小さすぎて、あなたはどうしたい? とか無理ゲーなんですけどどうすれば?
以前からちょくちょくいただく質問。
不登園や低年齢の不登校について、「こうすればいいよ!」という解決策とか特に持ち合わせていないので、敢えてスルーしてきた。
でも、やっぱり定期的にコメントをいただく。
「不登園ですがどうすれば?」
解決策はないんだけど、これだけ聞かれるんで、思うところを書いてみる。
不登園。
保育園、幼稚園に「行きたくない! 行かない!」ってやつね。
不登校の園児バージョン。
『不登園』という言葉をあまり聞かないのは、保育園や幼稚園が義務教育ではないからだと思う。
なら行かなきゃいーじゃん終了! ってこと。
でも、それだと困るわけで。
幼児期に同世代の子供と接したり、親ではない大人と過ごしたり、家以外の生活の場を持つことってすごく大事だと思う。
周囲から影響を受けて、社会性を身につけて行く。
集団生活の経験が皆無の状態で小学校に上がるのも不安だし。
あと保育園に行ってくれなきゃ親御さんが働けないとか、そんな事情もあったりなかったりラジバンダリすると思う。
それはよくわかる。
なんとかしたい。
物事がヘンになるには必ず理由があると、僕は思っていて。
↓ホイ奇祭。
この奇祭にも、こうなった深〜い理由があるんだ。知らんけど。
不登園の子にも、不登園になった『理由』があるはずで。
とは言っても不登園ならではの特殊な理由とか、みんなに一致する事情なんて、そんなものはないと思う。
一般(思春期くらい)の不登校と同じで、その子は何がいやで、どんな環境なら馴染めそうか、見極めていただくしかない。
んだけど。
特筆するとすれば、不登園児の年齢の低さは一考に値すると思う。
不登園ってことは、若年だ。
一般的な不登校が小学校高学年から中学生くらいなのに対し、不登園は3〜5歳くらい。
かなり若年だ。
経験上、若年であればあるほど、行動や主張に深い理由を伴わない傾向にある。
コドモってことね。
単純なのだ、良くも悪くも。
良く言えば解き明かしやすい、悪く言えばノリで言っていることも多いと感じる。
思春期の不登校が、
学校に行かなきゃいけないことは理解しているがどーーーーーしてもムリ。
学校に居場所がなくて、いたたまれない。
怖い、逃げたい、とにかく逃げるしかない。
でもみんなが普通にやっていることができない自分はクソだ。無価値だ。
あぁなんて自分はダメなんだ! でも学校に行くのも怖すぎて嫌すぎてムリ!
どっちにも動けない! このままじゃ自分の将来どうなっちゃうんだー!
だとしたら、不登園児は
時間になると好きな先生が別のクラスに行っちゃうからイヤ!
とか
まだジャングルジムで遊びたいのにお部屋に入れって言われるから楽しくない!
とかまぁ、単純というか、浅いというか、そんな理由のことも多い。
まぁ、幼児だからね。
こんなもんでしょ。
どこまで理解して言っているかというと、目の前のこと、ほんの些細なことしか見ていなかったりする。
朝は行きたくないと言い、夕方は帰りたくないと言う、とか。
家がパラダイス(お菓子、おもちゃ、ゲーム天国!)だと思っている、とか。
ただ単純にお母さんと一緒にいたいだけ、とか。
目の前にゲームやアニメやYouTubeがあれば、
そんなもんだったりする。
それでどうなるとか、本当にいいのかとか、ない。
まぁ、幼児ですから。
だからその辺はうまく見極めてほしい。
行きたくないエネルギーが、強大なように見えて、そうでもなかったり。
(対して思春期以降の「行きたくない」は基本的にガチと考えてよいと思う。)
ノリで、って言ったら言葉が悪いけど、本人は100%全力で「行きたくない!」と思ってるんだけど、でもそんな感じならある程度コントロールできそうだ。
見通しを持たせるとか、本人が切り替えるのを待つとか、こだわりは可能な限り聞いて環境を整えるとか、最終手段・無理やり連れて行くとか。
経験上、それで解決することは、正直多い。
でも幼児はみんな行きたくないエネルギーが低いのかというと、全くもってそんなことはない。
例えばASDとか。
感覚過敏があって、園の環境が苦痛で苦痛で仕方ない子もいる。
社会性云々の前に、そもそも他人に全く興味がない子もいる。
マイワールドが全てで、邪魔されると世界が壊れるような恐怖感を覚える子とか。
とてもとても不安が強く、母と一緒にいることが何よりも大事な子も。
ガチでイヤなのに無理やり連れて行くなんて、二次障害を起こす気しかしない。
社会性を身につけさせようとして、逆にそのまま不登校になって社会性を身につける機会を大幅に失う可能性も。
その辺り、その子の特性をよく見極めてほしい。
何がイヤ?
何ならできそう?
結局、いわゆるフツーの不登校対応と何も変わらないと思う所以がココ。
ってことで、低学年の不登校も同様。
低年齢なので、あまり深く考えが及んでいない「ことが多い」。
でも「ことが多い」だけで、みんながそうとは全然限らない。
一般的に、自分が置かれている状況とか集団の中での扱いとかが見えてくるのは、女子だと3〜4年生、男子は5〜6年生くらいだろうか。
だからこの時期から不登校がグッと増える。
でも、低学年でもよく見えている賢い子もたくさんいる。
逆に中学生でも全く見えておらず、特に疑問を持たず漫然と登校している子もいるだろう。
人による。
それを言っちゃあおしまいよと思う、全てをぶった切る言葉であることは重々承知。
承知だがあえて言おう、『人による』。
あえて言おう、カスであると。(ガンダム)
結局、その子の特性をよく見極めて、子供に『寄り添って』くださいって話だ。
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年中の娘が不登園になりました。
もともと人見知りが激しく、言葉が遅かったです。
構音障害もあり、現在は病院で言語聴覚士の指導を受けています。
年中になるとお友達から娘の発音を真似をしたり、「何を言っているのかわからない」などと言われることが多くなり、娘は保育園でほとんど話さなくなりました。またそのことでお友達からは「○○ちゃんは無視する」と言われるようになっています。
またグループ活動で発言することもなく、工作や絵画もわからないことを先生に尋ねることもできないため、投げやりな作品になりがちです。
クラスの先生からは「やる気がない」「できない」と思われていることを先日の面談で知りました。
これが先生のおっしゃられている「二次障害」と実感しました。幸い在宅勤務が使えるため、娘が「行きたくない」というときは、お休みをすることにしました。
その代わり登園している時間帯は、YouTubeはせずに、公文やワーク、ピアノの練習をすることを約束させています。
保育園での娘の自尊心を取り戻す方法がわからないのですが、小学校で躓かないように今は娘の気持ちを尊重したいと思っています。
こんにちは。
先生のブログをいつも参考にしています。
まさに、今、小5の息子が不登校になって、二次障害かなと。
幼稚園では、登園渋り、小1の時は、重度の登校渋りで、
担任には、母子分離不安が強いと言われ、泣き叫ぶ息子を無理やり
車に乗せて連れて行く、を繰り返していました。
中学年は、落ち着いていましたが、熱や頭痛で休むことも多々あり、
とうとうコロナ休校がきっかけで不登校になってしまいました。
息子の気持ちに寄り添って、付き添い登校などをしていれば、
と後悔しています。
不登校になって、三歳児?っていうくらい幼児退行しました。
今はだいぶ元気になって、家で好きな絵を描いたり、工作をしたり
しています。
やっとこどもに寄り添うっていうことがわかってきたように思います。
年長の息子は、保育園で特定の子に、絵が下手、レゴで作ったものはダサいと毎回言われて、自己肯定感下がりまくり。保育園行きたくない、こんなダサいものしか作れない俺の手はいらないなど、泣きながら言うようになりました。
仕事あるし、休まれては私が困るので、保育園は休ませるつもりもなく。
自分で良いと思って作ったもの、数人にバカにされたとしても、自分が気に入っているのなら、それでいいんじゃないか、それに、良いと思ってくれる人もいる。ピカソの話までしました。
そしたら、ピカソの絵を見たいと言うので、一緒に見に行き、面白いねと言いながら、美術館を見まくりでした。
あとは、担任の先生に、家での様子を伝えました。そしたら、様子を見に来た療育の人にアドバイスされた方法をとってくれました。
作った作品、描いた絵を、みんなの前で発表したい人が発表する。
息子は、先生や親だけでなく、おともだちに認められたい。
なので、発表したそうです。
そしたら、バカにする特定の子以外の子達からの感想が聞けたそうです。
見たことない、すごいの作ったね、かっこいい。
息子はとても喜びました。
バカにしてた子も言わなくなりました。
保育園も楽しんでます。
週3の空手。楽しく通ってますが、たまに行きたくないと言いますが、スルーしてます。
理由を聞くと、ゾイドで遊びたい、絵本読みたい。
なので、行く前に遊んで、帰ってきたら、また、たくさん遊ぼう。
色々提案します。そうすると、行く時間になると、支度し、空手の帰りに聞くと、楽しかったとスキップしながら答えます。
同じ目線で話を合わせるのは、大事かなと思います。
本気で行きたくないなら、本気で考えます。でも、こちらも都合があるので、合わせるには相当の覚悟が必要かな。
我が家にはタイムリーな記事でした。
ほんとにそうです!頷きまくりながら読ませていただきました。
女の子は3~4年生から、男の子は5~6年生くらいから周りと自分の立ち位置とかが見えてくる話し、我が家の娘は小3の3学期からの不登校なので、まさにそんな時期だったのだなぁ、と腑に落ちました。
幼稚園年長の弟は、時々「幼稚園行きたくない」と休んだり遅刻したりしますが、理由はまさに先生のおっしゃるように、「やりたきい遊びができない、よく知らない年少さんと遊ばなきゃいけない日だからやだ、今日はゲームしたい」といった理由です。
うちの場合は、そうかそうか、それは嫌だよね、がんばってたんだね、と共感しながら抱っこして、「じゃあ今日は休もうか」と言うと、「やっぱり行く」というか、「明日からは行く」と言って本当に次の日はしっかり行く、というパターンです。最初から「給食おいしそうだよ」とか「先生が待ってるよ」とか言うよりも、共感して受け止めてあげる方が、結果的にはうまくいくことが多いような気がします。