「内弁慶な子」の相談を受けることがある。
学校ではいい子だったり、大人しかったり。
むしろ優等生だったり。
でも、家では態度がデカくて威張っている。
内弁慶:
家の中ではえらそうに威張っているが、外では意気地のないこと、またはそのような人。
学校では優等生とか内気。
でも家ではすごい。
すごいって具体的には、屁理屈、怠惰、偉そうとか。
場合によっては暴言とか。
でも学校では別人のように大人しかったり、素直だったり、頑張り屋だったり。
僕は基本的に、内弁慶は良いことだと思っている。
だって。
外ではいい子にしようと努めているってことでしょう?
どういうことかって。
外(主に学校)にはルールがあるし、秩序がある。
自分以外の人が大勢いる。
集団に属すからには、守るべき決まりや規範がある。
秩序を乱すとみんなに迷惑をかけるし、先生も困らせる。
それが理解できているからこその内弁慶だ。
ルールや空気を理解している証拠。
素晴らしい。
この時点で、
ウチの子しっかり成長してる!
と喜んでいいと思う。
学校で頑張って家でも頑張ったら、疲れちゃうからだ。
持たないから。
家は、自分を出せる場所。
多少ワガママでも、お父さんとお母さんは自分を見捨てない。
そんな安心感があるからこそ。
家族だからいいでしょ。
八つ当たりさせて!
甘えから内弁慶になる。
裏を返せば、「甘えていい場所」と認識しているからこその、家でのその態度だ。
安心している証拠。
「好き勝手して大丈夫な安全基地」と認識している。
家の環境が良い証拠。
喜んでいいと思う。
だから、子供が内弁慶に育ったら、子育てに自信を持ってよい。
「この子も立派な内弁慶ね、よしよし」とニヤニヤして良いと思う。
子供は「甘えさせろゴルァ!」と思っている。
外(学校)で頑張ってるんだから、家ではいいだろゴルァ! と。
子供にそう思わせる環境って、一言で言って素晴らしい。
そう、素晴らしい。
だって、子供ですよ?
子供は甘える生き物です。
甘える場所がないなんて、無理でしょう?
外(学校)は頑張る場所、家は甘える場所と理解できるお子さんを育てた。
もう、素晴らしいです。
ニヤニヤしてください。
ニヤニヤしてますか?
そうですそうです、ニヤニヤしててください。
だから、家ではできる限り目をつぶってやってください。
多少だらけても、言葉遣いが悪くても、ワガママでも、いいよ。
その分学校で頑張ってるんだもん。
でも。
そうは言ってもちょっとやりすぎで困ってますというご相談をしばしば受ける。
暴言とか物の破壊とか、弟妹をいじめるとか。
親御さんの都合を無視し、自分のペースで頼み事をしてくるとか。
叶わないと暴れるとか。
ウソでしょ⁉︎
たびたびこんな話を聞く。
親御さんがさすがに参っちゃう場合。
内弁慶は出来る限り甘やかして欲しいんだけど、でもそうは言っても……ってとき。
最低限のルールを決めてください。
内弁慶が過ぎる子で、親御さんを試している場合が時々ある。
「どこまでワガママ聞いてくれる?」
「こんなこともやってくれちゃう?」
「どこまで私のこと尊重してくれちゃう?」
子供の、普通の感情だと思う。
そうやって親のリアクションを見ながら、家庭内での自分の地位、ひいてはこの世界での自分の立ち位置を確認している。
それはいいんだけど、やりすぎちゃう時。
「え、こんなワガママも聞いてくれちゃうの?」
子供は、逆に不安になっているかもしれない。
「明らかに悪い子だから叱ってほしい!」
「でも今まで許してくれたのに、今回急に叱られるなんて納得できない!」
相反する感情で、自分でもにっちもさっちもいかなくなっていることがある。
自分を尊重してほしいし、親のことも尊重(尊敬)したい。
両立できない感情。
叱って欲しいし叱られたくない。
どーしたらいいのーーー!!!
……めんどくさいですよね。
でもそういう子、います。
僕はこの気持ち、分かる気がする。
自分の中で整理できずにぐっちゃぐちゃになって、気持ちの置き所が分からず、親に当たる。
それしか方法が分からない。
でも、八つ当たりした自分に自己嫌悪だし、親にもイライラされるしで、さらにぐっちゃぐちゃ。
内弁慶な子は、基本的に頭が良い。
世間のルールを理解している。
加えて、よく空気を読む。
「いい子」ですよ、間違いなく。
ニヤニヤするくらい「いい子」。
だから、厳しく叱責する必要はない。
むしろ逆効果だと思う。
感情的にならずに、でもビシッと毅然と叱ることをお勧めする。
事前にルールを決めておく。
家庭内で、「これは守ってほしい」ってルール、ありますよね?
とか。
ちょっとこれだけは守ってよ!
お願いだから!
ってこと。
出来る限り緩いルールにすることがコツです。
ゆるっっっゆるでいいです。
これなら守れるでしょ! って感じの、本人も納得できる内容にしてください。
そして、この範囲内であれば好きにさせる。
小言を言わない。
「ちゃんとする」を強要しない。(それは学校でやっているので)
で。
ルールを破ったとき。
親の余裕がなくなる前に、ビシッと叱る。
毅然と。
理路整然と。
例外を作らず。
叱られることで安心する場面って、実はあって。
腫れ物扱いせず、家庭のルールを守らせる。
そうすることで、自分も家族の一員だと自信が持てる。
なんでも許容される環境って、案外居心地が悪いんですよ。
自分は〇〇をやった → だからこの家にいる資格がある と納得できるほうが安心だったりする。
ダメなものはダメって叱ってくれる親御さんのほうが、尊敬できる。
※もちろん感情的ではなく、ルールに則って叱ってください。
内弁慶キッズは頭が良いので、親の矛盾によく気がつきます。
内弁慶は素晴らしい(親も子も)
世間のルールを理解して内弁慶に振る舞える子供は素晴らしい。
内弁慶できる家庭環境をつくった親御さんも素晴らしい。
もう、ニヤニヤしててください。
内弁慶は色々上手にできている証拠!
ニヤニヤしながら、しんどくならないようにだけ注意して、このまま内弁慶を続けてください。
ほらほら、ニヤニヤして。
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四歳児の息子が激しく多動で困っていました。しかし、今日学校の懇談会で先生に、学校ではおとなしいと聞かされて困惑していたところです。このHPを見て安心しました。
最低限のルール。
我が家では暴力振るったら再入院です。
でも暴力って認識にズレがあったようです。
殴る蹴る以外は暴力と認識していないようで体当たり。
しかも触っただけ、暴力じゃないと。
暴力振るってないのに何故入院?と
本人不本意で監獄入り。
内弁慶なんて私は大嫌い!!
母への依存も大概にして欲しい。
はい。愚痴ですよ。愚痴。
ニヤニヤしちゃってます!先生ありがとうございます!
息子が中学の時、その最低限のルールを作ろうと思って頑張ってましたが、母親が言った事から除外されていきました。
で、最近分かったのですが、言葉がけが大事だったって事
何々しなさい。ではなく、何々して損は無いよ。と言ったら案外素直にしてくれました。
本人曰く、上から目線で言われたら絶対しないらしい。中学生の時に分かっていれば、もうちょと楽だったのにな。
うちの子も、高校三年生です^_^
今日のブログとコメントを見て、大人になりかけのHSPって、「花さき山」のお姉ちゃんや双子のお兄ちゃんみたいだなって思いました(もう本は手元にないので、うろ覚えですが)。
中身はまだまだ子供なのに、色んな所で気を使って、誰かが悲しい思いをしない様に、我慢を続ける。そりゃ、うちでは反動来ないと、壊れますよね。
私は、外での気疲れをねぎらうつもりで、甘くしてます。結局する事は、甘やかすと同じなんですが。子供にも、なんとなく気持ちは伝わってるみたいです。
子供…
高校3年生ですが…どうなんでしょう。
あまりにも我が家にタイムリーな記事でした。
私の都合は無視して、自分のペースのみで頼み事をしてくる娘にブチ切れたばかりです。
外ではとてもいい子です。
空気読みすぎHSPです。
最低限のルール、ゆるいルールを考えてみようと思います。
先生いつも本当にありがとうございます!