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「親を支援する仕組み」について僕の考え

このブログでは、困った子(不登校とか起立性調節障害とか思春期とか発達障害とか)の話を書いている。

主に診察室から見えた風景。

そこから考えた僕の考察を発信してるんだけど。

 

子供を支えるには、まず親御さん(主にお母さん)を支える必要がある。

 

という結論に行き着く。

 

なのに母を支えるシステムとか親への支援とか労いとかの制度がない!

 

そう、なんですけどね。

そういったコメントをよくいただくのですが、個人的にちょっと困ってる……という話です。

 

子供を支えるために、親を支える

 

子供を支えるには、まず親御さん(主にお母さん)を支える必要がある。

 

これに異論はない。

親御さんが安定しないと、お子さんは安定しない。

親子は響き合うからね。

 

そう、なんだけどさ。

 

なのに母を支えるシステムとか親への支援とか労いとかの制度がない!

 

これを言われちゃうと、正直困っちゃうんですよ。

 

ブログのコメントでもよく書かれる。

正論だと思う。

 

んだけど、僕には何もできねぇ!

 

 

正確には、何かする気がないんだ。

もうこれは、僕の人間性の問題だ。

そういうシステムを構築するとか、ブログで発信するとか、教育委員会? 文科省? の偉い人に進言するとか、そういった気がまるでないの。

 

もう、完全に性格。

クズの性格。

 

僕は、

今ある環境・与えられた選択肢の中から、最前の手を打つ

という考えが好き。

社会的背景がーとか、教育システムがーとか、男女の性別役割の固定観念がーとか、キョーミないの。

興味ないし、自分には変えられないと思ってるし。

 

自分にその力はない。

気付いた人、行動力がある人がやってくれれば良いと思っていて。

自分でなにかしようという気がサラサラないんだ。

 

あと、正直子供が良くなればそれでよくて、親御さんは二の次三の次……。(あ、クズだ)

あくまで子供のために、親御さん向けにも話をしているだけで。(クズだわ)

 

 

お母さんを支えるというと、

  • 寛容な社会
  • 少数派を受け入れる場所
  • 配偶者の協力
  • 母の息抜きの場
  • 同意して肯定してくれる支援者

とか、そんなものが必要でしょうか。

 

分かるんだけどさ。

でも僕にはどれも提供できない。

 

いや、結構がんばってる方だと思うよ?

受診された親御さんの話を、僕は一生懸命聞いている。

同意・肯定して、保証して、できる限り力になろうとしている。

ふざけた小ネタとか、絶対に挟まないし。

持論の展開もまずしないんだよ、リアルでは。

 

でも、そこまでだ。

目の前に現れた人の力にはなるけど、社会とか教育界とか世論とかに一石を投じる気は全くなくて。

 

だから、冒頭のようなコメントをいただくことに対して、

申し訳ないが、僕には何もできない!

というのがホンネだ。

へんじがない ただのしかばねのようだ ってこと。

 

僕にできること

僕は世界を変えられない。

一角うさぎだからね。(マドハンドじゃなかったの?) (かわいこぶりやがって)

 

僕から提案できるのは、

今ある環境・与えられた選択肢の中から、最前の手を打つ

という考え方だけ。

 

選択肢にないんだもん、じゃあしょうがないやという考え。

ないものはない。

新たな選択肢は、思いついた人が作ってくださいお願いします。

という他力本願なクズだ。

 

前から書いてるけど、僕はクズだよ?

ただのクズ。

社会の仕組みがーみたいな意識の高い主張をされちゃうと、見て見ぬフリをするからね。

信号無視? めっちゃするよ!

仮病? 超使う!

 

 

社会を変えることはできない。

僕はね。

 

だから、僕からの提案は、自分を変えようってこと。

周囲の無理解を嘆くより、自分の考え方を変えた方が早い。

 

子供が困った状態になっている。

その時にパニックになっても、きっと誰も助けてくれない。(現状そのような社会なんでしょう?)

そうじゃなくて、「なぜこの子はこのような行動をとるのか」「なぜこんなことを言うのか」「親に期待することは何か」とか理論的に考える方が良いと思う。

そのヒントをブログに書いているつもり。

 

親御さんについても、落ち着いて状況を見たり、別の角度から考えたり、自分のやり方でうまくいかなければ人の意見を聞いたり、頼れるところは人を頼ったり。

その方が成功率は上がると思うし、親御さん向けの提案もたくさん書いてきたつもり。

 

 

親御さんを支えるシステムがないのは問題だと思う。

でも、ないものを嘆くより、自分を変えることでカバーできる部分って大きいと思う。

親御さんが不安なら、何が不安で、なぜ不安で、その不安って妥当なものなのか、とかね。

今疲れてるなーと理解して、積極的に休むとか。

旦那さんに文句があるならブチ切れて、その後しっかり話し合うしかないし。(それでダメなら離婚だし)

物理的にしんどいなら、お金で解決したり、使える手段を探すとか。

 

仕組みがないなら、自分で自分を支援する!

 

それが難しい状態に陥っているのは承知。

溺れていっぱいいっぱいの状態ってわかってるんだけど。

 

でも、溺れるとさらに溺れるからさ。

助けがないことを嘆くより、周囲をよく見て掴むものがないか探す方が勝率が高い。

その方が僕にとっては建設的なんだよ。

あくまで「僕にとっては」で、助けを呼ぶシステムを構築する方が建設的と考える人もいる。

それはそういう方にお願いしたいと思っている。

 

まとめ

ってことで。

仕組みがないなら、自分で自分を支援すればいいじゃない

というのが僕の考え。

 

なので、「親の支援の仕組み」についてのコメントは控えていただけるとありがたいです。(書いてもらってもなにもできないのです) (今までコメントをいただいた方スミマセン。)

あくまで個人のブログだからね。

同様に、「社会」「システム」「配偶者」「学校」「ペリー」みたいな変えられないものに対する不満ついても、僕はただのしかばねです。

pediatrician-p

View Comments

  • P先生のこのブログが心の支えです。ブログを書いてくださっているだけで十分支援していただいてますよ。

  •  P先生、いつもありがとうございます。

     P先生に何かしてもらおうとしてコメント書いてる人は多分いないと思います。
     変えられるかも知れない事に対して試行錯誤する気力もない、変えられない事を意識から締め出して自己肯定感を上げる事に注力する気力もない。重荷でいっぱいいっぱいの親御さんが、ここに愚痴を吐きだして、このブログを読んでいる同じ境遇の親御さんに共感してもらえるかもと思うだけで、一時的に体が軽くなって、またしばらく頑張れるケースもあるのでしょうね。変わろうとせず、変えられない物をずっと嘆き続ける親の姿は、子供が前を向くのに悪影響だと思いますが、そんな人は先生のブログから自然に離れて行くでしょうし。

     ただ、ここ掲示板じゃなくて個人のブログですものね。もしP先生が、「自分ではどうしようもない社会の仕組みに関する嘆きを聞き続けるのは、本物の仕事中だけでお腹いっぱい。しんどい」と思われるなら、ご遠慮くださいでいいと思います。例えばですが、コメント記入欄の四角の真上にでも大きなフォントで、○○、○○、○○などに関するコメントはご遠慮くださいと書いておけば、新しく読者になった人にも分かりやすいと思います。
     仕事中の親御さんからの訴えで腑に落ちない所のヒントが、匿名コメントを観察していればわかるかもしれない、自分の返事を期待されてないなら、書かれても構わないと思われるなら、そのままでもいいし。

     仕事を忘れて楽しかるべき日曜日に、こんな困ってますの記事を書かれているのが、気になりました。私達がP先生のブログから勇気をもらっている様に、P先生にとっても、このブログが稔り多き物になる様、願っています。

  • 私は医師がきっちり自分の守備範囲を守って、専門外の話に言及しない姿勢にむしろ好感を持ちますよ!
    親の都合もあるのは分かるけど、あくまで対象は子供を診てるということですよね。

    それに守備範囲を拡げ過ぎて、子供の自己肯定感も上がるし親も幸せにしちゃうよ!なんて自らブログで書く小児科の先生は怪しいですもん 笑

    でも私はこれまでP先生のブログを読んで、それまでは表面的な子育てテクニックだけを繰り返して迷走する毎日だったのが、自分の内面や価値観を考えて、変えられる所を変えていくようにしたら、自分の心がなんだか柔らかく温かくなって、穏やかに子供を見守れるようになったと思います。

    いつもためになる記事をありがとうございます!

  • 無いものを作るのは大変労力を要すると思います。
    それなら、有るものを最大限に活用したら良いと思います。
    だけど、有るものを知るのも結構大変だったりします。

    やっと母の相談先にたどり着けたんですが、色々な機関にお世話になっていたのに、何処も教えてはくれませんでした。(病院以外は公的機関を活用)

    コメントなんて所詮親の愚痴です。
    P先生が変えられないと困る必要もない。

    うちの主治医は親の話なんてほぼ聞いてくれないので
    P先生がリアルで話を聞くだけで、親は救われると思います。

    そして、親の愚痴コメントを記載する場所を提供するだけでも、救ってると思います。

  • その通りだと思います。
    起立性調節障害で不登校男子と重度心身障害児(重度脳性麻痺)の二人の中学生男子の母です。
    よく、障害者に対する偏見のない社会を!と活動される障害児保護者の方がいらっしゃいますが(たくさん見てきました)、偏見のない社会はおそらく一生かかっても実現しないと思われます。
    社会の偏見なんて気にせず、楽しく毎日を送るほうが早いです(笑)
    でも、自分が周囲を気にせず明るく生きていれば、周囲の目も自然と変わっていきますよ。
    自分と、自分の周りを変えることしか出来ないけれど、それで自分から見える世界が変わるんです。
    不登校もおなじかな、と。
    いつも興味深い記事をありがとうございます。

  • いつも更新を楽しみにしています。
    私は小3男子(ADHD+LD)小6女子(HSC)を持つ母です。性格が真逆な2人と生活しております。もう母にとっては毎日修行のような日々です。
    しかも特性上、2人とも学校には合わず、2年近くいつもどちらかが行き渋り、不登校でここまで本当に大変でした。

    我が家は夫婦とも県外出身で近くに頼る人もおらず、一番子供たちが荒れてひどい時期は学校から「地域の民生委員さんに相談させていただきます」と言われ…
    正直この状態で家族以外の人が何かできるの⁉️と思ってしまいました。
    結局しばらくは県外に住む両親に交代で泊まりがけで来てもらって凌ぎました。私はいつもないカードを探すよりあるカードの中で勝負してきました…

    私も夫も普通に成長して普通に大学に行き、普通に就職して普通に結婚したので夫は「俺たちなんか悪いことしたかなぁ」とぼやくこともあります。

    私も悩むことも泣くことも多々ありますが、自分の考え方をかえると楽になりました。
    「少数派かもしれないけれどこの子達はちゃんと生きていける」「学校を我慢して通ってひどい二次障害を持つ大人にならなくて済んだ」

    今は珍しく2人が普通に登校しているので学校の先生は「お母さん、今までよく頑張りましたね。」とまるでマラソンのゴールしたようなお褒めを頂きますが、私は子供たちの特性がなくなった訳ではないのでたまたま今行けてるだけでまだまだ山あり谷ありだと思っています。

    本当は支援があれば一番よいとは思いますが、家庭の状態、子供の特性いろいろあるのでやはり難しいと思います。
    私は母親が笑顔でいられるよう外野にはとらわれない考え方をするように心がけてここまできました。

  • いつもありがとうございます。
    親支援=ピアサポートの部分が大きいのかなと思っています。居場所、仲間づくり。

    私も微力ながら当事者の家族として親支援に取り組んでいます。

    ただ、ボランタリーに任されている部分が多く活動でご飯は食べていけません。
    公ができないことは民で担う、で良いと思いますが資金面は大きな課題です。

  • 他の方も仰ってますが、「僕には何もできない!」と言いつつ、こうやって、親の価値観というか、世界の見方を変えるための方法をこうやってブログでシェアしてくださっているのが、最高の親の支援だと思います。

  • いつもありがとうございます😊
    ないものはない!
    本当にそうですよね。
    子供の不登校、高校転校を通して
    1度目中3の2ヶ月
    2度目高1の3ヶ月
    色々学びました(^^)
    1回目や以前は、いくら子育ての講義や本を
    読んでも、真意は自分にはそういう考え方や
    感覚がなかったので多分理解ができていなかったです。
    なかったんです。
    2回目でやっとこ少し理解できて、あぁ〜あの時はこうだったのねという感じででした。
    不思議と1度目に沢山読んでも出会えなかった
    不登校支援団体やお医者さん
    2度目では、出会えました。
    でも、あったけど見えてなかったのかも
    私は段階を踏んでいかないと、かわれなかった
    のだと思います。
    子供を通して自分を知って、良かった部分も沢山あります。
    ネット社会。
    探そうと思えば親を助けてくれる存在は沢山あると思いました。
    学校の先生達も私達親子を助けようと力を貸してくれました。
    ちなみにp先生のブログに出会ったのは2回目✨
    人生でおこることの全てには意味があると思って、頑張るではなく楽しんで生きたいです(^^)

  • 娘が不登校になった当初、文字通り、真っ暗闇の中で、私が娘を不登校にしてしまったと苦しんでいたとき、「子どもを不登校にさせるのは無理。不登校になるのはその子の特性によるもの」と論理的に説明してくれたP先生の言葉に、本当に救われました。

    親支援のシステムも必要かもしれないけど、正しい知識を得ることで、物凄く助けになると思います。

    だから、私は不登校で知り合った方には、P先生のブログをよくご紹介してます。

    行政にももちろん頑張っていただきたいですが、当事者で少しずついい情報を広め合ったり、できることから、世の中の偏見をなくし正しい知識を広めていけたらいいな。

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