親がどんな接し方をするかで、子供の行動は変わる。
親がどのように子供を扱うかで、子供の考え方は変わる。
それはもう、如実に変わる。
愛着障害。
親とうまく関係が築けなかった場合に起こる。
生まれたばかりの赤ちゃんは、泣くことしかできない。
泣くことで自己主張し、ミルクをもらったり、抱っこしてもらったり、お世話を要求する。
これを繰り返すことで、「この人は自分を守ってくれる」「この世は、守ってくれる人(親)がいる安全な場所だ」という絶対的な安心感・信頼感を形成する。
うん、まぁそうですよね。
でも、これができなかった場合。
子供は様々な反応を起こすらしい。
親に「普通に」「素直に」甘えることが難しくなる。
親を回避したり、逆にべったり依存したり、わがままを言って振り回してみたり。
そんな感じで、赤ちゃんに限らずある程度の年齢になっても、「親は自分を助けてくれる、ちゃんと見ていてくれる」という安心感がないと、子供は困った行動を起こすようだ。
状況は様々だ。
例えばネグレクト。
どうせ聞いてもらえないので、自分の要求を表出しない子になるらしい。
親に聞いてもらえない分、周囲の人に無理難題をふっかけるかもしれない。
わざとワガママを言い、どこまで聞いてもらえるか、やっぱり見放すのか、確かめようとする。 ※試し行動という
周囲を振り回す問題児になるかもしれない。
親に暴力をふるわれてきた子。
人の顔色をうかがいオドオドした子になるかもしれない。
気持ちのコントロールができず、自分より弱い人間に暴力をふるい、力で従わせようとするかも。
親の過干渉を受けて育った場合。
自分の意見にフタをして、親の意見がその子の全てになるかもしれない。
失敗を過剰に恐れて、自分で何かを選択することを避ける。
そして少しでも問題が起これば親のせいにして、ふてくされ続ける人生を歩むかもしれない。
他にもたくさんある。
両親の不仲、教育虐待、兄弟差別。
親が情緒不安定でヒステリックだったり、考えを押し付けて従わせたり、「子供のため」に短所を否定し続けたり。
まあ状況は色々考えられる。
ここではひっくるめて『愛着障害』と呼ばせてもらう。
本来は3歳頃までの親子関係を指す言葉だが、もう少し広げて。
小児期に、親子の信頼関係を構築できなかった場合。
そのままの自分を認めてもらえなかった場合。
いますよね、そういう人。
きっとたくさんいると思う。
外来にもたくさん来る。
家庭の問題を孕んだ子。
正直、愛着の問題が絡んでくると、全てがわからなくなる。
例えば、表情が乏しく他人に無関心な子。
ASDかもしれないが、愛着障害かもしれない。
人との距離がやたら近く、誰にでも話しかける子。
ADHDかもしれないが、愛着障害かもしれない。
やたら無気力な子も、鬱じゃなくて愛着障害かも。
愛着障害は、発達障害や精神疾患と類似の症状を呈することがよくある。
僕には、その見分けはつかない。
もともと発達障害があり育てにくかったから、母がヒステリックに、そして両親が不仲になったのかもしれない。
でも両親の不仲のせいで、本来なら定型発達の子が、発達障害様の症状を起こしたのかもしれない。
わからない。
僕はASDタイプと自称している。
でも正直、回避型の愛着障害でも全然説明がつくと思っている。(僕は虐待家庭育ち)
僕は人に興味・関心が乏しいのだが、これが発達特性なのか愛着の問題か、自分でもわからない。
もしかしたらASDと愛着障害が併存しているのかもしれない。
でもそんなことを言い出したらキリがないので、どっちでもいいのだけれど。
愛着障害は、全てを飲み込む。
その子の特性とか、能力とか、経験とか、教育とか、才能とか、環境とか。
その全てを凌駕する。
全てが混沌となる。
原因をつきとめ(診断)、問題を解決する(治療)という、医学の基本姿勢が通用しなくなる。
目の前で起きている問題について、その都度対応するしかなくなるのだ。
でもそれでは、一つ解決してもまたすぐ新しい問題が起きる。
大元の原因はそのままなので、次々トラブルが湧いて出る。
解決はとてもとてもとてもとても難しくなる。
だから。
家を快適にしてください。
再三言っている通り、どうか、家を快適にしてください。
話を聞いてあげてください。
寄り添ってあげてください。
そのままのその子を認め、愛してあげてください。
子供が発達障害?
不登校?
反抗期?
どうでもいい。
ゲーム依存?
成績?
約束を守らない?
態度が悪い?
非行?
暴力?
すこぶるどうでもいい。
そんなちっぽけなこと、どうでもいい。
親子の信頼関係が、何より大事だと思う。
子供に寄り添い、話を聞いてあげてほしい。
そのままのその子を愛してあげてほしい。
条件付きの愛情(「〇〇できたら愛してあげる」「愛して欲しければ〇〇しなさい」)ではなく、ありのままのその子を受け入れてあげてほしい。
発達障害があっても、凸凹があってもいいじゃないですか。
そのままのその子を認めてあげてほしい。
「みんなと同じに〇〇できないといけない」
「あなたは〇〇が苦手だから人の何倍も頑張らないと」
そんな窮屈なことを言わず、足りないところもひっくるめて、全部愛してほしい。
不登校でもいいじゃないですか。
その子には学校が合わなかったのだ。
勉強や宿題ができなくてもいいじゃないですか。
その子を伸ばす方法は、他にある。
その子をそのまま、秀でたところも足りないところも全部、認めてあげてほしい。
短所も丸ごと愛してくれる人間なんて、この世に親だけだと思う。
「あなたはそう思うんだね」
「あなたの選択を信じているよ」
親に認めてもらえれば、前を向ける。
自分は大丈夫だと思える。
これってすなわち、自己肯定感ってやつだと思う。
それが何より尊いと、親カードを持っていなかった僕なんかは思う。
今これを読んでくれている、子育てに悩んでいるお母さん。
今ならまだ間に合います。
今から、ここから、お子さんをそのまま認めて寄り添ってあげてください。
目の前のお子さんが答えです。
外野の意見なんて、どうでもいい。
親が接し方を変えると、子供の行動が変わります。
本当に本当です。
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P先生、まさしく私、これです。
>親が情緒不安定でヒステリックだったり、考えを押し付けて従わせたり、「子供のため」に短所を否定し続けたり。
先生のブログを読みながら、続けてしまい、中3の娘は拒食症になりました。
悩みもがきながら、やっと今、先生のおっしゃる意味がわかる気がする、というところまで来ました。
遅いかもしれませんが、今ならまだ間に合う、親が接し方を変えると、子供の行動が変わる、を信じて前を向きたいです。
短所、本当にどうでも良いですね。そんなことより、何を感じて何を考えているのか。聞いてみたい、心からそう思います。
P先生はじめまして。
子どもの不登校について色々なブログを読んでいたところ先生にたどり着きました。
家には現在22歳アルバイト、大学2年生、高校1年生の3人の娘がいますが、3人とも不登校を経験しました。今はとっても穏やかで自分らしくそれぞれの進路をエンジョイしちゃってます(笑)
今回の記事を読ませて頂いて親の接し方をかえる事で子どもがガラリと変わっていくことを経験者の私は首がもげそうなほど頷いてしまいました(笑)
もちろん全て解決してうまくいくだけってことはないんだろうけど、何の根拠もなくこの子達はきっと大丈夫かな~と感じてます(*^_^*)
ラフすぎるかな(笑)
P先生、こんにちは。
いつも迷いが生じた時、落ち込んでる時などに拝読してます。(毎日拝読!)
adhdの診断が過剰診断又は、誤診だったのでは⁉️と思ってます。
愛着障害だったのでは…と思ってます。
でもきっとこの道40年間以上の大ベテランの主治医にものの5分で診断されたので、間違いなくadhdです。
診断結果、すこぶるどうでもいい…と思えません。
親の私が子供にレッテルを貼ってしまったから。
問題行動がある度に、adhdだからしょうがない、諦めようって悲しい気持ちになってます。(診断されなければ良かったって思いもあります)
これがそのまま認めて、寄り添ってる事になるのか分かりません。
ただ家を快適にしようと思います。
息子が理不尽な事で怒っても、『あなたはそう思うんだね』って。しばらくしてクールダウンしてから『さっきのは違うよ』って伝えるようにしてます。
診断されて、愛する事が出来なくなったのかも…
親はどんな心持ちで居れば良いのでしょうかね…
神でも仏でも無いので…毎日、諦めの境地です。