僕は、苦手なことは基本的に頑張らなくてよいと思っている。
必要になれば、その時に本人が頑張るでしょ。
基本はそうなんだけど、そうはいっても
「今コレが出来ているとお得」
「コレが出来れば世界が広がると思われる」
「コレが出来ないせいで、学校自体のハードルが上がっちゃう」
みたいな事柄は出てくる。
そうは言ってもココだけなんとか!
って場面ね。
あるよね。
その場合、僕はハードルを下げることを推奨する。
例えば書字が苦手なら、書く量を極力減らすとか。
発表が苦手なら、みんなの前じゃなくて先生だけにしてもらうとか。
給食だけ保健室で食べるとか。
プールは見学とか。
席替えとか。
『合理的配慮』ってヤツね。
どーしても苦手なことは、うまく配慮してもらってください。
ハードルは、どんどん下げればいいと思う。
意識低くいこう!
そこは、上手に工夫してほしい。
ハードルを下げるからには、下げる理由と目的を明確にする。
「こういう理由で、こんな目的で、この部分を配慮してもらってます」って、本人・学校・保護者が共通理解を持つ。
その代わり、他の宿題はちゃんとやりましょう。
みたいにね。
要は本人がおミソ扱いされてると感じなければいいわけ。
できることはしっかりやる。
自信を持てるように、上手にバランスをとってください。
結構聞く話なんだけど。
聞けば、書字が苦手で漢字の書取りを減らしてもらったと。
なのに、それすらやらない。
みんなの前での発表がどーしても無理だと言うので、別室で先生とマンツーマンにしてもらった。
なのに、それでも無理とか。
配慮してもらったのに、ワガママすぎる!
ね。
せっかく配慮してもらったのに。
先生が歩み寄ってくれたのに。
本来ならやるべき課題を免除してもらったのに、それすらやらないって。
ないわー。
ちょっ、マジ、ないわー。
わかる。
でもさ。
酷なようだけど、
大人にできるのはハードルを下げるところまで。
下げたハードルを跳ぶかどうかは、本人次第。
だと思うんよ。
『馬を水辺に連れていくことはできても、水を飲ませることはできない』
っていうじゃん?
そういうこと。
大人にできるのは、ハードルを下げる目的を、本人にちゃんと説明すること。
本人の納得いく高さにハードルを設定すること。
でもまったくやらないのも、あなたは気まずいのよね?
じゃあ、他の宿題はきちんと提出する方がいいよね。
そこをお互い納得した上で、「漢字の書取りは半分、他はフルでやる」と決めるのが良い。
このやりとりなしに、
と言っても、子どもの納得は得られなさそうだ。
ちゃんと説明し、お互い納得するのが良い。
それでも。
ちゃんと説明し、本人も納得した(はず)。
なのに、その上でダメってとき。
これは、「そういうこと」だ。
大人はハードルを下げることはできるが、無理やり跳ばせるのは無理ってこと。
※家庭のルールとか社会的なモラルとか、絶対に守ってもらいたいことはこの限りではない。ちゃんとやらせてください。「腫れ物扱い」はしないでください。ここで言ってるのは、勉強とか宿題とかイベントとかの、本人のために行う活動についてね。
※もちろん、親子関係がある程度ちゃんとしている前提です。関係が崩れているのにこれを適用すると、感情的な駆け引きに使ったり、ぐっちゃぐっちゃになることが予想されます。
他のことでもそうだと思う。
受験勉強、友達関係、習い事、生活態度など。
ハードルを下げることはできる。
でも、跳ぶかどうかは本人次第。
ここのコントロールはできない。
だって、別の人だもの。
大人は大人のやるべきことをやって、でも本人がやらないのなら、それは無理。
本人がなんとかするしかない。
必要になったら自分でなんとかするでしょ。
ほっといて、マリトッツォでも食べに行きましょ。
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本人の納得が結局物を言う。
それは子どもも親も。と実感しました。
愚痴を吐かせて頂いたこともあるのですが、警察沙汰から判明した発達障害児(当時小4)。衝撃的な発達障害児の親デビューから約1年になります。
その間に4度の入院(うち2回は一時保護)という、希なケースだと思います。
先月に4度目の退院をしました。
ただ違いが1つだけ。
1~3回目の入院と4回目で主治医が変更になったこと。(医師の勤務形態の事情で変更)
基本方針は同じ(誤学習修正の為、暴力あれば入院)なのですが、医師と保護者間の納得、信頼が全く違います。
前主治医はふりかえりなし。改善は繰り返し入院することにより学ぶ他ない。
のに対し、現主治医は入院中に、何故怒れてしまうのか、どうしたら良いのか本人に考えさせ、課題に取り組ませ出来たらご褒美。という取り組みも。
面談で何が出来るようになって欲しいか聞かれ、自分で靴下を履くと母は答えました。
ある日、着替えを手伝いを頑固拒否したら、癇癪起こして壁に穴をあけている。
話す余地なく、入院以外の方法の提示がない前主治医を信頼することは出来なかった。
しかし、今の主治医は信頼していて方針に納得している。
この違いは大きい。
盲目の子どもにとって、ハードルをとべるかどうかは、一緒にハードルをとぶ伴走者を信用出来るかどうかだと思います。
一人ではとべなくとも、信用出来る伴走者と一緒なら可能になる。
そして、伴走役の母の側には頼れる専門家が居ます。
現主治医にオーダーしてもらってカウンセリングも受け始めました。
母が安定すると子も安定する。
息子の特性は相変わらずで易怒があるけれど、修羅場がなくなりました。
全部読みました。納得することばかりでした。
高校生の不登校について先生のお考えを聞かせて
頂けないでしょうか。同じように考えていいのか、
高校生のはまた違った見方が必要なのか。
機会があったらお願い致します。
ハードルの先に、楽しいことあったら
たまに飛んでくれてる気がします。
あとは、見守るしかないんですよね。
これ、忘れないようにメモします!頭にいれときます!ほんとそうですよね。ハードル下げたのに怒、、、ってことにならないように、気をつけなくちゃ!先生、いつも大事なこと気づかせて下さってありがとうございます!