よその子はいろんなことが出来るようにいなっている。
あんなことも、こんなことも。
でも、ウチの子は出来ない。
あんなことも、こんなこともーーーーー。
子どもの成長(発達)って、どんなイメージですか?
生まれて、首が座って、寝返りをして……。
こんなふうに、出来ることが増えていくイメージでしょうか。↓
歩いて、
言葉を喋り、
指示が通るようになって、
友達とおもちゃの貸し借りができ、
ルールを共有して遊べるようになって、
45分間の着席、
方程式が解け、
状況に応じてうまくふるまう術を身につけて……。
昨日より今日、今日より明日。
薄皮を剥ぐように、少しずつ上手になっていく。
そんなふうにひとつずつ順番に出来るようになるイメージでしょうか。
僕は違うと思っていて。
子どもの成長は、こうだと思う。↓
階段状。
それまでできなかったことが、ある日急にできる。
1日目:立てない
2日目:指先を床につけた
3日目:足の裏を半分までつけた
4日目:べったり足をつけたけどすぐ転ぶ
5日目:1秒保持
6日目:2秒保持
7日目:ついに3秒!
↑じゃなくて。
1日目:立てない
2日目:立てない
3日目:立てない
4日目:立てない
5日目:立てない
6日目:一瞬立った?
7日目:普通に立っておる!!!
↑こっちが近いように思う。
8日目:立ったと思ったらもう歩き出す⁉︎
↑こんなこともあると思う。
子どもはこんなふうに、階段状に成長する。
だから停滞しているときは心配になる。
成長が見えないと不安になる。
そりゃそうですよね。
でもしばらくすると出来るようになっており、安心する。
定型発達の子で上記。
これが、発達特性のある子だとこうだ。↓
階段デカッ!
階段は階段なんだけど、1段がめっちゃデカいことがよくある。
だから、時期によってはいつまでたっても成長しない。
ずっと平地。
他の子は、ひとつずつ出来るようになっている。(ように見える)
なのにこの子ったら、3ヶ月前と全然変わらないんですけど……。
階段が大きいので、「その時」がきたら一気に成長する。
急にできるようになる。
親御さんもびっくり!
あぁ、この子は大丈夫なんだ。
むしろ、他の子にない才能があるのかも。
ひょっとして天才かも⁉︎
そんなことを考えちゃったり。
でも安心したのも束の間、そこでまた停滞する。
時間の経過とともに、クダンのものとはまた別の、我が子の不得手な部分が見え始める。
あの時の喜びは忘れ、また不安になる。
発達特性のある子。
発達障害の子でも、グレーな子も、ギリギリchopも、デコボコも。
これを読んでいる方のお子さんには、多少なりとも発達特性があると思うのだけど。
この子たちは、停滞する時間が長いように思う。
溜めて溜めて、一気に成長する印象がある。
僕みたいに久しぶりに会う人間には、その成長がよくわかる。
3ヶ月ぶりに外来で会うと、出来ることが増えていて驚かされる。
お母さんすごいですね!
前回はコレ出来ませんでしたよね!!!
僕は興奮気味にそう言うんだけど、お母さんは釣れない反応。
喉元過ぎればなんとやらで、親御さんは忘れてしまう様子。
「〇〇ができない!」ってあんなに悩んでたのに。
どうやら平坦な時間が長いと、「この子全然成長しないわ」という印象が勝ってしまうようなのだ。
出来ることが増えて喜んだのも束の間、別の「出来ないこと」に目が行ってしまう。
ちょこちょこ成長が見られると、なんとなく安心して過ごせる。
でも平坦な時間が長いと、不安の方が大きくなる。
一気にジャンプアップすると、出来るようになったありがたみが薄れるというか。
ちょこちょこクリアする方が達成感が得られるというか。
うまく説明できないんだけど。
お金でも、1回ドカンとより、毎月安定してもらうほうが、なんかありがたみがある。
同額のお給料をもらうにしても、年俸より、月給でもらったほうが達成感があるでしょ?
「今月ももらったありがとう!」
って感じがしない?
モテ期にチョコを100個もらうより、人生を通して毎年3個ずつもらう方が嬉しいってゆーか。
新幹線より各駅停車の方が『旅感』が強いとゆーか。
コミックスでまとめ読みするより毎週ジャンプで読む方が唆るぜこれはってゆーか。(今Dr.ストーンにハマってる)
そんな感じで、階段が小さい方が成長が実感しやすい。
ゆえに発達特性のある子の親御さんは不安に思いやすいんだと思う。
ってことで、子どもの成長を他の子と比べても意味がないと思う。
発達の早い遅いはあるし、階段の大きさも違う。
※もちろん発達障害の子は成長がゆっくりです。グラフの傾き、角度が定型発達と比較してゆるやか。でも絶対に右肩上がり! どの子も絶対右肩上がり!
過去のその子と比べる。
すると、100億パーセント出来ることが増えている。(Dr.ストーンにハマってる)
子どもは成長する。
絶対に出来ることが増えているはずなのだ。
その、出来るようになったことをきちんと見つけて、褒めてあげてほしいなと思う。
発達特性のある子は階段がデカい
子どもの成長を見守るときに、これを知っていると気持ちが楽になるのではないかと思った。
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先生のおっしゃる事、すごくよくわかります。
そして、我が子の場合。
急激に伸びる少し前に不定愁訴があったり、
メンタルがかなり不安定になったりして。
半歩戻って助走つけて階段登るイメージです。
定型発達の子って、多分ある程度の年になれば、周りの子が何をしてるかを見て、自分でもそれをしないとって思いますものね(思いが強すぎると、それはそれで後で問題が生じます)。普通の子が登る階段に今は興味はなくて、でも裏山を登るのは好きな子がいたら。裏山を登る事で、段差を登るのに必要な筋力やテクニックは自然と身についているので、自分から階段を登る気になったら、すんなり登れます。親がさせたい課題って、階段のようなものなんだな、とブログの記事を見て思いました。
確かに。先生のおっしゃる通りです。
発達グレーな息子は、みんなが出来ることが出来ない時期が長くて、ある日急に一足飛びに年齢以上の事が出来るようになって。親バカな私が「うちの子、天才かも」って喜んでると、また周りの子が普通にできてることが出来ないって事が新たに発覚して。私落ち込む、という繰り返しです。これも、特性があるからだったのですね。息子の成長に一喜一憂する親バカな私は気持ちのアップダウンが激しくて、精神的ジェットコースターに乗ってる気分だなぁとずっと思ってました。
なるほど確かに言われてみれば、そうかもです。
正比例に成長していく。と思い込んでました。
ありがとうございます!