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予約の前に深呼吸 〜初診は6ヶ月待ち⁉︎〜

「発達外来初診は6ヶ月待ちです。」

 

これは、僕がアメブロで書いているブログのタイトル。

あ、今は書いてなくて、更新のお知らせをしてるだけ。

あと、いいねやコメントをいただく場となっている。(いつもありがとうございます)(励みになります)

 

なかなか受診できない

ブログタイトルからもわかるように、発達障害や思春期などの心の問題について、医療の受け皿が整っているとは言い難い。

6ヶ月待ちてアンタ。

これだけ需要と供給が一致しない分野も珍しいように思う。

アダム・スミスもびっくりだ。

 

医療以外でも足りていないと聞く。

  • 自治体の発達相談も結構な待ちが発生するらしいし。
  • なかなか療育に入れなかったり。
  • 支援級や通級の質は学校によってばらつきがあり。
  • フリースクールだって数が限られるし。
  • 不登校児の居場所を探すのって超大変。
  • 普通級ではどうしても手が足りず支援が不十分になりがち。

※どこでもそうってわけじゃないです。一般的に不足しがちって話。

 

大きな問題だと認識している。

 

が!

 

僕に制度を変えるお金もないし、力もないし、地位も名誉も何もない。(魔法の絨毯)

あと、何より変える気がない。

いや変えようと行動している方々は素晴らしいしぜひ変えてほしいんだけど、僕はそういうタイプじゃないのよ。

くだらないことを言って笑わせるくらいかな、魔法は使えないけど。(いい歌が台無し!)

 

だもんで、現状のシステムの枠内で、いかに上手に制度を利用するかについて思うところを書こうと思う。

 

焦らないで!

発達外来を受診しようと思うのは、どんなときでしょうか。

お子さんの発達に不安を覚えたときや、お子さんが不登校になったとき。

そんな感じですよね。

 

でね。

そのシチュエーション、どうしても焦るんですよ。

親御さんが。

 

  • 言葉が遅いと思ってたけど、やっぱり気になる点が増えてきた。
  • 園から、発達障害の疑いがあるから受診するよう言われた。
  • 学校でトラブルを起こし、薬をもらうよう指示された。

 

例えばこんな感じ。

このときの親御さんの心情はどんな感じでしょうか。

 

「うちの子は普通! 発達障害じゃないって太鼓判を押してほしい。」

もしくは

「バシッと診断して、療育でも案内して、普通に生きていけるよって道筋を示してほしい。この子、大丈夫ですよねっ。」

あとは

「えー……、どうなんでしょうか。発達障害だったら……どうしよう。発達障害じゃないって言われても……それはそれでどうしよう。」

 

こんな感情かと思われる。

※もちろん個人差あり〼

 

 

でね。

お待たせしておいて非常に申し訳ないんだけど、上記3つの状態で来院してもらっても、解決できないのです。

冷静に考えるとご理解いただけると思うんだけど、どれも無理じゃね?

 

「発達障害じゃないです! 絶対大丈夫、一生安泰です。」とは言えないし。

「発達障害ですが、明日から療育を開始し、5年後には特性は無くなりますよ。」とも言えない。

もちろん「どうしようどうしよう」の親御さんの不安を100%取り除くこともできない。

 

僕らにできるのは、今の見立てと今後の予想を話すことくらい。

実際その通りになるかは分からないし、その子の人生はその子のもので、僕らが決めることじゃない。

 

 

不登校のパターンだと、

「明日から学校に行く魔法の方法を教えてほしい」

もしくは

「不登校の理由が分かれば、あとはこちらで解決する。とにかく理由を聞き出してほしい。」

あとは

「不登校になって、とりあえず病院に来たが一体どうすればっ⁉︎」

 

こんな感じでしょうか。

※個人差あり〼

 

 

当たり前だけど、不登校の子を登校させる魔法の方法なんてない。

そして無理やり登校させたら解決ってわけじゃないことは、ご理解いただけると思う。

 

 

ね。

この状態で受診していただいても、ほぼほぼ解決しないわけですよ。

焦って受診して、でも思うような成果は得られず、さらに焦る。

いいことないです。

 

煮詰まってください

幸か不幸か、受診までにはそれなりに時間があるわけだ。

その間に色々考えて、ぶち当たってください

 

親御さんの思うように、まずやってみてほしい。

専門家の意見なんかより、圧倒的に親御さんの考えだ。

圧倒的にそっちが正解に近い。

自説を信じろ! 登校刺激、するかしないか。 3歳児神話、気にするか気にしないか。 ASDか、HSCか。 普通級か、支援級か。 ...

 

その上で。

どーしても煮詰まったら、そのときに専門家に相談だ。

 

しかも、相談しても実際その通りにするかどうかは、親御さんが決めて良い。

相談しておいて聞き入れないのも、全然アリ。

そんなもん。

 

 

専門家なんて、困ったときの参考でしかない。

その子を一番よく見て、一番よく知り、そしてその子を一番想い、その子から一番信頼されているのは、間違いなく親御さんだ。

専門家なんて見知らぬ他人。

煮詰まったときに、参考までに話を聞く程度の位置づけ。

 

つまり、煮詰めてください

思うように煮詰めちゃってください

じっくりコトコト煮込んで。

 

そして、煮詰まったら来てください。

できる限りのアドバイスをします。

 

 

まずは自分の思うようにやってからじゃないと、人の意見なんて聞けるわけがない。

それは大人も子どもも一緒で。

 

まず自説を信じて、思うようにやってみてほしい。

その中で、数々の考察や予想などが生まれるはずだ。

これがとても大事で。

あとでアホほど効いてくる。

 

よくわかんないけどこうするといいって言われたからやった

では、うまくいかなかったときに考察も修正もできないもんね。

 

 

この子は発達障害なのか?

そうだとしたら、しっかり受け入れる覚悟はある。

療育するとこの子はどう変わる?

知識がないので病院で相談しよう。

ついでに今後どうなっていきそうか、専門家の意見も聞いてみたい。

 

↑こんなのとか

 

不登校になり、散々登校刺激したけどダメだった。

むしろ悪化しているように思う。とうとう笑顔を見せなくなった。

無理に行かせることが本当に正解なのか?

この子らしく生きる方が大事だと思うが、それでよいか?

そしてこのまま登校しなかった場合、特性を知っておいたほうが次の道を選びやすい。発達検査したい。

 

↑こんな感じで受診していただけると、実のある会話ができるように思う。

 

まとめ

お子さんに問題が起きたら、めっちゃ焦る気持ちはわかる。

一刻も早く医療に繋がりたい気持ちもわかる。

 

でも焦った状態で来てもらっても、きっと良い結果は得られない。

 

予約の前に、深呼吸。

ある程度煮詰まってからの受診がオススメ!

 

焦って『正解』を求められても、僕らに魔法は使えない。

お金もないし、力もないけど、その子の役に立ちたいと思っている。

pediatrician-p

View Comments

  •  P先生、いつもありがとうございます。

     ものの見方が変わると、見えてくるものが変わってくる。今までなかった視点でお子さんを観察し、どうすればいいかじっくり考えてほしい、と言うことなのかな、と受け止めました。

     確かに診察室で初めて会った医師が質問した時、親がどれくらい答えられるか、どの程度お子さんを「見ている」かで、できるアドバイスは、かなり変わってきそうな気がします。

  • 先生のブログにいつも助けられています。
    母子登校の次男はADHD、ASDの診断を受けています。小さいころから育てにくかったので自分のなかで受け入れる覚悟もあり、4月からは支援学級に在籍します。
    現在不登校の長男は手もかからず、何もしなくてもすぐに吸収し、運動も得意でした。ですが不登校になり、悩んだ末外来を受診し、それから半年ついに心理検査を受けました。でも結果を受け入れる覚悟ができていません。そして覚悟がないのに受けたことに悩み、不安で夜中に何度も起きてしまいます。だめな母です。
    受けることで長男が何に悩んでいるのか苦しんでいるのかわかると思いますし、分かることで支援してあげることもできます。だから必死に受けて良かったと、なにがあっても受け入れようと自分に言い聞かせています。
    結果を聞くまでの間、沢山考えて煮詰まりたいと思います。

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