以前ちょっと書いたんだけど、高級マットレスを買った。
マジ快適でやべーので、全国民に全力でオススメするんだけど。
でも。
みなさんが興味を持ってくれたとして、『マットレス おすすめ』などで検索したとする。
するとヒットする膨大な情報に圧倒され、そっとブラウザを閉じるという結果になると予想される。
こと左様に、『選ぶ』って難しい。
選択にはエネルギーを要する。
迷った挙句決められず、「また今度考えよー」という経験は、誰にでもあるだろう。
でもこれが、人生において重大な選択だったら?
決めなくちゃいけないこと、例えば子供の進路とかだったらどうしましょう。
しかも、決めるのは子供で、親が決定できるわけじゃない。
のらりくらり、いつまでも決定しない子供にイライラしちゃいません?
こんな実験がある。
買い物客とジャムの実験だ。
24種類のジャムを売り場に並べたときと、6種類のジャムのときとでは、お客さんの購入率が大幅に違ったそうだ。
24種類ものジャムを並べた売り場は圧巻だ。
目に留まり、売り場を覗いた人はもちろん多いらしい。
でも、ほとんど購入には至らなかった。
対して6種類の地味な売り場では、立ち止まる人は多くないが、その中で実際に購入した人は多い。
トータルで比較すると、6種類の売り場のほうがずっと売れたそうだ。
ヒトは選択肢が多すぎると、決定を回避する傾向がある。
24種類ものジャムを吟味・比較するエネルギーを考えると、「何も買わない」という選択を選びがち。
冒頭のマットレスの話も同様だろう。
滝のようなマットレスの情報。
その中で値段や機能、硬さ、製造会社、製造国、口コミの満足度などたくさんの情報を比較して自分に合ったマットレスを探すって、非常にしんどい。
「ま、いっか。今のベッドでも寝れるし。」となりがちだ。
これを応用すると、進路が決まらない子には、親なり先生なりが選択肢をある程度絞るのは有効だろう。(もちろん本人がある程度の目星をつけていないことが前提だ。本人の考えがあるならそっちが優先。)
たくさんの学校を見すぎると、迷ってしまい選べなくなる。
数校に絞って提示するのは有用な手段だと思う。
進路を決定するのは、あくまで子供自身だ。
親が決定すると、うまくいかなかったときに親のせいにする。
何度も書いている通り、「自分で決めた進路」という意識がとても重要。
その上で。
「この学校が良さそうだなー」
「強いこだわりがないのなら、ぜひこの進路を選んでほしい」
みたいな親御さんの願いってありますよね。
これを押し付けがましくなく達成するテクニックとして、松竹梅の法則というのがある。
例として、あなたなら以下のどちらを選びますか?
A御膳:2000円
B御膳:1000円
では、これならどうですか?
松御膳:3000円
竹御膳:2000円
梅御膳:1000円
人は極端な選択を嫌う。
松竹梅の3択の場合、真ん中を選ぶことが多いそうだ。
2択は決めづらくても、3択ならなんとなく竹を選んだ方が多かったのでは?
「自分の選択の結果トンデモナイことになった!」という状況を避けるため、ヒトは中庸な、標準的な選択肢を選びやすいのだそうだ。
これを応用する。
例えば、本人は待てど暮らせど進路を決定しないが、親御さん的にはイチオシの学校がある場合。
松:偏差値的に無理めの学校
竹:オススメの学校
梅:明らかに格下の学校
こんなふうに子供に提示する。
もちろん、親の意図は悟られないように。
「お母さんはこの3校のうちどれかがいいと思うな〜」と、しれっと。
すると、もうお分かりですね?
そう。
真ん中を選ぶ確率が高いんです。
そして、あくまで「自分で選択した学校」なので、本人の満足度も高い。
だから「親が無理やり誘導した感」を出さないのがコツだ。
あくまで自分で選んだことに意味がある。
人生は選択の連続だ。
自分の選択には責任を持つ必要がある。
だからこそ、選択には多大なエネルギーを要する。
困った状態(不登校とか起立性調節障害とか発達障害とか適応障害とか反抗期とか)の子には、そのためのエネルギーが不足していることがままある。
でも、決めなくちゃいけないし、イヤでも期限は来る。
参考にされたし。
以上で本文終わりです。
以下は完全に余談なので、興味ない人は読まずに食べてください。(黒ヤギさん)
↓
一部の方から熱いリクエストがあったので(あったの?)書いてみる。
僕がマットレスを選んだときのこと。
上述の通り、『マットレス おすすめ』でちょっとググったら膨大な量の情報が出てきて面食らった。
どう選べば?
まず、通販もあるけどここは名前の通ったベッドメーカーにしようと考えた。
ベッドメーカーで探すと、シモンズ 、シーリー、サータ、フランスベッド、日本ベッド、テンピュール、エアウィーブなどがヒットした。
さてどこがいいのか…………さっぱり分からん。
なので、まずは新宿伊勢丹のベッド売り場に出向いた。
上記有名メーカーの標準的なモデルがズラっと展示されていたので、片っ端から寝転んでみた。
これは完全に個人の好みなのだが、僕は柔らかめのフワッとした寝心地が好きなようだ。
シモンズ 、シーリー、サータの寝心地が好きだった。
この3社は海外メーカーで、『3S』と呼ばれる大手らしい。
外国のベッドは柔らかめ、日本メーカーは硬めが多いそうだ。
外国人は凹凸のある体つき、日本人は平坦な体型だからとのこと。ふむふむ。
僕は欧米的なダイナマイト・ボディーだったわけですね。(貧相な日本人体型です)
ちなみにフランスベッドはフランスじゃなくて日本の会社なんだって。へー。
中でも気に入った寝心地のシーリーとサータに絞った。
でも他のメーカーでも、日本メーカーでも柔らかめのモデルとかあるじゃない!
などと言い始めるとキリがないので、とりあえず選択肢を減らしたのだ。(ジャムの実験を参照)
で、シーリーとサータそれぞれのショールームに出向き、いくつかのモデルに寝転んだ。
僕の感想では、シーリーは特に柔らかめ、サータは柔らかくて硬い感じ(上の詰め物は柔らかく、コイルはしっかりした印象)だった。
シーリーはとても柔らかく、耐圧分散に優れ、どこにも圧力を感じなかった。
お店の人が「寝返りを極力減らすことを目指している」と言っていたのも納得だ。
寝返りの必要性を感じない。
対してサータは「適度な寝返りは必要と考える」と言っていた。
結局、僕はサータを選んだ。
ベッドの上でうとうと、ゴロゴロする時間を大事にしたいので、体動のしやすいサータにしたのだ。
僕はロングスリーパーなのだが、ショートスリーパーでぐっすり眠ってぱっと起きるならシーリーがいいなと思った。
また、今までが硬い安いギシギシのベッドだったので、極端性の回避(松竹梅の法則)も働いたように思う。
購入して2ヶ月ほど経つが、すごく良かったと思う。
ちなみにサータを購入したが、それでもおそらく如実に寝返り回数が減っている。
朝起きたとき、腰や背中に痛い部分はないのだが、大腿に若干の張りを感じる。
今までと比較して寝返り回数が少ないためだと思う。
完全に趣味の話を書いてしまった。
結局「寝てみろ!」という結論になるが、良いマットレスを探している人の参考になれば。
いや、良いマットレス買ってください。
全員買ってください。
やべーよ。
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予想外のマットレス情報ありがとうございます。こちらのローカルCMですが、「人生の3分の1は睡眠です。良い眠りは良いふとんから!!」というものがあり、「布団はだいじ‥。お金かけなきゃやばいぞ‥。」と刷り込まれて育ちました。良いマットレス選びの参考にさせていただきます。
P先生もぐっすり眠ってご自愛ください。
今日も、なるほど~って思いながら読ませてもらいました。松竹梅方式いいですね。あと、マットレス続編もありがとうございます。寝起きに腰痛あったりするので、マットレス情報参考になります。