自分がされて嫌なことは、人にはしない。
自分がされて嬉しいことを、人にやってあげなさい。
日本ではそのように教育される機会が多いと思う。
僕は幼少期からこの考え方に違和感を持っていた。
この仕事を始めて、その違和感の正体がはっきりわかるようになった気がする。
「みんな同じ」
この前提がイヤだったのだ。
私がされて嬉しいんだから、あなたも嬉しいでしょそうでしょそうに決まってるわ。
この前提がイヤ。
自分がされて嬉しいことは相手も嬉しい?
それは、お互いに同じ価値観を持っている場合にしか成り立たない。
自分は嬉しくても相手は嬉しくないかもしれない。
その可能性が全く考慮されていないのだ。
実際、自分と相手の感覚のズレによるトラブルなんてゴマンとある。
「良かれと思って」
「悪気はなかった」
トラブル時の常套句としてあまりにあるあるすぎる。
悪気がなきゃいいのかって話。
良かれと思っても、相手の嫌がることをするなって話で。
僕はASDタイプで、幼少期から浮いてしまうことが結構あった。
みんなが当然に思うことが、そう思えない。
好意でやってくれることもすごくイヤだったり。
でもそれを主張できない空気感が漂っており、加害者(僕にとっては)の主張が正当化されてしまう。
「P君、謝ってください! みんな迷惑してます! 早く謝ってください!」
帰りの会の吊し上げ、あれなんなん?
軽くトラウマになってるわ。
掃除サボったくらいでなんなん?(10-0で僕が悪いんだった)
同様に、自分がされて嫌なことは人にもしちゃダメという教え。
これも、相手が同じ価値観を持っている場合にしか成り立たない。
もちろん内容にもよる。
殴るとか傷つけるとか、上履きにガビョウを入れるとか不幸の手紙を回すとかは当然みんなイヤだろう。
でも、自分はしんどくても相手はそうでもないことも、たくさんあると思う。
熱湯風呂の「押すなよ、絶対押すなよ!」
……押しますよね?
あなたは熱湯風呂はイヤかもしれない。
でも竜ちゃんはイヤじゃない。
おいしいと思っている。
立場や性格が違えば、イヤなことも違って当然だ。
学校で困ることがある。
じゃあ、配慮を求めたらいい。
だって、その子は書字が苦手で板書できない。
でも先生にとっては板書の代わりのプリントを作るって、造作もないことかもしれない。
苦手な子と隣の席になって、つらくてつらくて不登校になるくらいなら、席替えを求める。
だって他の子にとっては、その乱暴な子の隣の席は別につらくないかもしれない。
自分のイヤなことは、他の人にはイヤじゃないかもしれない。
助けてくれるかもしれない。
むしろ、頼られると喜んで助けてくれる人って、結構いる。
※もちろん、助けてくれない人だってたくさんいる。あなたと同様の価値観を持つ人もいる。それは当然。
だから、助けを求めてみらたいい。
ダメ元でやってみたらいいと思う。
みんな違うんだから、人をうまく使えばいい。
上記「自分のイヤなことは〜」という考え方は、「私たちみんな同じよね!」という前提から動かない。
数の暴力とも言える。
違うんだ。
同じじゃない。
みんなと違う少数派って、必ずいる。
頼ればいい。
とりあえず試しに頼ってみる価値はある。
その分、他の人が困った時には助ければいい。
あなたは人に迷惑をかけて生きているのだから、人のことも許してあげなさい
インド人の教えだそうだ。
発達外来で仕事をしていると、すごくよく見える。
いろんな人がいる。
マジでいろいろいる。
「むしろ普通ってナニ?」と思う。
みんな同じなんかじゃ、全然ないんだ。
言葉ではこれ以上の説明ができないんだけど、マジでいろいろいる。
マジ卍。
これを使わない手はないと思う。
困ったら人を頼る。
これは、僕みたいなフツウからはみ出た人間にとって、とても強力なライフハックとなる。
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二男君のバースデーパーティーの時に、二男君がまだ開けてないプレゼントを長男君が勝手に開けてしまい
「ほら、俺が開けてやったぞ!」と・・
二男君が「僕、自分で開けるの楽しみにしてたのに!!」って号泣して殴り合いの喧嘩に発展 ( ;∀;)
彼の主張は「俺は誕生日プレゼント開けられても嫌じゃ無い、そこで泣くお前がおかしい!」
二男君の主張は「皆んな、プレゼントは自分で開けたいし、僕より先にプレゼントに長男君が触るなんて許せない!」
こういう問題が山ほど出てきます、ほんとウンザリ、でもだからこそ何度も話し合いです
「あなたはプレゼントを勝手に開けられても嫌じゃないかも知れないけど、ママは絶対嫌だ❗️それと二男君も嫌だ!そういう人が沢山いる!それを覚えなさい!」
だから、叱る時はストレートに
「ママはこれをされると嫌だ!他の人は知らないけど、ママは嫌だからやめて!」
と伝えてます。
今回の記事、藤井風さんの曲「何なんw」を連想しました。関係ない話すみません。
先生のおっしゃるとおり、困ったら人を頼るべきですし、賢い人ほど上手に人を頼れるものだと思います。
わが子(小5息子・不登校)にもそうなってほしいと思いますが、どうやら彼に言わせると「お母さんはしっかりしすぎてる!」らしいです。確かにそうかも‥。人に弱みを見せないよう頑張りすぎてるかも‥。
人に頼っていいし、迷惑だってかけてしまうこともある。そう教えられるようにこれからは親が見本になってあげたいです。
いつも読ませてもらってます!
息子は、家族にちょっかいをかけまくります。
距離感がないのと力の加減が難しいのか、ちょっかいが事件になってしまいます。すごく痛かったり、よけたらお味噌汁こぼれたりとか、もう毎日事件です。
それで、「自分がされて嫌なことは人にしないんだよ。」って私はいつも言ってます。
でもこれ、そもそも自分はされても嫌じゃない。ってことだったのですか!?ならば、同じことをしてあげれば、満足してちょっかいをかけなくなるかもしれないですね(希望的観測)!
全て拝読いたしました
話を聞き、受容することをはじめたいのですが
そもそも息子は口をききません
おはよう、ただいま、ご飯できたよ、
全ての言葉を無視します
この場合は、どんなことから働きかければよいのか
おそらく無視されている保護者は少なくないと思いますので
どうか記事にしていただけたらと思います