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小児科医が教える、コロナ流行中の小児科受診のコツ

コロナウイルス感染の流行で、病院から足が遠のいている人が多いと思う。

 

病院なんてウイルスの巣窟でしょう?

怖いわ怖いわ行かないわ!

 

でも、子供の具合が悪くなったら、どのタイミングで受診するべき?

今ならまず保健所に連絡した方がいい?

 

今日は発達関係なし、コロナ流行中の小児科受診のタイミングの話。

実際、病院は暇だ。

今日もコロナ流行前の休日と比較して、ものすごーーーく暇だ。

救急、呼吸器内科、集中治療系は医療崩壊していると聞く。

でもココだけの話、それ以外の科では患者さんが激減して暇していることも多いのですよココだけの話。

 

 

小児科も例外でなく、患者さんが激減している。

普通の風邪や発熱の方がほとんど来ない。

手洗い・うがい・ソーシャルディスタンスの効果はとても大きいと実感している。

来年も再来年もこの調子でお願いします。

 

 

 

ただ、本当に重症な方もちょくちょくいらっしゃる。

正直コロナはほとんどいないが(いても軽症だし)、早期に治療が必要な『別の病気』の方は一定数いらっしゃる。

この子たちをいかに見落とさないか、僕たちは方策を思案しているところだ。

たまたま普通に小児科外来を受診してくれたから見つけられたものの、

もし保健所に連絡してコロナ外来を案内されていたら……。

子供の病気は、その主訴の大半が発熱だ。

熱があるならコロナが否定できないのでPCRをとりましょう。

で、結果が出るまで3日間の自宅待機を指示される。

 

子供の病気は変化が早いので、3日あればすっかり治るか、悪化するかだ。

3日間変化ナシというのはあまり考えられない。

自宅待機中に急変する可能性は十分にある。

 

親は様子がおかしいと思って医療機関に電話する。

でもPCR結果待ち中だと、まず診察してもらえない。

たらい回しになるだろう。

 

 

なんて恐ろしい!

実際僕の病院でも、上記に近い事例を経験している。

いつ大きな事故が起こっても不思議ではないと考えている。

そこで。

今までと同様、熱が長引く時や子供の様子がおかしいときは躊躇なく受診してほしいのだ。

もちろん発熱直後に受診することは、あまりメリットがないばかりか、

他のウイルス(コロナとか)に感染するリスクを高める。

 

 

でも。

  • 4−5日熱が続く時
  • 熱プラス機嫌が悪かったり活気がない時
  • 寝られないほどの咳がある時

などは受診してもらう方が良いように思う。

今はどこの病院でも、コロナの疑いが強い患者さんとそうでない方とで、時間的・空間的に距離をとっていると思う。(大きな声じゃ言えないが患者さんいなくてガラガラのことも多い)

感染のリスクはそこまで高くないだろう。

 

コロナウイルスだとしても(そして万一病院で感染したとしても)、軽症なら特に治療は要さない。

それより、別の病気を見落とさないようにしてほしい。

本当に死んじゃう病気かもしれない。

子供は、『小さな大人』ではない。

かかりやすい病気や、その後の経過がまったく異なる。

 

コロナ外来では医療者を守るため、診察せずに検温だけしてPCRを取ることもあると聞く。

もちろん対応するのは小児科医でないことの方が多いだろう。

なので、濃厚接触とか味覚障害とか強く疑う理由がないのであれば、まずは一般の小児科を受診した方が良いように思う。

 

 

親御さんの「やっぱりなんかおかしい」という感覚は、よく当たる。

受診するか否か、決めるのは親御さんだ。

今まで深く考えずに受診していた親御さんも、これを機に子供の病気について、同時に健康なときの様子について、意識してみていただけると嬉しい。

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