Categories: 発達障害

成功者を真似るな!

完全な私見なんだけどさ。

これ、めっちゃ思うんだよね。

 

うまく行った人を真似しちゃダメ!!!

 

理由がある

いや、それでうまくいくならいいんだけどさ。

うまくいかないことが多いわけよ。

だって、子どもの特性が違うから。

 

 

例えば、かんしゃくを起こす幼児。

買い物に行くたび、お菓子を買ってほしいとひっくり返って泣くとする。

 

ママ友なんかに聞くと、

 

ママ友
あなたが優しすぎるからよ。

うちの子も泣いたけど、断固買わずに引っ張って連れ帰ったら、次からは駄々をこねなくなったよ?

 

とか、こんなアドバイスが返ってきて。

 

お分かりいただけるだろうか。

 

そんなことしたらマジカオス!!!

 

多分この子はかんしゃく持ち。

ひっくり返って泣くにしても、2時間はちょっと長すぎる。

ASD特性があるのかもしれない。

 

 

うまく行く人には、うまく行く理由があるのだ。

ママ友の子はきっと、かんしゃく持ちじゃないのだ。

相談者さんのお子さんは強いこだわりとかんしゃくがあるのだから、同じように接してもうまくいくはずがない。

うまくいかない人にもまた、うまく行かない理由があるのだ。

※ちなみにこんな例の対応の定石は、「安全を確保した上で、落ち着くまでとにかく待つ」でしょうか。パニック中は何を言っても入らない。

 

 

同様のことは、枚挙にいとまがない。

  • 明日の準備や宿題など、主体的に動かない子をどう動かすか。
  • どのようにお尻を叩けば勉強するか。
  • 友達とのトラブルを減らす方法。
  • ゲームや動画との付き合い方。

色々あると思うけど、僕は強く思うんだ。

 

ある人がうまく行った方法をそのまま取り入れても、成功率は低い!

 

特に、めっちゃ成功してる人のやり方。

宿題や準備をすんなり納得した子はきっと、こだわりや衝動性が薄いのだろうし。

親がお尻を叩いて有名な学校に合格した子は、元々の能力の高さに加え、親の目を盗んでうまくサボるスキルがあったのだろう。

誰とでも仲良くなれる子は、生まれ持ったカリスマ性や、物腰の柔らかさがあるのかもしれない。

 

うまく行った子には、それなりの「理由」がある。

逆にうまくいかない子にも、それなりの「理由」がある。

 

やり方を試してみるのは良いけど(うまく行く可能性ももちろんゼロじゃない)、固執するのは危険だ。

と、思う。

 

成功者にも理由がある

僕、たまに成功者の書いた本(ビジネス書や半生を書いた本など)を読むんだけど。

億万長者とか有名企業の社長とか敏腕社員とか起業家とか投資家とかその分野の第一人者とかカリスマ美容師とか。

まー参考にならないわけよ。

 

言ってることはわかるよ?

その通りだと思うけど、自分に当てはめると一切できる気がしない! ってことが多い。

 

  • 暇があったら本を読め。
  • いろんな国や場所に行き経験値を上げろ。
  • 積極的に人と会話し世界を広げろ。
  • 新しい分野に果敢に手を出せ。
  • 心と身体はつながっているのでジムで鍛えろ。
  • とにかく行動しろ、動かないことには何も変わらない。
  • 切り札は先に見せるな、見せるならさらに奥の手を持て。

 

分かるよ!

正論だよ!

でも、できねーんだよ!!!

 

成功者、めっちゃアクティブ。

暇さえあれば行動しているようにすら思われる。

マジアクティブ。

 

ちょ、出来ねーよ。

もうみんなADHDなんじゃねーかなと思う。

こちとら変化を嫌うASDタイプだよ。

※実際、ADHDは出世しやすい。社長とか役員とか校長先生にも多いと聞く。アクティブに動くから、成功率も高い。

 

成功者たちは素晴らしいと思う。

でもそれは、そのやり方は、「その人の持つ特性あってこそ」と感じることが非常に多い。

一般化はできない。

 

と、ここまで話を広げなくても、もっと身近な例でもそうだ。

「この子はこうやってうまくいった」的な話は、特にその成功が顕著であればあるほど、一般化できないように思う。

 

失敗を避ける

ってことで。

だから僕は、チマタに溢れる「こうしたらうまくいったよ」的な話は眉唾で聞いて欲しいと思っている。

お子さんに発達特性があるならなおさら。

定形発達のママ友の話なんて、ダメ、絶対。

 

 

それより、圧倒的に効果的だと思うこと。

 

失敗した人のパターンを避ける

 

もう、コレっすよ。

 

 

成功パターンって、正直無限にある。

外来で見ていても、「そんなやり方でうまくいったの⁉︎」ってことは非常に多い。

偶然とかタイミングとか環境とかその子の個性とかで、なんかうまく行く。

※ちなみに事態が好転するときってこんな感じ。いろんな要素の上で、なんかうまく行く。

これを別のケースで真似るのは非常に難しい。

 

 

でも、失敗パターンってみんな似てて。

上に出した例だと、

  • かんしゃく中の子を無理やり引っ張ってマジカオスに。
  • 計画性のない子をガミガミ叱って二次障害で反抗的に。
  • 勉強させようと過干渉して親子関係が悪化、自己肯定感も低下。

こんな感じ。

 

これを避ける方が、ずっと成功率が高い。

「しくじり先生」って番組があるけど、あれは良い企画だと思う。

失敗パターンを避けるのは、成功率が高い。

 

 

うまくいかないのには理由がある。

うまく行くのにも理由がある。

 

なので、うまく行った人のやり方を真似ても、成功率は高くない。

うまくいかなかった方法を避けるのが現実的。

うまく行く時は、思いがけない感じでなんかうまくいくものだ。

と、僕は思う。

pediatrician-p

View Comments

  • 本当にそれです。我が子(自閉症と軽度知的障害)はトイトレがかなり苦戦しました。
    その時に好きなキャラクターのパンツ履いたら良いとか時間を決めて座れらせるとか色々言われたけどキャラクターのパンツなんてとっくに買ってるし、そもそもパンツを履く事とトイレに行く事自体を拒否るし無理にやらせようものなら泣いて大暴れ。
    トイトレを私が焦っていて子供が一時期、私を避けるようになり荒れる事も多くなりました。(今までは私にベッタリ)
    これはイカンとトイトレを一旦辞めて本当にスローステップで時間をかけてやっていったら何とか成功しました。

  • 成功者を「もうみんなADHDなんじゃねーかな」って、共感し過ぎて笑ってしまいました!
    全く同じことを思っていたので。

    いつも読ませて頂いています。
    更新、楽しみにしています。

  • P先生

    こんばんは。
    枚挙にいとまがない。に、ツボりました!
    今回の記事も結局自分はどのカードを持っているのか、ってことなんだよなぁ〜と。
    何を持っていて、何はないのか。
    これにつきますね。

    定形発達のママ友の話なんて、ダメ、絶対。
    これに1000億万票です。

    お疲れまさでした。

  • 失敗パターンの「勉強させようと過干渉して親子関係が悪化、自己肯定感も低下。」これは、我が家のことです。きっと不登校になった原因の一つ。教育虐待ですね。
    私は娘が不登校になった日から自分の人生を楽しく生きられません。自責の念で潰れそうです。過去は変えられないし、娘にとっても良くないことだと理解しています。でも、学べば学ぶほど不登校は私のせいだと思うことばかり。どうやったら自分の人生を楽しめたり、前を向けるのかな。。。
    娘の人生を友達のいる世界から引きこもりに変えてしまったとゲーム三昧の娘を見て申し訳ない気持ちでいっぱいになっています。

  • やはり、先生のブログは神〜!
    ADHDは出世する説、むちゃくちゃわかります!動かずにいられないから腰が軽いんですよね。そういう私もADHDの自覚ありで経営出来てます。ただ、周りが大変そうですけどね。汗

    うちのASD息子も、ガミガミ言わずに頑張って育てます。いつもありがとうございます。礼

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