いやー忙しい。
最近やたら忙しくてですね。
なぜかと言うと、みんな調子悪い。
不定愁訴(腹痛、頭痛、めまい、動悸、だるい、疲れやすい)とか情緒不安定とか、みんなして訴えてくるわけです。
季節か?
この季節が悪いのか?
多種多様な訴えがあるのだが、こと身体的な訴えに関してはベースに起立性調節障害があることが多いので、その話をする。
起立性調節障害と診断されていなくても、不定愁訴の原因は大抵が自律神経失調なので、まぁ似たようなもんでしょ。
起立性調節障害と季節の関係は、僕はあると思っている。
秋口は気温が下がるし、秋雨や台風で気候が安定しない。
気圧の変化で頭痛が誘発されるのは有名な話。
起立性調節障害とは関係ないかもだけど気管支喘息のシーズンも秋だし、秋口の気温とか気候とかの変化は身体にちょっとアレなんだと思う。(全く医学的でない意見) (ホントに医者か?)
実際、9月は目の回るような忙しさだった。
今年はコロナの影響もありみんなの不安が増強されている側面もあるだろうが、それにしても忙しかった。
夏休み明けで気分がブルーになるのもあると思う。
自殺の最多は9月1日らしいし。
受験が近づいてピリピリするのもあると思う。
毎年、2学期のアタマはみんな荒れる印象がある。
僕の患者さんは、いろんな人がいる。
男子も女子もいるし、小学生も中学生も高校生もいる。
受験生もいるし、進級がかかっている子いない子、環境がいい子悪い子、親御さんのキャラ、そして本人の性格や訴えの内容まで、十人十色としか言いようがない。
それぞれ立場や状況が全く異なる。
にも関わらず、今、みんな調子が悪い。
ってことはこの時期、この季節が悪いんだと思う。
クソ、秋め。
食べ物はおいしいのに。
じゃあ、起立性調節障害は秋に特に悪くなりやすいのか?
他の季節は調子いいの?
残念ながらノーだ。
まず春。
春が一番悪いと訴える子は、結構いる。
秋口と同様、季節の変わり目で気温が上がってくる。
雨も多いし。
「春眠暁を覚えず」という言葉があるくらい、布団とのシンクロ率が上昇。
つまり、朝起きられない。
花粉症ともバッティングし、あと進級とかクラス替えとかの環境変化のせいもあるのだろう。
成書では起立性調節障害のシーズンは春と書いてあったりするし。
次、夏。
夏はアクティブなイメージだし、さすがに大丈夫でしょう?
そうでもない。
起立性調節障害の病態は、末梢血管が開いて血圧が下がること。
夏は暑いから血管が開きやすいし、発汗で脱水になりやすい。
「殺人的な暑さ」という明らかな不快因子も存在する。
うだるような暑さの屋外と、キンキンに冷えた室内の温度差で自律神経がやられる子も少なくない。
最後、冬。
冬はもう勘弁してくれよ。
冬も悪かったら一年中悪いじゃん。
冬も、悪い。
そうなのだ。
冬の寒さで血の廻りが悪くなるのか、日照時間が短いせいなのか、具合が悪くなる子は多い。
起立性調節障害の子は冷え性を合併していることが多く、四肢が冷えて仕方ない。
お風呂で温めるとのぼせてめまい。
ただでさえ朝は苦手なのに、加えて殺人的な寒さで余計に身体が動かない。
あと感冒シーズンでインフルエンザや胃腸炎にかかったりしたら、もうアウト。
この気持ち悪さの原因も、ウイルス性腸炎なのか自律神経失調からの過敏性超症候群なのか周期性嘔吐症なのか、ワケわからん。
ってことで、春夏秋冬みてきたわけだが、どの季節もそれなりに悪いようだ。
一年中悪いじゃん⁉︎
そう、起立性調節障害の子は、だいたいいつも調子悪い。
なんか調子がいい日もあれば、かと思えば翌日まったくダメだったり。
だから「日によって調子に波があるので、本人の訴えに従って適宜休憩させることが望ましい」と言っている。
ただ、その子によって「悪い季節」というのはあるようだ。
A君は毎年春がダメ、Bちゃんは冬になると気分が落ち込む、C君は夏の頭痛がひどい……といった具合に。
その季節はもう、仕方ないと割り切って、低空飛行で乗り切ることをおすすめしている。
「こんなに悪いなんてどうしよう!」とか悩み始めるともっと悪くなることが多いようだ。
親御さんも、「心配心配!」とあたふたすると、子供も引きずられて不安定になるようなので、どーんと構えてもらいたい。
秋鮭でも食べて。
栗ご飯もおいしいし。
松茸とか、僕に送ってくれてもいいんですよ?