一度出された診断が、のちに変わることってあるのだろうか。
いや実際結構あるんだけど、これってどゆこと?
誤診?
一般の人にとって、発達障害の診断はとても大きな意味を持つだろう。
それは理解できる。
その上で。
診断、結構変わるヨ。
ごめんち⭐︎
これは持論なのだが。
ASDは4歳頃までよくわからない。
ADHDは入学までよくわからない。
診断と年齢って、関係あるように思うんです。
年齢によって、目立つ・目立たないがあるように思うんです。
※かなりはっきり特徴がある人はこの限りではない。
ASDはですね。
その中核となる症状が、コミュニケーション面だと思うのだが。
4歳頃までは、正直よくわかんねーです。
一般に、社会性がぐぐっと育つのは、年中さん・年長さん(4〜5歳児)のように思う。
一般論ね。
年少さんって、一般的に社会性があまり育っていない時期だ。
早熟で、3歳頃にすでに求められることが理解できている子もいるが。
マイペースで、課題とか友達とかルールとか、
なにソレおいしいの?
という子が平均だろう。
実際、友達とのトラブルも多い時期。
物を取ったとか取られたとか、急にぶったとかぶたれたとか。
「友達には全く興味がなく、基本自分の世界です」という子もまだまだ多い時期だ。
この年齢の子が、空気を読まないとか友達と遊べないとかであっても、果たして診断として良いものか、疑問に思う。
実際、年少さんでは集団に加われなくても、年齢が上がると集団行動が可能になるケースは多い。
でも、年中と年長はやっていました。
非常によく聞く話だ。
3歳頃って、
今はコレが求められているから、
↓
優先してやろう。
が、まだ育っていない時期のように思う。
対人意識、および課題意識が乏しい。
ASD診断は難しかったりする。
なので、僕個人的には4〜5歳以降でASDの診断をつけることが多い。
ADHDについては、入学までよくわからないと思っている。
保育園や幼稚園は、集団行動といってもたかが知れている。
集団行動より自由にのびのびの方針の園ですという話もよく聞く。
ガッツリ「椅子に座って前を向き、先生の指示に従う」という行動が求められるのは、入学以降だ。
だもんでADHDは、入学までよくわからない。
ADHDの特徴である、多動・衝動・不注意。
コレがはっきりしてくるのが、入学以降だと思っている。
多動・衝動については、入学前にも見られるけど。
子どもは基本的に、全員多動で衝動的だからさー。
ちょっと落ち着きがなくてちょっと衝動的な子でも、「気になる子」程度で終わる。
「気になる子」にもあがらないかも。
「元気があってよろしい」で済んじゃうかもしれない。
はっきりと『困る』場面は、入学までそこまで明確に観察ができないのだ。
つまり、
ASDは4歳頃までよくわからない。
ADHDは入学までよくわからない。
のです。
※例外あり。
そして。
実際の患者さんで、純粋にASDのみ、ADHDのみ持っている子って稀で。
多かれ少なかれ、みんな両方の特徴を持ち合わせている。
あ、そうなんですよ。
たいてい合併している。
どっちが目立つかってだけで。
かく言う僕も、ASDの特徴の方が目立つけど、ADHDもちゃんとある。
書類出せない、プランニングできない、不注意多い、整理整頓できない。
一応、自覚を持って気をつけて生きているつもり。
それでもやらかすけど。
(先日の出張で、ホテルを予約して安心し、新幹線を取り忘れていた)(完全にブラックホールに消えてた)(全部鈍行で行くところだった)(いい年して、青春18きっぷの旅みたいになる)(青春でも18でもないオッサンに、青春18きっぷって売ってもらえるの?)
閑話休題。
なので、
幼児期はASDが目立って、
入学後はADHDで困る。
というケースは相当に多いわけです。
コレですね。
診断が変わるケースですね。
申し訳ないんだけど、コロッと変わる。
ずっとASDだって言ってたのに、入学後は手のひらを返すようにADHDに変わり、突如投薬の話が浮上。
なんなの⁉︎
でも、こうなる。
申し訳ないと思うんだけども。
上記のように、入学を境に診断が変わるケースは多いのだけど。
他の状況でも、環境によって診断が変わるケースはままある。
繰り返しになるが、みんなたいていASDもADHDも持っているもんで。
なんなら、かなりの割合でLD的な要素もある。
結局、
なにがどの程度目立つか
なのだ。
どの特徴で困るかで、診断は簡単に左右される。
だもんで、環境が変わると診断が変わる。
年齢によっても変わる。
幼児期にASDと診断された子が、学齢期にADHDに変わり、思春期に再度ASDにということもある。
年齢によって、環境によって、求められる能力が変わるためだ。
今困っている症状
が、診断に直結する。
↑コレね。
星は動くって話。
固定じゃない。
診断は結構変わる。
年齢や環境で困りごとが左右されるため。
誤診じゃないんです。
その時はそれで困ってるってことです。
ベース、みんな色々持っているのだ。
ASDも、ADHDも。
なんならLDも。
さらに言うと、知的障害(知的発達症)だって変わる。
その時のコンディションや課題意識なんかで、IQの数値は結構変わる。
最初の診断は軽度知的障害
↓
3年後にASDに変化
なーんてこともある。
これは当初のIQが低く、数年後に再検したら上がり、かつコミュニケーション困難が目立ってきたというケース。
実際、ある。
診断は、絶対じゃない。
病院に行けば、診断を受ければ、この子の特徴がスッキリハッキリ分かると誤解されがちだけど。
実際こんなもん。
ごめんち⭐︎
そして、今までずっとADHDを隠していてごめんなさい。
ADHDの話題に、僕はASDだから関係ないしーみたいな顔しててごめんなさい。
ADHD、しっかりあります。
よく処方を間違えます。
確認せず処方箋を発行するのです。
ヒルドイド100本とか、とんでもない量を出します。
100gのつもりで。
ホント、困った特性ですわ。
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P先生
おつかれさまです。いつも先生のブログ楽しみにしています!
私は長年、医師である夫への対応に悩んできました。
夫は常にあちこち飛び回り、活動範囲が広すぎて、予定パンパン入れすぎで、それでもなんでも抱え込み、二言目には「俺が何とかする!」
トラブルも物も溜め込んで、部屋は足の踏み場も無い状態、バスタオル100枚、下着も100枚、靴下も100足、非常時のためにと様々な皮膚病に効く軟膏も100本。
シャンプー等は恐らく10年分はあろうかと。
捨て猫までも集めちゃう、もはや心も住まいもカオス状態。
そしてとどめに「学歴こそが物を言う!」を叫び続けていました。
私は夫の不可能な行動、言動に長年グルングルン振り回されました。
でも、息子2人が不登校になって、夫が少し立ち止まるようになったんです。
体を張って夫の暴走を止めてくれた2人の息子たちよ、本当にありがとう。
我が家で一番困り事を抱えているのは夫なのかもしれません。
きっと、多くの医師がなにかしらの困り事を抱えながら生きているんですよね。
先生のブログを読みながら、夫の心の声を聞ける日が来ることを願いたいです。
P先生、いつも更新ありがとうございます!
前回今回と興味深く拝読しました。
複合的で年代によって出方も変わったりするなら、「本人が今何に困っているか」にフォーカスすることが大事なんですね。
専門職が多い職場におりますが、自分含め、大人になると特性は個性と呼ばれるだけだなあとつくづく思います。
得意不得意が偏っていても、不得意部分を仕組みや得意な人への委託でカバーすればなんの問題もなし!自分を肯定できていれば大丈夫。何かあってもごめんち⭐︎←まさに今日やりました
不登校は自己肯定感が下がりまくるので、そこをどうしたものかなーと思います。大丈夫大丈夫、とどーんと構えるしかないのかな〜。
先生、ADHDもあるんだろうと密かに思ってましたよ(ニヤリ)
というか、医者で定型発達の人の方がレアキャラでは、、、と、(同業者の)私は思います。。
セーフティーネットはもちろん張りまくりです。
自分の特性を把握して、やらかさない仕組みを作って働ければ、むしろ医療関係は特性を生かせる良い職場では?とも思っています。
自分の子供は、本人の興味関心と知的なところで、今のところちょっと医療関係は候補にはならないかな、と思っていますが、もし合いそうな子がいれば、医療職(職種も色々あるので!)の仲間に是非!
と、現場から。
(先生のブログで勝手に勧めてすみませんm(_ _)m)