特性のある人の、社会適応の方法。
完璧主義な人の、グレーの許容。
どうやって獲得すれば?
それな。
僕も常々思う。
それができたら苦労しない、って。
例によって、正解はない。
この手の話って、「成功の仕方」は無限にある。
でも失敗する人のやり方って大体似通っていて。
失敗を避けるって意味と、僕(ASD特性あり)はこんなふうにしてきたという具体例を書いてみる。
もちろん、今でも出来ていない部分もあるけど、出来ている部分も多少はあると思うから。
質問をいただいた。
「白か黒かだけでなく、グレーを認められるように心のあり方を工夫をして」とアドバイスされました。ですが、完璧主義や白黒はっきりつけたがるのは生まれ持ったものだとすれば、ASDの子にはとても難しいのでは?とも思います。
そこで質問です。ASD傾向だというP先生は、どうやって完璧主義を緩めたり、グレーを認められるようになったのでしょうか?そのあたりについて、もう少し深掘りしていただけると、参考になります。どうぞ、よろしくお願いします。
この話への質問。↓
質問やコメント、いつもありがとうございます。
参考にしています。
僕自身、特に小児期に変に完璧主義だった記憶がある。
変なところがスゲー気になる。
具体的には、強すぎる正義感。
ルール違反は許せない。
いじめ、悪口の類は大嫌い。
正義が暴走してトラブル。
虎舞竜。なんでもないようなことが幸せだったと思う。
同様のお子さんは多いだろう。
外来でもよく聞く訴えだ。
でね。
僕自身、この特性をどうやって社会に適応させてきたのか。
考えたんですよ。
確かに小学生、特に低学年の頃は、それなりにトラブルを起こした記憶がある。
ToLOVEる。あやかしトライアングル。
「今それやっちゃダメなんだよー」
「そういうこと言っちゃいけないんだよー」
自分は関係ないのに口を出し、案の定反撃され、取っ組み合いのケンカに。
確かに悪いのは相手なんだけど(ルール違反してるわけで)、僕も大概だ。
関係ないんだし、実害もないんだから、ほっときゃいいのに。
でもこれは大人の理論であって。
当時の僕(小学生)に言っても、聞く耳を持つ気がしない。
じゃあ、どうやって刀を鞘に収めたのか。
失敗したからじゃね?
単純に、コレだと思うんだ。
めっちゃ失敗してきた。
だって、そんなトラブル要らんもん。
ないほうが絶対いい。
何度か繰り返し、「待てよ……?」と考えられるようになった。
人のことはほっときゃいいんじゃね? と。
シンプルに、これだと思うんだよねー。
純粋に、失敗した経験が多い。
僕は特性がある分、人よりたくさん失敗してきたと思う。
こだわりから周囲と不協和音を奏でたり。
ポンコツモードになったり。
忘れ物やケアレスミスも人並み以上には多いし。
コミュ障だしさ。
そりゃ、めっちゃ失敗したさ。
不器用(発達性強調運動症)なのに、うっかり運動部に入っちゃって。
足が遅く、パワーもなく、何よりクラスで一番背が小さかったんだよね。
前へならえでは、手は腰。
なのにバスケ部て。(スラムダンク世代)(映画見ました?)(僕まだなんでネタバレしないで!)
そんな失敗を繰り返した。
で、自己主張を抑えたり、よく分からないときは黙っとくスキルを身につけたり、運動部はアカンと悟ったりした。
当時は、自分がASDだなんて知る由もない。
「自閉症」って言葉は知ってたけど、自分とは全く別の、理解の及ばない人だと思っていた。
オメーだよ! って今なら思うけどさ。
だから、「僕はASDで、こだわりがあり、グレーの許容ができない」なんて理解はできない。
「なんか……ルールにあんまりこだわっちゃダメじゃね?」程度の理解。
でも、そうやって、1個1個気をつける。
これだけでも社会適応はぐーんとよくなったように思う。
あと、環境も大事よな。
自分を生かせる環境に身を置くって大事。
例えば僕だと、以前も書いたが高校の担任からは毛虫のように嫌われていて。
でも、高校の部活の仲間(一番近しい人たち)には、そんなに浮いて見られなかったようだ。
先日会って、「当時、別にやらかしていなかった」と聞いた。
うん。
自分を評価してくれる人と過ごすのって、めっちゃ大事だ。
「失敗すればできるようになる」とは思わない。
失敗から学ばず、同じ失敗を繰り返すこともある。
僕には、これまで散々失敗し、今でも克服できなていないことが山のようにある。
でも、できるようになったことって、絶対に過去に失敗してるんだ。
失敗から学んでる。
失敗の経験なく特性を克服するのは、僕は不可能だと思うんだよねー。
特性をケアする方法は、たくさんある。
でも、今にして思うと自分で気づくより誰かに教えてもらった方がずっと早かったと思う。
「お前こういうところあるから気をつけろよ」って。
つまり、SSTだね。
他の方法としては、特性を貫き通してキャラに昇華するとかさ。
不得手な部分は、得意なことで補うとか。
「てへぺろ」で、周囲に助けてもらうのも手だ。
『うまくいきかた』って無限にある。
でも、失敗する方法は似通っている。
社会に出て困るのって、失敗の経験がない人だと思うんだ。
失敗して、「自分にはこんな特性がある」と学ぶことのできなかった人。
悪気なく特性を発揮して、空回る人ね。
自己肯定感が低く、人の忠告を聞き入れることもできないし。
子ども時代って、失敗し放題のボーナスタイムのように思う。
失敗できるじゃん?
少なくとも、大人になってからの失敗よりずっとダメージが小さい。
僕の見る範囲では、失敗してこられなかった人って、キング・オブ・こじれ家庭のパターンだ。
小さなことから大人が転ばぬ先の杖をつき、失敗を避けてきた子。
自分で失敗して自分でケツを拭いた経験のない子たち。
だから、結果「動けない」。
自分で決めず、人のせいにする。
で、失敗したら誰か(多くは親)のせい。
非常にもったいない。
そんな小さな失敗、させればいいのにと思う。
失敗せずきた人って、うまく社会適応できない。
失敗してないから、自分の特性も分からない。
みんな似てるんだよね、僕の視点から見ると。
繰り返しになるが、もちろん失敗したからってすべて学びになるわけじゃない。
失敗しても気づかないことはたくさんある。
でも、失敗しないことには、気づけることにも気づけない。
僕はそう思う。
今のうちに失敗しようぜ!
特性が強かったりたくさんある人は、その分たくさんの失敗が必要だろう。
いいよ、失敗しよう。
そして、失敗するなら骨拾いババア/ジジイ(主に親)がうろついている今のうちだ。
でさ。
失敗には、ひとつコツがあるように思う。
闇雲に失敗させるんじゃなくて、ココに注意して! って点がある。
軽視されがちだけど、僕はめっっっっっちゃ大事だと思っていて。
正しい行動や正解を教えこむことより、ずっとずっと大事だと思う。
でも、育児書には書いてないんだよなー。
次回書きます。
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なんだかリアルタイムで悩んでいた事へのアドバイスだったので、本当にありがたいです。ADHDとASDの併合タイプと診断された高2の息子ですが、アルバイトをしたいと言ってきたので、やらせてみることに。しかしなぜか選んできたのはラーメン屋。そして案の定激務だし、やる事たくさんあるから、ADHDの頭ではパニックに。辞めたらと言ってもASDの正義感のせいで、こんなにすぐには辞めれないと(涙)。私は骨拾いババアにてっして、見守るのみですね。いっぱい失敗してきてもらいましょう!その先にはきっと成長が見られると信じて!!
社会人になったADHD長男は小さい頃からそれはそれは失敗続き、今でも失敗ばかり(笑)。何でも忘れっぽいので、失敗したことも忘れちゃう。でもだから強いんです。
親が注意したことはすぐ忘れてしまうけど、自分で失敗から学んだことから少しずつ成長しているなと日々実感しています。失敗大事ですよね。
長男と正反対のASDぽい次男は失敗を恐れて不登校、家から出なくなってしまいました。
外で色々失敗して成長してほしいのに、高校生の若さで守りに入っています。毎日ゲームの世界。ゲームの中で旅してるから毎日楽しいとか言うんですよ。虚勢だと思いたいですが、こっちのほうが心配です。いつか外の世界に出られるようになるでしょうかね。
こんにちは、いつもありがとうございます。
今回の記事も胸に響きました。
P先生の傾向は、まさにうちの息子そのまんまです。
でも、先生は立派な大人になっているので、勇気出ます。
周囲が失敗を恐れずにいたいと思います。次号楽しみです。
P先生の教えに多いに力をもらっています。
失敗バンザイ!うちの息子にもたくさん失敗してもらいます。喜んで骨を拾いたいと思います。次記事が待ち遠しいです。
いつもありがたく読ませて頂いていますが、今日のも胸に響きました。
次回をお待ちしております。
ありがとうございました。
メリークリスマス!
次回楽しみです♪
思いがけないPサンタからのプレゼント🎁