不安の強い子。
不安の強い人は、その不安の強さゆえに色々困りがち。
トラブルがあると立ち止まったり、パニックになったり。
先回りしすぎて、却って動けなくなったり。
ね。
そんな感じですよね。
うちの子、不安だ不安だーって言いながら何もしないんですっ。
なに?
不安なのに準備しない、とな?
心配なら準備すればいーじゃん。
前もって調べたり、シミュレーションしたりさ。
なのに、それをしないで闇雲に不安がるってコレいかに。
……ん?
……んん⁉︎
それって僕のことじゃん!
僕、効率厨なんだよね。
非合理的なことが嫌いでさ。
千空ばりに。(Dr.ストーン連載終了だって)(悲しす)
この矛盾を聞いて、一瞬戸惑った。
え、それはなぜ?
この子は何がしたいの?
ね。
一見わけわからんよね。
不安が強いんだから、じゃあ先回りして準備すればいいじゃんって話で。
僕は、変なことには理由があると思っていて。
それがそうなった理由が、必ずある。
だもんで、考えてみた。
なぜそうなったか。
すぐに思い至った。
そうか。
その子、粘り強くないんだ!!!
本の受け売りなんだけどさ。
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「不安の強さ」は生まれつきと、以前書いた。
同様に、「粘り強さ」も生まれつきらしい。
そう書いてあった。
物事に粘り強く取り組むか、そうでもないか。
この要素、生まれつき決まってるんだって。
へー。
じゃあ上記「不安が強いのに準備しない人」は、
かつ
人と考えられる。
不安は強い。
でも先が見えない中コツコツ積み上げたり、粘り強く努力するのは苦手。
「テストが不安だからテスト勉強を頑張る」とか、「不登校だと不安だからなんとか登校しておく」とかさ。
出来ないんだよね。
え、不安が強いのに頑張れないってこと?
結構詰んでない?
一瞬そう思った。
でも、よく考えるとそうじゃないんだよね。
僕自身がこのタイプなのでよく分かるのだが、この子、逃げるのが上手なハズなんだ。
逃げ上手の若君。(知ってる?)(面白いよね)
トラブルが起きた。
その時に、粘り強い人はちゃんと準備し、困難があっても忍耐強く努力を積み重ね、乗り越えて行く。
一方、粘り弱い人(僕みたいなタイプ)は、すぐ逃げる。
逃げるというと聞こえが悪いが、方向転換できるってことね。
別の方法はないか、もっとうまいやり方はないか。
そんな風に考える。
これってめちゃくちゃ大事な能力だと僕は思っていて。
不安の強いタイプなので、枠組みを飛び越えることはしない。
決められた範囲の中で、もっと良いやり方を模索する。
小さな軌道修正で、効率アップを目指す。
枠を越えるとしても、大それたことはせず、ちょこまか逃げる。
同じ組織内の別部署に移動したり、同業の別企業に行ったりね。
そして良い方法を見つけたら、みんなで共有する。
非効率的なやり方を、効率的にブラッシュアップ。
うまいこと仕組みを変えるのが得意だったりする。
僕みたいな効率厨に多そうだ。
加えてきっと、その子はめんどくさがり屋だろう。
「頑張れない」の裏には、「めんどくさい」が隠れている。
めんどくさいから、別のやり方を考えるのだ。
「めんどくさい」って一見悪いことっぽいけどさ。
物事の進歩の裏には常に「めんどくさい」が隠れてるってもんで。
過去を踏襲し継続することは美しいけれど、そこに大きな進歩はない。
不安だけど頑張れないタイプ。
絶対に失敗したくないし、でも頑張るのもめんどくさいって人。
じゃあどうするか。
↓
別の方法を考えよう!
コレができる。
この力、すごく大事だ。
僕はこの能力一本でやってきたと言っても過言ではない。
苦手な能力を要さない方法を模索する力。
自分に有利な環境を探す力。
大きな武器だ。
ね。
って人。
わがままでめんどくさがりで、一見アレだけどさ。
こう考えると、そこまで悪くないでしょ?
でも。
「頑張らない」「逃げても良い」という話をすると、必ずと言っていいほど言われる。
頑張らなくちゃいけない場面もある。
これは僕は、逃げるのが先だと思っていて。
逃げて逃げて逃げまくって初めて、ここぞというときに頑張れる。
「頑張れない」って自覚してるから、頑張るんだよ。
そういうことってない?
掃除が苦手って自覚してるから、ちょこちょこ掃除するとか。
人前に出るのが苦手な自覚があるから、発表の場数を踏んで慣れていく、とかさ。
あるでしょ?
「自分は頑張れない」って自覚するのが先だ。
と思っていると、ここぞというときに頑張れない。
ずっと頑張ってると、早々に息切れしちゃうもの。
「頑張れない」ってちゃんと自覚して、普段からちゃんと逃げていればこそ、頑張れる場面が出てくる。
自分の特性を否定しちゃうと、きっとうまくいかない。
つまり、「粘り強く頑張ることが唯一の正解」と思い込んじゃう。
「頑張れない自分はダメ」って、自己否定しちゃう。
これさ。
多分うまくいかないよね。
疲れるし、結果が出ないし、その人の強み(上手に逃げること)も潰しちゃう。
効率悪いわけよ。
そうじゃなくて、自分の特性の通り、ちゃんと逃げること。
さっさと諦めること。
その上で、「ここぞ」というときは頑張る。
やっぱり自分をそのまま認めること、その子をそのまま認めることが大事だと思うわけです。
その人をそのまま認め、受け入れること。
やっぱりこれが一番大事。
持って生まれた特性って、それ単体で「良い」「悪い」は決まらない。
例えば、
粘り強い人
長所:がんばれる。
短所:方向転換しにくい。
粘り弱い人
短所:がんばれない。
長所:うまく方向転換できる。
良く出るか、悪く出るかの問題でしかない。
今回は粘り強さを例に出したけど、他の特性でもそうだ。
「この特性を持っているからダメ」なんてことは、絶対にない。
不注意だからダメ、コミュ障だからダメ、こだわりが強いからダメ、繊細だからダメ、感情的だからダメ、とか。
そんなことないです。
※唯一、「自己肯定感が低い」はダメ。これが低いと、他の要素のネガティブな部分が前面に出ちゃう。
もともとの自分と違う人になろうとする必要はない。
多分ムリだし、長所も潰れる。
模範の通りじゃなくていい。
憧れのあの人に近づこうとしなくて良い。
あなたにはあなたの、その子にはその子の特性があり、良さがある。
そのまま受け入れ、よく知り、そして作戦を立てることだ。
結局いつもここなんだと思った。
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いきなり不躾にすみません。
それに加えて、怖すぎて動けない、ということはありませんか?
昔の心理学入門の教科書に書いてあった 「恐怖アピールの実験」が子どもにも自分にもあてはまる気がしています。
代替案、なかなか出てこないですよね。
経験を積んで考えられるようになっていくのか、はたまた、どうしても行動しないといけない状況に置かれるか。
いずれにしても時間掛かりそうですね。親は待つしかないのか…
P先生、いつも有難うございます。
代案は、どの子でもすぐに簡単に出せる様になるものではない、と思います。
後悔も無駄も、いつか起こることに対する思考の糧になると開き直って、極力それ以上の自責を増やさない。今動けない子も、理想を求める生真面目さに気づいて、その状態を一旦受容するしかないのではないかと言う気がします(困っている時には、性質と今の状態は意識して分けた方がいい)。自信がない子が、自分の意見に自信が持てるわけがない、とすると、永遠に代案なんて湧いてこない。他人との比較ではなく、自分はダメじゃない、という意味での自信は自己肯定感とほぼ同じなのかな、と思ってます。
電通の社訓「鬼十則」にある「自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。」を初めて読んだ時は衝撃を受けました。粘り強さに先天的な要素は大きくても、後天的な影響はあるし、周りに変えられるのはそちらだけ。
こうすればよかったとウジウジウジ.....あの人みたいにすればよかったとウジウジウジ(過去の自分の振り返りなので、しつこいのは許してください)....山ほど思考と観察をため込んで、それを繰り返して、今度似たようなシュチュエーションにまた遭遇した時に、初めて代案として役に立つものが出てくるための材料になる。時間がかかって当たり前だと思います。
荒野で猛獣に襲われた時、逃げながら、ああすれば襲われる事自体を回避できたのに、なんて考えられない。1秒でも早く走って逃げる事しか考えられない。逃げ切って一応危機は去ったと思えて、十分な心の余裕が出来てから初めて、あの時こうすればよかったって考えられるものですよね。P先生がおっしゃる、「失敗させてください」とか、「とりあえず逃げる」とかはこう言う事でもあるんじゃないかと、私は解釈してます。
ちなみに、20代の一番上の子は、こういう場合には父ならこう言う、母ならこう言う、他の兄弟ならこう言うとの予想が頭に浮かんでくるらしいので、本人がなんとかしたい気持ちはあってもどうすればわからない時に、周りがアドバイスするのは悪い事ではないと、私は思います。「少しの事にも先達はあらまほしきことなり」って吉田兼好も言ってるし。
大事な事は、普段からくだらない話を沢山して、お互いの意見を気軽に自分とは違うと言える関係性、要は雑談、と内容と言い方じゃないかと。
私は、子供が、なんとかしたいと思っていて、なおかつどうしたらいいのかわからないのを見てとってから、「aだからbしたらいいと、私は思うけど」と言ってます。・自分の着眼点をきちんと伝える。子供がもう気付いていそうな事ならアドバイス自体しない・あくまでも私個人の意見であることを強調する・末尾に けど をつけて、あなたにはあなたの意見があるよねと言外に伝える のが自分の子供達に対する自分のやり方。
まあでも、思春期は難しいので、自分の頭の中で、ユーミンの「今はわかるの 苦い日々の意味も ひたむきならば 優しい昨日になる」(ANNIVERSARY)を無限にリピートさせながら、黙っているしかない時も、多々ありますね。
まさに我が子のまさに今。
不登校で、1年以上学校に行っていないのに、卒業式に出ると言い出した。不安だから練習にとは思うけど、行かない。行けない。
私は先回りして安心したいタイプなので、過干渉にしすぎた傾向もありますが、私だけのせいだけではなく、もって生まれたものなんですよね。
上の方2人も書いていますが、別の方法を!と考えるエネルギーもまだないようです。めんどくさいが、勝っています。
まさにうちの娘もです!「じゃあ、どうする?」と別の方法を考えることがないのです。それで母親の私が仕方なく、他の方法を考えます。私は面倒くさがりでいかに効率よく生きるかをモットーとしてることもあって。
結局こちらが案を提案しないと、やっぱり無理だから何もしないとなります…。
P先生…粘り強くもなく、別の方法を見出さない場合は…
どうしたら…😢
不登校の息子、不安が強いタイプで苦手なことも多い。頑張れなくて、面倒くさがり。まさに今、逃げている最中。
ここで、P先生と違うのは「じゃぁ、どうするか」→別の方法を! にならない。
もぅ、無理だからどうにもしないっ!てなる。
そして、逃げ続けることに。いつかここぞが来るのかしら…