ペリーはどこから来るのか。
マシュー・ペリー
マシュー・カルブレイス・ペリー(Matthew Calbraith Perry, 1794年4月10日 – 1858年3月4日)は、アメリカ海軍の軍人。
江戸時代に艦隊を率いて鎖港をしていた日本へ来航し、開港への交渉を要求したことで知られる。来航当時の文書には「ペルリ(漢字では彼理)」と表記されていた。
(wikipedia)
いや、フツーにアメリカでしょ。
いやいや、そうじゃなくてですね。
ここではペリー提督は関係なくて。
不登校とか発達障害とかの子を育てる親御さんがよく言う、
とか、こういうの。
「ママ友」「義両親」「みんな」「普通」「常識」「〜すべき」みたいな、有象無象の何か。
あるのかないのか、いるんだかいないんだか分からないけど、とにかく親子の足を引っ張ってくるような、後ろ指をさしてくるような存在のこと。
人とは違う子どもを育てるなら、
人とは違う親にならなければなりません
(エレイン・N・アーロン)
↑何度も書いている、これが僕の結論。
腹を括って、人とは違うその子を受容していくしかない。
そうなんだけど、一旦腹をくくったつもりでも、ふとした折にまた不安になる。
後ろ指さされているような、このままじゃとんでもなくダメになっちゃうような。
黒船が来たぞー!
ペリーが来たぞー!
↑コレね。
コレをペリーと呼んでいます。(僕が勝手に呼んでるだけです)
でね。
気持ちはわかる(ような気がする)んだけど、僕のところにはペリーは来ないんだ。
「普通」とか「常識」とか、割とどうでもいい。
自分の判断軸からずれていたら「ハイハイワロスワロス」で終了。
あまり気にならない。
SNSも、さっぱり興味がない。(そもそも友達いないんだった)
自分さえよければそれでいいと思ってる。(クズだ)
僕のツラのカワが広辞苑ばりに厚いだけかもだけど、でもこの感覚の違いには以前から興味を持っていた。
ASD特性によるものかと考えたけど、どうやらそれだけじゃなさそうだ。
今までの人生で、ASDっぽくないのにペリーが来ない人って結構いたし。
外来の親御さんも、ペリーめっちゃ来る人と、ほとんど来ない人といて。
こっそり、興味深いと思っていた。
この謎について、僕的に合点のいく説明を耳にしたので説明させてください。
なんかね、日本人は不安になりやすいんだって。
脳のセロトニンって物質が少ないと、不安になるらしい。
セロトニントランスポーターが少ない人が、日本人はめっちゃ多い(8割)らしくて。
結果セロトニンが少なく、不安を感じやすい国民性なんだとか。
まぁセロトニンの話はどーでもいいんだけど、日本人は不安になりやすい人が多いってとこだけ覚えておいて。
なぜかというと、助け合わないといけない環境だったから。
以下説明。
例えば、食糧が少ない地域に住んでいるとする。
獲物(イノシシとかマンモスとか)が獲れるか獲れないかわかんないじゃん?
獲れなかったら飢えて死ぬじゃん?
じゃあ獲れたときにはみんなにお裾分けして、恩を売っておく。
その分、獲れない時はみんなから分けてもらう。
この作戦が、生き延びる確率が高そうだ。
江戸時代とか、みんなで協力してお米作ってたじゃん?
五人組とか連帯責任とか、あったじゃん?
ズルしたら村八分じゃん?
生きていけないよね。
日本は島国で食料が豊富じゃないし、天災も多い。
だからみんなで助け合う仕組みが発展した。
らしい。よく知らんけど。
で。
この仕組みに協力しないとどうなるか。
そう、死ぬよね。
例えば僕ってば協調性が皆無なんだけど、もし縄文時代に生まれていたら、きっと死んでる。
運動能力が低く獲物とれないし、加えて協調性もない。
割と詰んでる。
江戸時代でも死んでる。
連帯責任なのに自分だけズルして、村八分にあってるだろう。
僕は平成生まれで本当によかったと思ってるんだけど。(サバ読んだ!) (お前昭和だろ)
こうして、空気を読んで周囲と協力できる個体が多く生き残る。
協調性の高い個体が増えていった。
つまり、日本人は不安が強い。
特に「自分だけズルしてるんじゃないか」「周囲からどう思われるんだろう」という不安が強い。
ズルして村八分にされることを、遺伝子的に非常に恐れるわけだ。
ちなみに外国では、食料が豊富な地域は不安が小さいらしい。
アメリカ人とか、フロンティアスピリッツ! って感じじゃん?
なんか自由な感じじゃん?
よく知らないけど。
フランス人とか、各々みんな自由で、芸術とかすごくて、トレビアーンなイメージがあるよね。
知らんけど。
パンダとバナナの話にも繋がってくるのかなと思った。
※余談だけど、だから外国の不登校対応を日本にそのまま当てはめてもうまくいかないと思う。国民性が違うから。
ペリーが来やすい人が、日本では多数派。
多くの人は、不安になりやすい、つまりペリーが来やすい遺伝子を持っているらしい。
みんな浦賀。
へー、遺伝子で決まってるのか。
ならしょうがない!
そうなんです。
しょーがない。
ペリーが来るのは、遺伝子的にしょーがないんです。
浦賀なもんで。
※もちろん環境も大きいと思う。親が世間体を気にするタイプなら、子も同じ価値観を引き継ぐだろうし。この継承を強化するのが「不安の強さ」、つまり遺伝子の要素なんだと思う。
でもさ。
冷静に考えると、今の日本で飢えて死ぬってことはなくない?
協力しなくても、ズルしても、一応生きていける。
生活保護もあるし。
でも、不安がそれを許さない。
みんなの輪から外れることは、命が脅かされるかのごとく不安。(←これがペリー)
理に適ってないじゃん?
社会の仕組みが変わってるのに、遺伝子の変化が遅いのだ。
時代の流れは、多様性を許容する方向だ。
不安遺伝子は今の時代にそぐわない。
必要以上の不安を抱えてしまう。
一昔前は有利に働いた遺伝子が、現在ではマイナスに作用するってこともある。
そこまで気にする必要ないのに、どうしてもペリーが気になってしまう。
不登校とか、めっちゃペリー来ちゃうわけだ。
だからね。
僕からの提案はこれ。
理屈でねじ伏せる!
不安になるのは仕方ない。
ペリーは気になる。
浦賀だもんで。
でも今は令和だ。
そこまで気にする必要はない!
理屈を知っていると、少し客観視できません?
僕はそうなんだけど。
自分は遺伝子的にペリーが来やすいんだけど、でも今の状況にはそぐわない。
理屈で知っておくと、ちょっと楽になる。
ペリーは不安から来る。
そして不安は遺伝子から来る。
僕は多分、ネガティブだけど不安は小さいタイプなんだろうなーと思う。
だからペリー来ないんだろう。
あなたはどうでしょう。
自分の不安が強いのか弱いのか、自覚しておくこと。
そして状況と照らし合わせ、知識で判断すること。
これで人生の舵取りがちょっとラクになるかもしれない。
ペリーも国に帰るかもしれない。
View Comments
いつも楽しく読ませていただいてます。ありがとうございます。
とにかく「ペリーに負けず」「家を居心地よく」ですよね。
小児科の先生のお話ですが大学生、社会人にも共通する考え方を教えられていると思っています。薦められていた金馬宗昭さんのひきこもりの道案内も読みました。
大人だけれどつまづいている人のため、お勧めの本やブログなど、教えていただけないでしょうか。玉石混淆の情報から素人が宝石を見つけ出すのは難しい。先生のブログに出会えたのは奇跡です。図々しいお願いですがもしも、もしもできましたら。よろしくお願いいたします。
いつも先生の記事を読むのが楽しみです。
人とは違う個性的な子供2人しか育ててないのになかなか人とは違う親にはなれなくて毎日、自問自答してます(笑)
我が家のHSCの中学一年の娘は小さい時から不安が強いです。
周りから見ると勉強も人間関係もスポーツも何もかもそつなくこなせてるのに本人だけが自己肯定感が低く、いくら誉めても上がってこない(笑)
しかも今は不登校なので毎日いろいろ考えて考えて負のループに落ちているようです。
私が不安が全くわからないタイブなので「私は社会不適合だ」と言う娘をかわいそうとしか思えません。
ただ私まで彼女の不安に巻き込まれてたら我が家は真っ暗闇になるので今日も学校行かないのに自室でテスト勉強してる素晴らしい娘を横目にさっさと庭の草刈りをしてました❗
不安は遺伝子の問題、私が何をいってなぐさめても効果がでなくても仕方ないと思えました。
こんにちは。
過去記事すべて読んでます。
無料でこんな記事読めて、嬉しいです。
なんてお得なの。
ところで、エレイン・アーロン?
エイレン・アーロン?
めっちゃどうでもいいのに、
前から気になっていて。。。
理屈(理性と知識)大事ですね!
私は常に思考が渦を巻いてしまうタイプなので、不安を理屈でなだめた後は、思考の行き先をずらす様にしています。
例えば、長時間のYouTubeが心配なのは当然。でも、①心を許せる友達がいない状態の子供にとっては、自分がどう見られているかを気にせず、安全な所から世界を覗き見る事ができる優れもの。自分が興味を持つものをじっくり探す事ができる。②人間は言葉を使って考える生き物。子供時代は語彙の習得の黄金期。③自分が楽に生きるためには、自分が楽しくて、魅力的に見えるのが一番。人気ユーチューバーはその道のプロ。自分が楽しみながら、魅力的な振る舞いや言葉の使い方を見せる。
そして、自分で選んで面白いと思って見たり聞いたりしている物からは、結構色々なものが自然に身に着く。
今がこうだから先はこうなるかもしれないという不安を完全には消せなくても、今があるから幸せな先があるかもしれないと同時に思うことはできる。明るい目と暗い目を同時に持つ事はできる、と、近々遠近両用眼鏡が要りそうな、この年になって思います^_^。
出来ないことは出来ないで良い
友達はその場その場で良い 男でも女でも、あるいは人間でなくても良い いなくて良い
人に会ったら元気に挨拶をする
それ以上もそれ以下でもいけない
当事者にならなくて良い
現実世界や頭の中でペリーが出てきた時に、いつも呟いている言葉です
どうでも良いか。で生きてきました。
先生のブログで文字に出来ました。
ありがとうございました。
"みんな浦賀""浦賀だもんで"にツボってしまいました(笑)
アーロン先生の名言に続いてこちらも胸にきざんでおきます(笑)
今日の記事を読んで、少し気持ちが軽くなりました。
私はペリーが襲来すると(私の中で1番のペリーは幼稚園の先生)→私「もっと開国ですか…?そうしないと将来心配と…そうですか…はい…解りました、家庭でも工夫します…。」→モヤモヤ→…これはハイハイワロスワロスだな!→子供に伝える必要が無いことは言わない。
という流れになってはいるんですが、実はモヤモヤをワロスにするのに眠れないくらい悩みます…。
気持ちでは普通の親のままでは子供達を育てられないと腹を括っているけど、いざペリーに会うと普通の親のふりをしてしまい、ペリーもたぶん普通の親だから力になりたいと思ってるっぽく、ご意見が辛いなという事があります。
これからはペリーと話してモヤモヤする前に、お互いのセロトニン不足を考慮した内容で受け止めて、モヤモヤを減らしたいなと思いました!
日本にいた時には特に意識していませんでしたが、海外に出てくると自分がどれだけ普通とか常識とか同調圧力とかにがんじがらめになっていたか実感します。
こういった不安やストレスへの耐性も科学的に証明できるのですね。
セロトニントランスポーター、とても興味を持ったのでググってみました。
セロトニントランスポーターが少ない(不安を感じやすい)人の割合が高い順に、アジア(特に日本!)>欧米>アフリカ(南アフリカのデータのみ)という感じになるみたいですね。
私の周りを思い返してみても、う~わかるかも~(笑)って感じです。
確かにそういう理屈が分かっていたら、不安になったときに「あ、今セロトニンが少なくなってる」と意識することで不安を頭から意識的に追い出すことができるかも!
私は縁あってトレビアーンの国で出産子育てしていますが、皆さん自己主張が強い上に、特に都市部は多民族で常識や普通の感覚が本当に人それぞれなので、日本ほど世間体を気にせず自由に暮らせているように思います。
でも、日本人の私はその自由や自己主張の強さそのものにこの国の同調圧力のようなものを感じてしまう。。自由で強くないと、自己主張をしないと受け入れてもらえないと思ってしまいます。
この考え方、捉え方が日本人特有のものなんでしょうね。フランスにもペリー来た~!!!って感じ。遺伝子って恐ろしい。。
これからは不安が襲ってきたら、「セロトニン枯渇中だから不安になっているんだな、遺伝子のせいだな」と自己分析しつつ、「ハイハイワロスワロス(なんかこれを頭の中で唱えたら真剣な悩みもどうでもよく思えそう)」で乗り越えたいと思います!
今日のお話も心が軽くなりました。
ありがとうございます。
理由がわかるとそれだけでも気が楽です。
理由がわかったからといって例え解決策が見つからない(かった)としても、
視界が少しクリアになる。
親子共に不安感が強い方だと自覚しているので、それが遺伝子レベルだとしたら「しゃーないやん」と少し気が楽になりました。
遺伝の話で思い出しました。
私は身長が高い(両親共に高い)のですが、若い頃「でかい」と言われ小さく見せようと猫背になっていたことがあります。
姿勢が悪いと身体がおかしくなりました。(苦笑)
でも北欧に旅行したら、私より大きい人がほとんどで「なんや、あほらし」と悩んでいたことが気にならなくなりました。
話がずれてしまいましたが、
自覚することと同時に、環境や比較対象によって受け取り方も違うんだなと思いました。
末っ子に対してはそんな風に思いませんが、
自分自身に対しては「努力が足りないから『普通』にできない、もっと頑張らねば」と思ってました。
不安感が強い者にとっては、「普通にする」のに「普通の人」よりかなりエネルギーを使っているんだなと思うと、
末っ子が疲れてぐったりしたり、いろいろ痛くなるのもわかるなとも思いました。
本来の私はマイペースで一匹狼行動が楽なのに、
転勤の多い生活で3人の子を育てるのに周りのおかげでなんとかやってこれたので、
「周りに見放されると生きていけない」くらいの恐怖心をいつしか持つようになって、周りが気になる、不安感が強くなったのかなとも思いました。
末っ子の症状が出たのもクラスが賑やかを通り越して荒れていたことがきっかけです。
環境調整をしてもよくなったり悪くなったりを繰り返しています。
根強いです。
自分のことばかり書いてしまいましたが、
子ども達に機嫌や体調までひっぱられるように私も子ども達に影響を与えてしまっていると思うので、
自分のこともしっかり観ていきたいなと思いました。
読んでくださりありがとうございました。