「子供を受け入れなきゃいけないって分かってる。
でもペリーが襲ってくる。」
「この子はわざとかんしゃくを起こしてるわけじゃない。
でもイライラしてしまう。」
外来にもたくさんいらっしゃいます。
わかっちゃいる。でもやめられないお母さん。
『わかっちゃいるけどやめられない』って植木等さんもおっしゃっていることだし(作詞は青島幸男さんなんだって。へー。)、でもは人間の真理をついていると思う。
「分かってるんです、でも……」とデモデモしちゃうお母さん。
そして「でもいい成績を取らないと」「でも学校に行かないと」とデモデモしてしまうお子さん。
僕は専門家じゃないのだが、『認知行動療法』をおすすめすることが、たまにある。
出たよ専門用語。
難しいこと書かれたから、ブラウザそっ閉じしよ!
待ってください簡単に説明するから。
あと自分でやる分にはお金も手間もかからないし、効かなくても損はなさそうだし。
ね。ちょっと聞いてみて。
認知行動療法。
なにそれおいしいの?
これはですね、なんか、デモデモが楽になるみたいですよ。
考え方のクセを意識的に変えていくというか。
何かストレスがありますよね。
例えば、気軽に読んでいたはずのブログに、急に『認知行動療法』とかよくわからん難解そうな単語が出てきたとします。
すると。
反射的に拒否反応が出たり、イライラしたり。
「うわっ、難しいことは知ーらない。どうせ自分はバカだから!」とか「知識をひけらかしやがってこのヤブ医者!」とか思いますよね。
そこで、ブラウザをそっ閉じするわけです。
これを順番に並べてみる。
この4段階です。
このうち、①は変えられない。
ストレスには絶対に出会う。子供は暴れるし、Pもワケわからんことを言う。
②のイラッとするのも、瞬間的に思っちゃうものは思っちゃう。これも変えられない。
③の「難しい言葉使うなよ」「バカだからわかんなーい」、これが『認知』。
認知は変えることができる。
今までなら「バカだから難しいことはわかんない!」と思っていたところを、「自分のためにちょっと聞いてみようかな」と思い直す。
「ヤブ医者死ねよ」を、「コイツにも若干の利用価値があるのかもしれない」に変えてみる。
すると④、「そっ閉じ」が「そっ閉じせず読んでみようかなー」に変わる。
これが『行動』。認知を変えることで、行動が変わったわけだ。
つまり、ストレスがあったとき、『認知』を変えることで、『行動』を変える。
逆に言うと『認知』と『行動』しか変えられない。
ストレスにぶつかることは絶対にあるし、感情(瞬間的にイラッとするとか、びっくりするとか)も変えられない。
でもそれに対する意味づけ、つまり『認知』を変えて、その結果『行動』を変えよう! というのが認知行動療法。
と理解しているんだけど違ったらスミマセン。
目の前に学校に行かない子供が鎮座している。
このストレスは変えられない。
でも「ちゃんと行かせないと親である私が責められる!」という認知は変えられる。
「いや、よく考えたら別に誰にもそんなこと言われてないし、それより一番しんどいのはこの子自身だし。」
と認知を変える。
すると、「子供を叱り飛ばす」という行動が、「本人の話を聞いてみる」に変わる。
ASDの子がかんしゃくを起こす。
これは変えられない。絶対に起こす。
でも、「周囲に迷惑だから黙らせなきゃ!」という認知を、
「こうなっちゃったらクールダウンするまで待つしかないのよねーしゃーないよねー」に変える。
焦る気持ちが軽減し、子供の安全を確保したり、気持ちに余裕を持って待つことができるようになる。
これよ。
瞬間的に出てきてしまう気持ち、「ムカつく!」とか「やばい!」とか「悲しい!」とか。
この感情は変えられない。
でも、その気持ちに対する意味付け(つまり認知)は変えることができる。
「本当にそうなの?」
「別にそんなことないんじゃない?」
「こういうときは〇〇って考えるんだって青島幸男が言ってた」(元都知事が⁉︎)
そんな風に、一呼吸置いて認知を変える。
すると、行動が変わる。
「じゃあ別にイライラしなくていいんじゃね?」
「むしろ、この子をよく観察してこうなった理由を探ろう」
冷静になると、置かれた状況がよく見えてくる。
「この子、こんな風に考えるんだ。面白いなー。」なんて発見もあるかもしれない。
ってことで、デモデモダッテしちゃう方。
つい感情的になって、軸がぶれてしまう親御さん。
『認知行動療法』、僕はよく知らないので詳しくはお近くのカウンセラーさんまで。(結局丸投げ)
↓ちなみに僕が読んだ本はこちら。オススメ。
ケアする人も楽になる マインドフルネス&スキーマ療法 BOOK1 [ 伊藤 絵美 ] 価格:2,200円 |