Categories: 心理学

IQは上げられるか

WISC。

子どものIQ検査。

 

結果を受けて、よく聞かれること。

 

IQは、上がりますか?

 

IQは上がる:①短期的に上げる

結論から言う。

 

上がる。

 

上がります。

上げられると思います。

 

それは、二つの意味合いでそう思う。

説明する。

 

 

一つ目。

短期的に上げる。

 

僕、ビックリしたんだけどさ。

幼児教育? 早期教育っていうの? 的なやつでさー。

お子さんのIQを上げます!

と謳っているものを見て。

 

すっげ!

なんか、すげーパワーワード!

 

  • 小学校受験に向けて、IQを上げます。
  • IQが上がると、知能の土台ができて、その後の学習が身につきます。

といった内容が書かれた広告で。

 

幼児教育なので、おそらく1〜2年の短期のプログラムだろう。

その中でIQを上げるってことは、多分WISC類似の問題を繰り返し解かせるのだろう。

 

WISCって、ほぼクイズだ。

人が人の能力を測るのだ。

クイズ形式で問題を解かせるより他ない。

 

でさ。

類似問題をたくさん解かせると、おそらくWISCの数値は上がる。

すでに解き方を知っている問題なら、そりゃスラスラ解ける。

IQは、上がります。

 

 

ただですねー。

コレ、どれだけの意味があるのだろう、とは思う。

 

本来、WISCは初見で試行錯誤して解くものだ。

これを、やり方を知っている、すでに解いたことのある問題を、スラスラたくさん解くことになる。

見た目のIQは上がるだろうが、果たして実際のその子の能力を反映しているのだろうか、とは思う。

 

いや、幼児教育? とかで、IQを上げること自体は全然いいと思うんだ。

ただ、その経験なり知識が、その後に生きるのかが知りたい。

 

IQを上げる方法って、おそらく解き方の道すじ、物事の抽象化、記憶のトレーニングだ。(知らんけど)

これが、その子の力として身に付くのか否か。

生きていく力となるのか。

 

一時的なIQを上げるだけなら、もちろん意味がない。

でも思考力のトレーニングがその子の力となり、その後も続いていくのであれば、大いに意味がある。

誰か研究してくれねーかな。

 

トレーニングできる

「IQを上げる塾」は極端としても、短期的にIQを上げることはおそらく可能だ。

 

例えば、こんなWISC結果だった子。↓

 

苦手なワーキングメモリーと処理速度、上げられますか?

 

非常によく聞かれる。

苦手分野が分かると、その克服をと思うのが人の常。

個人的には苦手の克服より得意を伸ばす方がオススメなのだが、それは今は置いておいて。

 

 

ワーキングメモリーと処理速度、上げられます。

そこに特化して訓練すると、おそらく上がる。

 

代表的なのが、コグトレでしょうか。

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例えば、ワーキングメモリーを鍛えようと思ったらこんな感じ。↓

出題者が3つの文章を読み上げます。

ただし、お約束ごとが2つあります。

1つは、文章内の最初の単語だけを覚えること。

2つめは、「決められた単語」(動物、食べ物、色など)が出てきたら、手をポンと叩くこと。

ここでは「動物」の名前が出てきたら手を叩きます。

 

 

処理速度を鍛えるなら、こんな課題とか。↓

 

※いずれも画像お借りしています。

 

こんな感じで、鍛えれば上がる。

コグトレ、非常によくできていると思う。

とても良いツール。

特定の分野を、ゲーム感覚で楽しく鍛えられる。

 

 

WISCは、人が作ったクイズだ。

コツを掴めば数字は上がる。

ココは注意が必要だと思う。

 

以前テレビで見たんだけど。

メンサ(上位2%のIQの人たちが入れるグループ)の人が言っていた言葉が、印象に残っている。

 

我々は、法則を探す課題が得意なだけでしかありません。

真に賢い人は、自ら問題を作り出せる人です。

 

カッケー!!!

こんなこと言ってみてぇ!

 

 

僕自身のIQは、おそらく高くない。

自分が賢いとは到底思えない。

メンサとは程遠いところにいるのだが。

 

知人のめっさ賢い人(東大主席卒業ってウワサ)(マジか⁉︎)も、同じことを言っていた。

本当の賢さは、身の回りから課題を見つけて立案すること。

与えられた課題を解くことではない。

自分は問題を解くのが得意なだけで、真に賢い人には敵わないと言っていた。(ご謙遜を)(そこがカッケー)(言ってみたいっ)

 

WISCは、所詮クイズ。

IQは、鍛えれば上がる。

 

IQは上がる:②長期的に上げる

そして二つ目。

長期的に上げる。

 

WISCは、数年おきに再検することがままある。

なぜそんなことをするかというと。

それまでの環境チェックと努力チェック

だ。

 

クラス替えで、担任との相性がとても良く、クラスメイトも落ち着いて協力的な場合。

数年前のWISCと比較し、数値が上がることが多い。

反対に先生と相性が悪くクラスが落ち着かない場合、そのような結果となる。

 

WISCは、この数年間環境が合っていたか、本人はどのくらい頑張ったかのバロメーターとなり得る。

環境が合っており本人が力を発揮した場合、思考力や作業能力が身に付く。

すると、WISCの数値に反映される。

 

 

こちらは短期的なものと異なり、その子の本当の実力だろう。

例えば2年前にWISCをやっていたとして、今のこの子は当時の設問を覚えていない。

ほぼ初見状態での検査であり、結果は実力を反映する。

 

これが上がっていたなら、きっとそれまでの環境が合っていたし、本人も頑張った。

ぜひぜひ褒めてあげてほしい。

 

この2年間、本当によく頑張ったのね!

 

こちらは、真の生きていく力だ。

必要な知的能力を伸ばした。

正しいIQ上昇だと思う。

 

まとめ

 

IQは上げられる。

でも数字の解釈には要注意。

 

これまでも何度も書いているが、そもそも僕はIQがそのまま人の能力を反映するとは思っていない。

IQで測れない力って、死ぬほどたくさんある。

 

人が人を測るのだ。

限界があって当然。

 

所詮人が作ったクイズだ。

その時の精神状態や問題との相性にも左右されるし。

信憑性は怪しいものだ。

特に子どもは、検査のモチベーションもまちまちだろうし。

 

その上で、IQは上げられる。

ただ、それがどれだけの意味を持つのかの解釈には、注意が必要だろう。

pediatrician-p

View Comments

  • では、下がった場合は、その下がった項目の能力をあまり使わなかったということになるのでしょうか。多少の変化はその時々の体調や先生との相性で変わるとして、大きく下がった場合には、普段の生活環境などが合わなかったということなのかしら?

  • いつもかゆいところに手が届く話をありがとうございます!

    今回もぼんやりと違和感?覚えてたテーマでした。読んだら、どこかしら気持ちがスッキリ。
    WISC検査の時の検査環境によっても、数値左右されちゃうよなぁと、自分のを取った時に思いました(部屋が暑かったり、検査官?との相性だったり)

    WISCの数値って、IQなんですね。

    ワーキングメモリを上昇させたいですが、
    あきちゃったり脳が疲れちゃって続きません。特性とうまく付き合いたいです。

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