Categories: 親子関係

コップの話 〜受容が早い親と遅い親の違い〜

親の受容の話を書いていて思ったんだけど。

親御さんがお子さんを受容する早さって、親のコップの大きさに反比例するんじゃないかと思った。

 

 

何言ってるの暑さでやられたの?

説明する。

 

 

子供の不登校や問題行動(かんしゃくとか)について、コップの大きさに例えられることがよくある。

 

例えば不登校。

一般的にはいじめなどの原因があって不登校になると思われがちだが、実際はそうじゃない。

先生と合わないとか悪口言われたとかトラブルはあるのだけど、じゃあそれを解決したから元どおり登校するかというと、そんなことはない。

 

いじめやトラブルって、最後の一滴に過ぎないと思う。

それまで我慢に我慢を重ね、最後の一滴でコップの水が溢れて不登校になる。

溢れるかどうかはコップの大きさと水の出る速さで決まる。

要は、その子の持って生まれた気質だ。

 

 

コップが小さいと溢れやすい。

コップが大きいと溢れにくい。

その子の持つコップの限界に達した時に、不登校に至る。

 

 

で。

お子さんをなかなか受容できず、なんとか頑張らせようとしてしまう親御さん。

親御さんのコップがバケツ並みに大きいんじゃないかな? と。

 

 

コップが小さい親御さんだと、

  1. 不登校になった
  2. 登校刺激してみたけど余計暴れるだけだった ←ここでコップの水が溢れる
  3. じゃあ次の方法を考えよう

となる。

 

 

溢れたら、もう溢れてしまったものはどうしようもないので、ペリーとかあんまり気にならなくなる。(それどころじゃなくなるから)

取り返しがつかないので、良い意味で諦めがつく。

覆水盆に返らずって言うし。(ドヤッ)(ドヤッってみたけど使い方合ってます?)

 

 

別の道を探す方が早いと察し(つまり逃げる)、他の進路とか不登校の予後とか調べてみる。

不登校経験者の話は本やネットにたくさん落ちており、

なーんだ、不登校でもみんな楽しく生きている。ってゆーか立派な大人になってる人多っ!

と容易に知ることができる

 

 

コップがプール並みに大きいと、

  1. 不登校になった
  2. 登校刺激してみたけど余計暴れるだけだった
  3. さらに登校刺激してさらに暴れる
  4. もっと登校刺激して
  5. まだまだ登校刺激して

100くらいでやっと、「もうムリポ(´Д`;)」となるんじゃないかと。

 

 

コップ、デカすぎません?

もう少し早く逃げても良くない?

 

 

で。

なぜこんな貯水池みたいなコップになったかというと。

 

今までの人生、たくさん我慢をしてきたからではなかろうか。

 

「ちゃんとしないと」

「学校に行くのが普通」

「努力は裏切らない」

「友情・努力・勝利」(あ、これはジャンプのスローガンだった)

 

今までのトラブル全てを忍耐と努力と友情と勝利(ジャンプ)で乗り越えてきて、コップが溢れた経験がないのでは、と思った。

だから、正規ルートで頑張る以外の選択肢を知らない。

溢れるなんて未知すぎて怖すぎる。

コップがどんどん大きくなる。

溢れないように、無理して我慢してコップを巨大化させていく。

 

真面目で常識的な人に多いのでは? と思った。

 

 

 

元々どデカいコップを持って生まれた人なら理解できる。

でもそんな人、多くないでしょう?

きっと頑張って、努力して、我慢して、耐えてコップを拡大してきたのだ。

「溢れたら人生終わる」くらい思っていたかもしれない。

 

 

いや、考えるだけでつらい。

僕なんかが言っても説得力ないかもですが、本っっっ当に苦労されたのですね。

僕は努力や忍耐から逃げまくって生きてきたので、特にそう思う。(でもジャンプは愛読してる)

 

 

コップが不自然なまでにバカでかいって、つまり自己肯定感が低いってことだろう。

「自分の限界はここまで」

「これはやりたくない」

「今ムカついた!」

という気持ちにフタをして、コップを拡大し続けたのでしょう。

 

コップの材質は本来ガラスだったのに、よく伸びるゴムに変更したかもしれない。

自分を曲げて、我慢してきたのではないか。

と思った。

 

でも本来のコップのキャパはとうに超えているので、しんどいし、イライラする。

 

 

そこで提案。

これを機に、溢れさせません?

 

ほら、コップが溢れたお子さんを見て、そのまま受容するのが正解と頭では分かっているのでしょう?

じゃあ親御さんも同じ。

溢れさせたらいいですよ。

 

今まで溢れさせた経験がないから、溢れることに慣れていないのでしょうか。

溢れたら終わると思っていません?

全然そんなことない。

 

僕のコップなんてマジでお猪口くらいだから、1000回は溢れている。

でもこうして生きてる。

溢れたら、すぐ諦めて別の道を探してきた。

消去法ってやつだ。

 

すぐ逃げる。

はぐれメタル並みに逃げる。

で、違う方法を探す。

 

逃げ続けると、案外戦うべき場所が見えてくるものだ。

諦めたら、そこから次の試合開始だよ。(安西先生ゴメンナサイ)

 

 

ムリなもんはムリ。

まずそれを認めるところから始めませんか?

頑張らなくていいです。

 

 

生まれ持ったコップの大きさって、だいたい決まっていると思う。

小さいと生きづらく、大きくすれば周囲は扱いやすくなる。

だから大きいが正義! みたいに思われがち。

 

でも、本来持っているものを捻じ曲げて、太平洋みたいなコップにするって不自然だと僕は思う。

我慢やめよう。

忍耐やめよう。

あなたの本来のコップの大きさ、つまり笑っていられる大きさってどの程度ですか?

 

 

同時に、お子さんには溢れる経験をさせてあげてほしいと思う。

溢れないよう先回りするより、溢れたら別の方法を探して再出発するって教える方が、将来役に立つと思うのだけど。

子供は絶対に、いつかどこかでつまづくのだから。

今、あなたがつまづいているように。

 

 

溢れても大丈夫。

むしろ溢れた先に幸せがあると思う。

 

 

さっさと逃げよう。

頑張らず、消去法でよい。

道はいくらでもある。

それが、この支配からの卒業だと思う。(最後にとってつけたように)

 

※子供を受容することから逃げるってことじゃないです。遊んでばかりの我が子に耐えられないから強制的にゲーム取り上げる! って話じゃないのは理解していただきたいのです。良い逃げと悪い逃げがありますよね。

pediatrician-p

View Comments

  • ありがとうございます。
    母である私も、どんどん逃げようと思います。

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