そんな風に、親が親の価値観で人をジャッジする。
多かれ少なかれやっている親御さんが多いと思う。
小さいことだと
「〇〇ちゃんはすごいわね。もうお箸が使えるんですって」
「あの子はお片付けせずに帰って、ダメねー」
大きなことだと
「これができないのは人間のクズだ」
「〇〇しないなんて、あの子かわいそうね」
そんな感じ? よく分からんけど。
やっちゃうでしょう?
『常識』とか『普通』とか『しつけ』とか。
誰でもやっちゃうと思うんだけど。
でも、行くところまで行っちゃったご家庭をいくつか見たので、紹介したい。(特定の家庭じゃないです。いくつかの事例を混ぜて誇張してじっくりコトコト熟成させています。)
親御さんが学歴至上主義だった。
しかも、両親とも。
「勉強できない人間に価値などない」と父。
「いい学校に入ってしっかり卒業なさい。それが勝ち組なの」と母。
勉強ができないクラスメートを両親がバカにするのを、小さい頃からから聞かされる。
あんな風に思われるなんて耐えられない。
両親に認められたい一心で勉強をがんばる。
塾で、成績が上がって上位クラスに入る。
するとホクホク顔で送り迎えしてくれる。
クラスが下がると送り迎えはなくなり、必要な学用品も買ってもらえなくなる。
また上がると猫撫で声で、なんでも好きなものを買ってもらえるように。
この子、どうしますか?
そりゃ『頑張る』一択でしょう。
案の定超頑張り、有名私立中学に進学した。
「自分は勉強ができる」
「他のみんなは頭が悪いバカだ」
そんな風に、おかしな自信がついた。
でも。
小学生くらいだと、勉強って努力でなんとかなる。
中学生になると、持って生まれた能力差が埋まらなくなってくる。
この子はもともとIQ的にさほど高くなかったのだろう。(低くはないけど)
勉強しても勉強しても成績が伸びず、限界が見えてくる。
あれ? がんばっても成績が伸びない。
その時どうするか。
この子は、そんな自分が受け入れられない。
だって、「勉強できない人間に価値なんてない」んだもん。
そう信じているし、そうやって生きてきたし。
「勉強できない自分」なんて受け入れられない。
だって、勉強ができない人を、今まで散々バカにしてきたんだから。
今の自分を受け入れると、イコール今までの人生全てを否定することになっちゃう。
この子、どうしますか?
今度は『何もしない』一択だ。
悔しさをバネに勉強する?
そんなわけない。
バネって、「勉強できない自分」を一旦受け入れないことには発揮できない。
しっかりしゃがまないと、ジャンプなんてできない。
この子はそれができないのに。
自分が受け入れられない。
受け入れると、「自分には価値がない」って認めることになってしまう。
できるわけがない。
『何もしない』一択だ。
何もしないでどうするか。
言い訳をする。
「本気出せば勉強できるんだけど、やってないだけ」
「今できないのは〇〇のせい」
最初は、「体調が悪い」とか「先生と合わない」とかなんだけど、その言い訳も尽きてくる。
行き着く先は、「親が悪い」。
「この学校を受験させた親が悪い」
「親がイライラさせるから、勉強できない」
「新しい靴を準備してくれないから学校に行けない」
「こんな靴、趣味じゃない!」
そんな風に、全てを親のせいにする。
キング・オブ・こじれ家庭の完成だ。
このような家庭を見ていて思う。
親の価値観って子に感染る。
子は、親を通して世間を見ている。
親の価値観は、できる限り押し付けない方がいいと、僕は思う。
言いたくなっちゃう気持ちもわかるけど、子供本人が動いて、その目で世界を見て構築する価値観の方が、ずっと重要で健全なんじゃないかなーと僕は思っている。
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いつもありがとうございます。
耳が痛いです。息子にぶん殴られそうになって初めて自分がクソ親だと自覚しました。精進します。。