまだ謳歌できる気がした。
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間違えて送信してしまいました^^;
しかも先ほどのコメント
近所の人に、と書いと思ったのですが
近所のひどいので、、と間違えていました(_ _)
そしてなぜか続きを書いたコメントが消えてしまいました(^^)
続きです。
先月、息子が9月からデイサービスに行こうかな
と言い始めました。
個別で時間も短いし
ここなら行けそうだし
ちょっと行ってみたいなと思ったようでした。
2年半ずっとこういう場所には行こうともしなかったのでビックリでした。
まだこのデイサービスが合うかわからないですが
失敗してもその経験は宝物なので
たくさんのことを経験してほしいな、
と思っています。
子どもの成長を見れるって
とても嬉しいことですね。
私は大人も成長できると思っています!
生きている間はずっと成長できると思っています!
私は先生のブログに出会って
たくさんの事を教えてもらいました。
いろんな気付きがありました。
そこから自分も変わりました。
子どもと向き合って
子ども達が不登校でも
楽しい生活が送れるようになりました。
そして私自身も自分のやりたい事を見つけました。
しんどい事もたくさんあるけど
世の中は優しくて温かかったです。
何を伝えたいのかわからなくなりましたが(^^)
いつもありがとうございます☆
いつも先生のブログを楽しみにしています!
我が子は上の息子が小学6年生で不登校2年半
下の娘が小学4年生で不登校1年半になりました。
少しずつ上の子が外に関心を持ち始めています。
息子はASDとADHDの不注意、書字が苦手という特性があります。
ASDなので人や外にあまり関心がなく
お家生活がとても幸せそうに見えました。
ASDだから外へ繋がるように
少しずつ押した方がいいのかな、、
等色々と考えました。
でも今までの不登校生活をみてみると
この子の成長はとてもゆっくりだと思いました。
ゆっくりだけど、確実に成長しています。
快適なお家生活の中で
自分から話かけてくる事が多くなったり、
自分の意見を言えるようになったり、
散歩中に近所のひどいのでに挨拶できるようになったり、とゆっくり成長しています。
そんな姿を見ていると
みんなとルートが違っても
ゆっくりペースでも大丈夫なんだと
思うようになりました。
でもおやは
なんだか、読んでいて涙が出ました…