Categories: 心理学

人に迷惑をかけろ!

「あなたは人に迷惑をかけて生きているのだから、人のことも許してあげなさい」

 

え、これって有名じゃないの?

結構みなさんご存知なもんかと思ってた。

確か、インドの教えでしたっけ。

こんなに市民権を得てないなんて、インド人もビックリだよ!(誰がうまいこと言えと)

 

 

でもこの発想って、案外みなさん持ってないのかなと思った。

「人に迷惑をかけてはいけません」

こっちが僕にはイマイチ分からなくて。

 

あ、ASDだからか。

人の気持ちが分からないのかそっか( ´・ω・`)ショボーン

 

 

でも。

お子さんに何か問題が起きたとき。

発達障害とか、不登校とか、起立性調節障害とか、HSCとか、そんな問題が露呈したとき。

お子さんを「みんなと一緒」に過ごさせたい割に、合理的配慮を求めるのを遠慮する親御さんって多いのなーと思ってはいた。

 

 

発達障害とか起立性調節障害とかHSCとか。

配慮してもらえば結構『普通』に生活できる。

 

「ADHDだから個別に声をかけてください。」

「ASDだから可能な限りこだわりを尊重してあげて」

「起立性調節障害だから体育は見学しますっ!」

「HSCだから厳しく叱らないで……」

 

どれもこれも、ちょっとの配慮で実現可能だ。

そしてそれだけで、当該児は格段に生きやすくなるものだ。

 

不登校だって、どんな配慮があるとお子さんが楽になるかってあるでしょう?

 

 

なのに、遠慮してしまう。

 

「でもウチの子だけ特別扱いは迷惑かも……」

 

こんな時にもペリーが攻めてくるのでしょうか。

  • 一人だけ〇〇しないなんて、場を乱す。
  • そういう子がいると授業の邪魔なのよね。
  • 集団生活なんだから、我慢して合わせるべき。
  • 苦手なことでも練習していきましょう。みんな頑張っているので。

 

これな。

これ、なんとかならんもんかな。

 

迷惑、かけたらいいよ。

だって配慮が必要な子なんだもん。

迷惑かけようよ。

 

 

助けてって言ったらいいよ。

今弱ってるんだもん。

助けてもらったらいいよ。

 

 

出来ないことは「出来ない」ってちゃんと認めて、コップを溢れさせて。

「できないから助けてー」って。

 

 

助ける余裕がない人はスルーするだろうし、余裕がある人は助けてくれるよ。

助けてくれるんだから、素直に受け取ったらいいんだよ。

 

と、思うのだ。

 

 

 

お母さんも同じ。

 

「学校にどこまで要望を伝えてよいものか……」

 

伝えようよ。

それが実現可能かは学校が判断するよ。

出来ればやってくれるし、

出来なければ断るよ。

 

断られたら、また考えればいいよ。

 

「でもこんなに困ってるんですぅ。助けてください! 一緒に考えてくださいっ!」

 

何に困ってどんな手助けが必要か、言わないと伝わらない。

 

「困ってるからなんとかしてほしいなぁ(チラッチラッ)」

 

これは無理だ。

人の心が読める僕でもちょっと分からない。(人の心が分からないASDじゃなかったの?)

 

 

 

迷惑かけて、頼ればいいよ。

学校が無理なら、他にも使える脳はあるよ。

病院でもいいし、地域の窓口、発達センター、親の会、ブログなんかでもいいよね。

 

「助けて!」

そう言えば、誰か動いてくれるよ。

言わなきゃ、あなたが困っていることすら伝わらない。

たくさんのお子さんやその親御さんを見ていて思う。

人って、思ったより偏っている。

一人で解決できることって多くない。

 

「なんでそこ、そんな風に考えちゃうかなー」

「そこ、こだわるポイントがずれてるなー」

 

第三者から見ると、そんな風に感じることも多い。

苦手な部分は解決策が浮かばない。

それどころか、そこが欠けていることにすら気付けないことがすごく多い。

 

 

 

僕も同じ。

自分でなんとかしようとしても無理なことが多くて。

それを自覚しているから努めて他の人に声をかけるようにしている。

 

「困った困ったこんなことで困ってるんだけどなぁ〜」

と呟いて歩く。

 

すると。

「アイツ、頼りないから見てやらなきゃ」

そう思ってくれる同僚や看護師さんや心理士さんや社会福祉士さんや保健師さんや、とにかくいろんな人が介入してくれる。

根本的な問題解決には至らなくても、いろんな目から事態を観察でき、圧倒的に『穴』が減る。

ここまでやってダメだったらもうムリだと思えるし。

一人で頑張って、自分の頭では気づかなかった穴に落ちたら、それで患者さんの不利益になったら、悔やんでも悔やみきれない。

 

特に僕の仕事は対『人』なので、何人かで接するとぴったりフィットする人や策が出現したり。

 

「なんか相性いいみたいだから、あとはよろしくメカドック!」

 

丸投げ。

でもこれ、結果的にすごくうまく行くことが多い。

 

 

 

頼ればいいよ。

迷惑かければいいよ。

人って頼ってもらえると嬉しいみたいで、案外迷惑じゃないみたいだよ。

インド人もビックリだよ。

 

そして感謝するなら、別の誰かが困ったときに手を差し伸べればいいよ。

もちろん、自分に余裕があるときに。

無理して助けてもロクなことないから。

その線引きがうまくできる人って、人生すごく生きやすいと思う。

 

それができるのは自己肯定感が高い人だけって?

大丈夫。

自己肯定感の低さは棚に上げて、とにかくまず頼ってみたらいいよ。

 

勇気が出ない?

じゃあヒント。

インド人の自己肯定感ってものすごく高いらしい。

今日の夕飯をカレーにしたら……明日は自己肯定感、爆アゲだよ!

とんかつDJアゲ太郎だよ!

 

もう今夜は、カツカレーにしたらいいよ!(誰がうまいこと言えと)

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