小中学生くらいだと、学校の成績をつける際、「やる気」の占める割合がかなり大きかったりする。
多少テストの点が悪くても、頑張りが見られれば救済しましょうってことだ。
一見ありがたいけど、
全然ありがたくない!
って子もいるんです。
やる気って何かというと。
具体的に評価されるのは、
とか、そんな感じでしょうか。
不得手な分野でも、精一杯頑張る。
失敗を恐れずとにかくトライしてみる。
確かに、大事な姿勢だ。
学校とは「できること」を増やす場所であるので、上記は正しい行動である。
うむ、異論ない。
なんだけど。
アピールする意味がわかんない。
そう主張する子がいる。
うむ、これも異論ない。
というか、むしろ僕はコッチ側の人間。
過程なんてどーでもいいんだよ。
結果出せよ、結果。
というタイプ。
クソかよ。
冷徹で人間味を感じない。
まぁ僕がクソなのは、読者の皆様はすでに承知されていることだろう。
このようなタイプは、熱く頑張っている姿勢を見せられるとむしろ引いてしまったりする。
みんなが一生懸命取り組んでいたら、逆に冷めた態度を取ったり。
当然、先生受けはすこぶる悪い。
「やる気がない」と判断され、テストの点が良くても成績は振るわない。
あぁ、心当たりがありすぎる。
やりたいことはやるし、やりたくないことはやらない。
ただそれだけ。
こんな子がいる。
この子にとって、「やる気がなくてもやる気を見せて」とか、わけワカメ。
そもそもやる気がないのに、形の上だけ「やる気」を表現することに、一体なんの意味が⁉︎
意味わかんない!
だったり、
そんなコビを売るようなことしたくない!
だったり。
とにかく嫌悪感がある。
やりたくない。
僕は、それはそれで良いと思う。
嫌なことに前向きにチャレンジする人もいれば、嫌なことはやりたくない人もいる。
人間の多様性だ。
それでなんの問題もない。
と、個人的には思う。
だが、低年齢のうちは「やる気」を見せることが大事だ。
人生経験の少ないうちは、いろんなことにチャレンジしてみる姿勢が大事。
それもまぁ分かる。
結局、
お作法として「やる気」を見せる
のが最適解なんだけど。
これが自分のために、一番おトク。
この辺の損得勘定で動けるようになるのって、何歳くらいなのだろうか。
もちろん個人差もあるだろうし。
で。
発達特性を持つ人は、お作法としての「やる気」の表現が苦手なことが多いように思うんだ。
ASDはこだわりがあり、自分の思うようにやりたい。
みんなでアツく議論を交わして、「いろんな意見があったけど、結局こうまとまりましたぁ!」みたいな、いかにも教育的な手法には興味がない。
僕(私)はこう思う。以上。
非合理的な感情論とか、理解不能。
空気を読まず、突然持論をぶっこんじゃったり。
逆に興味なくて一切参加しなかったり。
また自己理解が弱いので、
「先日のイベントであなたはどう感じましたか?」
「この文章を読み、気づいたことを書きなさい」
みたいな課題はもうお手上げ。
自分の気持ちがわからない。
思ったことなど特にないし、もちろん文章に起こすような内容も思い浮かばない。
白紙で出したら叱られるし、だからってテキトーに書いたらそれはそれで叱られる。
(こんな子の『テキトー』な文章は、全体から『テキトー』がにじみ出ているものなのだ。)
「やる気がない」以外の評価を受けようがない、デスゲーム。
ADHDは、興味のないことにはトコトン興味がない。
視界に入らない。
ブラックホール。
存在しないのと同じ。
お尻を叩いて一瞬やる気を出させても、飽きたらすぐポイだ。
やるべきことを放り投げ、全然違うことをしている。
やっぱり、「やる気」があるようにはとても見えない。
加えて、「努力の持続」がとても苦手。
苦手でもちょっと腰を据えて……とか、超絶ムリ。
努力の形跡が見えるように、例えば分からないなりに解答欄を埋めるとか、数を書けばそれっぽく見える漢字や計算なんかも、超絶しんどい。
もういや!
キーーーーーッ!
結局親子喧嘩に発展して、でも課題は進まず。
骨折り損のくたびれもうけだ。
この、やる気のなさ。
やる気がないというか、大人から見るとやる気のないように見える様子。
ホントにこの子がぐうたらで、やる気がなくてこうなっているのかというと、そうでもなくない?
と、僕は思うんだ。
特性だし、性格だ。
キョーミないし、意味わかんない。
そういう人もいるよね、と僕なんかは思うんだけど。
特性で「興味ない」のに、表面上はやる気があるようにふるまえって。
結構ハードル高いよなぁと。
繰り返しになるが、僕は「やる気」を評価するシステム自体に異論はない。
それは必要だと思っている。
ただ、「やる気」では評価できない、評価してほしくない子もいるよなーって話。
こんな子の生存戦略は、
お作法として「やる気」を見せる
なんだけどさ。
でもまぁ、難しいこともあるよなーって。
ま、これも小中学生くらいまでで、年齢が進むにつれて「やる気」の占める評価割合は低くなっていく。
だから後々楽になるんだけど。後楽園。
あ、でも就職すると「やる気」を評価する会社もまだまだ多いのか。
こんな会社に入るとまあまあ詰んでるな。
自分に合った環境を選ぶって、大事よね。
ってことで、「やる気」で評価を下げられ、憤懣やるかたないみなさん。
気持ちわかるよ。
お疲れ様です。
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我が子は中学受験しました。
理由は「高校受験では、内申点取れなさそう。」です。
発達の診断は受けていませんし、私は普通だとは思っていますが、うっすらグレーより、だなぁ…みたいな特徴はあります。
見切りが早すぎるタイプ。そして地道な作業系の宿題…嫌がります。。親の欲目もありますが、兄弟で比べると頭はキレるな、とは思っていましたが…さほど成績は良くありません。
所謂地道な努力が厳しいし、勉強も好きじゃないっていうので高校受験回避、しかも大学付属ならそこそこの学歴が手に入る。本人はエスカレーター、いいなあ、ってので本人の意向を色々と聞いた上でそこに決め、短期決戦、合格、入学しましたが……パラダイスなどはなく、、茨の道でした。
高校受験よりもシビアな……先生の意向が反映される評価制度。テストより提出物が大切。何よりもやる気を評価されます。。
最も入れてはいけない学校でした。
品行方正…
ジャイアンツの「紳士たれ」みたいな教育方針です。もちろん呼び出されまくり、やる気も低下。高校生でドロップアウトしてしまいました。
不登校は短く、「うちの子無理だな」って割と早くに気づき、「行きなさい!!」じゃなく、もうやめてもいいよ、と早くに言えて、、そこだけは良かったかな?と思ってます。
叱られまくり、は今の転校先でも変わりませんが、先生の評価は高いです。叱られも愛あるムチだと親は納得できますし、親子共々自己肯定感だだ下がりは食い止められました。今は大学受験に向け少しずつ前に進んでます。
でも、その大学付属校の方針が悪かったわけではありません。大量の宿題もこなせる子もいますから。うちの子は無理だったなーー。
親子共々、元々方針が合ってなかったんだと思います。
P先生のいうところの、「それは間違ってない」ってやつですね。。
学校も「通ってみないとわからない」んですが、子の特性、何が苦手で何が得意か…早くわかっているほど有利なのかなーと思ってます。
いつも記事をありがとうございます♪
やりたくない事はやりたくない。
こう書いておいたら?の提案は拒否。
結果、冬休みの出来事を書く用紙にASDの小5息子は、いとこと遊んで楽しかった。と一行だけ。
何をしたとか書いたら?ってアドバイスも無視され、書いたから良しとなりました。
今年の決意を漢字一文字で書きましょう。
には謎って書きました。
本当に謎な人です。
2学期のほとんどを入院して過ごしたので、成績評価は全て斜線です。
一時的に転籍して訪問授業は真面目に受けてましが(マンツーマンなので)反映されないので成績つけたら全て頑張りましょうになるので、斜線で十分です。
先生もお疲れ様です。
我が家の定型長女とADHD長男、ペーパーテストならほぼ同じくらいの成績ですが、お作法が違うのでしょうね。学校の成績はびっくりするほど違います。
長男は「Bでもよくできましたなんだって!」と全然気にしていませんでしたが、長女が「なんで!?(登校渋りもあるのに)教室でみんなと一緒に授業受けて、手だって挙げて、嫌いな漢字だって毎日宿題やって、めっちゃ頑張ってたじゃん!教室入っただけで(弟にとっては)100点じゃん!基準は何よ!?」と憤慨していました。
子ども達、特に長男には好きなことを見つけて、好きなことを頑張って、それをちゃんと評価してくれる居場所を見つけてほしいなと思います。そのためにも長男の進路、このまま公立で行くのか私立にするのか、そもそも「学校」という場所に通い続けられるのか、フリースクールや自宅学習…と道が見えなさすぎて悩ましいような逆にワクワクするようなですが、一緒にその都度「たたかう、にげる」を選択していきたいと思います。
出ました、『お疲れさまです』(笑)。
すべての文が息子に当てはまりすぎて、途中からニヤニヤが止まりませんでした。(そうなの!そうなの!って感じで)
とりあえず息子の自己肯定感が下がらないように、【ずっとこの評価システムが続くわけではないこと】【この評価が君のすべてを評価しているわけではないこと】【この評価をあげたい気持ちがあるならこういう方法があるよ】みたいな話はよくしています。
結局、やり過ごすしかないんだよなーと思いながら。
そして将来、この評価だけにとらわれず、息子を受け入れてくれる環境にどうか出会えますように、と毎日祈ってます(笑)
いつもありがたく拝読させてもらっています。
HSCの高校生の息子にとっても『やる気』の評価は全然ありがたくないのです‼︎とにかく目立ちたくない息子にとって手を上げて発表するなんて出来るわけもなく。しかし学校の評価の一つに『発表をする』というのがあるのです。これも『やる気』の評価の一つなんでしょうが、やりたくても出来ない子もいるという事をまったく分かってない‼︎ 本当に悔しい‼︎ ADHDもある息子は提出物忘れもあるのですが、『やる気』の評価もたぶん低いのでしょう。テストの順位は良いのですが総合評価は20位くらい下がるのです。それを分かっていて本人も頑張り過ぎて不登校に…。
しかし三学期が始まるタイミングで二か月ぶりに登校してみる事になりました。HSCの真面目さなのか、学校辞めていいと言ったのに、戻る‼︎との事。どうなるやら…。とにかく頑張り過ぎないようにやらせないとなと思っています。
いつも先生のコメントに励まされています。今後とも楽しみにしております。
..... お作法として「やる気」を見せる.....
P先生が言語化されると、そんな風になるんですね。
教師に言われた通りにはできなくても、それなりに自分流でできる、なおかつ、簡単には言われた通りにやってみせる事ができない子たちは、多分、学校社会の少数派。相手が求めているものが何かを考えた上で、茶番だと思いつつも、適当に手を抜きながらお付き合いする、社会の潤滑油としてのお作法が必要になる事もあるんでしょう。親や教師が特別な存在から等身大の人間になっていく時期の、アオハルにありがちな理想論で葛藤すると、すぐにはできないかも知れませんが。
子供は少しずつ大人に近づいて行きますね。ありがとうございます。
・やればやっただけできる子
・やれない、もしくはやっても出来ないけれど、教師の理解が比較的容易に得られる子
・特に主義主張もなく、継続して手を動かせる、やらなくてもできることなんて簡単にやってみせる子
…..が、おそらく学校社会の大部分。
子供全部がそうすべきだと思っている、簡単には説得できない様な教師に対して、わがままだとか努力が足りないとか思われて自分が損をしないために、どうすればいいか考えた方がいい。目の前の相手に、過度に期待するのはやめましょう。あなたの事をもっとわかってくれる人はどこか他にいます、と言う事かなと、自分なりに考えました。P先生の意図された事からはずれているかもしれませんが。
P先生こんにちは。
少し本題とズレてしまうのですが、うちのASDっぽい小2の長男は学校での「お作法」をやり過ぎてしまい、家と学校で別人格のような状態になっています。
家での長男はまさに興味のある事しかしないし、こちらから何か助言したりしても「それ、あなたの感想ですよね?」(byひろゆき)ばっかり言っていて、反抗的で怒りっぽくて癇癪や暴言が多いので小児科で漢方薬を処方されている状態です。
でも学校の面談では、穏やかな優等生でみんなの模範的な存在と言われ、こちらから癇癪や暴言で小児科にかかっている話をしたら先生はとても驚いていました。
「お作法」がすごく上手でも、無理した反動で家族に八つ当たりするような子はどういう環境がいいのかなと非常に悩みます。
ちなみに忘れ物とか、指示を聞き間違えたとかで「お作法」にミスがあると、帰宅後に全部ママのせいだと怒るのです…。
正直学校や家庭の外では穏やかな良い子でいられるなら習い事とかして貰って、家庭にいる時間を少しでも減らしたい…と思ってしまうけど、本人はとにかく家に帰りたいそうで…。
今は「お作法」のポイントが掴めず、とにかく全力だから反動が出るんですかね…。
ここに書いてて、ふと結局は本人が苦手を知り、全力で「お作法」する作戦をとるのではなく、興味の無いことや苦手について戦略を練っていく事が改善に繋がるのかなと思いました。
また新学期で気持ちが荒れているみたいなので、私はできるだけ冷静に頑張りたいと思います。