外来通院。
の、終わり方。
始め方については何度か書いているので(現状かなり待つとか、それまでに考えをまとめてくれると嬉しいとか)、今度は終わり方について。
医療機関への通院を始めたばかりの方、もしくはこれから始める予定の方にとって、「通院の終わり方」は想像がつきづらいところだと思う。
これはですね。
僕の場合、
の2パターンがある。
割合は、各々こんな感じ。(僕調べ)
話し合い | 50% |
---|---|
来院せず | 50% |
話し合いは、僕から「もうそろそろ卒業どう?」と提案するか、患者さん側から「もう大丈夫そうです」と言われるか。
どちらの場合も双方意見が一致し、晴れて卒業となることが大半。
「そうそう、僕(私)もそう思ってました」って。
で。
案外、連絡なしで来なくなる人が半分くらい。
多い?
僕の外来だけかもしれないけど(多分人望がないのだと思う)、実際こんな感じで。
まぁ、来ないなら「治った」もしくは「とりあえず困っていない」と判断するので、個人的には気にならない。
来なくても、それならそれで全然よい。
確かに最後の外来って、「どう?」「もう大丈夫そうです」ってやり取りだけの、実りのないものだ。
※「僕は」です。おかかりの病院では無断キャンセルはマナー違反の可能性があります。
と思ってたんだけど。
先日ですね、自分自身の眼科の受診があって。
街の開業医さんに行ったのね。
数回の通院ですっかり良くなり、僕的には「卒業」と思ってたのよ。
ところが。
そう言われて。
開業医さんって混んでるじゃないですか。
質問って憚られるんだけど、ここは同業者の強み。(もちろん先方には医療従事者であることは言ってないけど)
思い切って聞いたんですよ。
「職場の健診で視力測定するんですけどー、それで落ちたら来るじゃダメですか?
コッチで測る理由って何かあります?」
おぉう。
わざわざクリニックで測る理由はよく分からないけれど、そう言われちゃうとこれ以上は突っ込めない。
僕は眼科のことはサッパリ分からないし、先生がそう言うならそういうもんなのか。
釈然としないながらも、従うのが無難そうだ。
いやー。
患者さんの側に立って初めて見えるものってあるね。
医者に、「もう来なくていいでしょ?」って、言いづらい。
僕は、自分の発達外来ではその特性上「患者さんのニーズがなくなったら終わり」と考える。
この分野、身体疾患みたいに、「治った=終わり」という線が引きづらい。
どこを「大丈夫」とするのか曖昧だ。
だもんで、患者さん側が医療のフォローなしでよいと思うなら、そこで終了と考えている。
一見安定していなくても、患者さんが「もう医療に期待することはない」と思えばそこで終わりだし。
反対に、安定しているように見えても患者さんの希望があれば診察を継続する。
この分野の特殊性から、それで良いと思っている。
(どうせ医療には「治せない」し。)(患者さんが成長していくお手伝いしかできない。)
でもこれを堂々と、患者さんの側から「もう大丈夫でーす」と言うのはハードルが高いのかもしれない。
ってゆーか、一般的な身体疾患では通院の終了時期は医療者が決めるモンなのかも。
僕自身、まるっきり専門外の眼科受診で実感した。
イニシアチブは、医療者がとるのが「普通」なのでは?
病院受診って一般的に「そういうもん」なのかもしれない。
と、考えると。
僕の外来に来なくなった人は、
「ちっ、病院に来ても何も変わんねーじゃねぇか。
通院する意味ねーじゃん。」
と思っていたかもしれない。
でも直接は言わず、武士の情けでサイレント・フェードアウトしたのか。
僕から卒業を提案した人も、
「ずっと前からそう思ってたよ。
遅せーんだよ。」
と内心毒づいているかも。
もっと言うと。
現在通院を継続している中にも、
「言われたから来てるけど、コレ一体何のため⁉︎」
と思っているかもしれないわけだ。
おぉう。
そりゃ、お互いに不幸だ。
僕は、患者さんの手助けしかできない。
補助魔法の専門。
困っている人に、ヘイストをかけてシェルをかけてバイキルトかけて。
患者さん自身が成長し、補助魔法なしで戦えるようになれば、僕はもう要らないわけ。
なので、不要になったらぜひ言って欲しいと思っている。
僕は患者さんが実際に戦っている(学校に行ったり、社会参加している)姿を見られないわけだし。
「もう要らないでーす」って、言ってもらわないと分からない。
言われて気分を害するとか、マジでない。
そんなに成長した、そして本人が実感したことがむしろ大変に喜ばしい。
でも、実際には言いづらいんじゃないかと今回思った。
ほら、病院ってそういうとこあるじゃん?
患者は黙って医者の言うこと聞いておけ、的な。
※もちろんみんながそうではない。今は、前時代的なパターナリズムはだいぶ改善されているはずです。
だもんで、これを読んでいる人に聞いてみたい。
通院中の人は、「正直意味ねーな」と思いながら、でも言われるから継続していたりする?
不要になったときははっきり言えそう?
すでに卒業した人は、主体的に決めました? それとも、医者に言われて?
よろしければぜひコメントください。
僕が参考にします。
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不登校中学女子でした。
年1回の受診は継続しています。
1年あったことの報告&短時間で、本人はもとより、親も必要性は薄いと思っています。
辛い時を支えて下さった先生は、「会うとHPがあがる人」「応援してくれる大人の一人」です。
本人が嬉しい忙しさになり、通院出来なくなったら、自然に卒業かなと思います。
追跡調査(書類書きました)されている先生だからか(!?)、退室時、「また教えに来てね」と、声をかけて下さいます。
P先生もお大事になさってください。
こんにちは。
受診は実に有意義です。先にどなたかが述べたように、親も褒めてもらえるし♡
受診不要になったら、そう思っていることを伝え易いです。ドクターがいつも微笑んで、話しを聞いてくれます。
一旦卒業して、1年半後に出戻りました。
卒業の時は、卒業の2回前あたりから「そろそろ受診はやめてもいいけど、まだ来れますか?」と打診されていて、まだ来たいと申し出ていましたが、やはりトラブルはなくなったので卒業しました。
しかし、体調不良が重なり、トラブルも重なったので、急きょ受診再開。その後1年経ちますが、まだ通っています。
受診して早5年になります。ASDの診断もらってます。中学で不登校、引きこもりになりましたが、今は通信制の高校に通い元気になりました。ASDは通院して治るものでもないのですが、今後何かあったときのためと継続しています。
息子は診断は受けましたがどこまでわかってるのか…困ってないし、行く意味ある?と言ってますが、自分をよく知るおじさん?に近況報告しにいくのは嫌じゃないみたいです。
今後障害者雇用などを利用する可能性もあるかもしれません。幸い今のところは18歳で終わりではないので、親としては継続して診てもらいたいと思っています。
アンケートの答えになってなくてすみません。
ただ、発達障害の方々は18歳で学校や医療の支援が途切れてしまうことが多く、困っている方も多いと聞きます。切れ目ない支援が必要な場合も多いのではないかと思います。
我が息子の場合は、薬が必要なので病院通いはやめられませんが、一度内服を中止した時は、中止後に一度診察があってから一旦終了しました。私から、また困ったら来させてくださいと言いました。
ただ、学校や関係機関は医者と切れるなと言われます。特に学校では、ドクターはどう言われてるのか?と聞かれますが、行ってないと言えば困惑されました。
この頃は保護者として何が正解かわからなくなっていた気がします。
以上、お役に立たないかもしれませんが。
先生、お身体大切にされてくださいね。
眼もお大事に。
卒業まだまだしたくない親子です。
なんだかなー、成長を報告してるだけでも
なんかほめられたり、先生からのアドバイスは、
知的障害の素直さからかな?なんか
約束まもれたりしますよー(^^)
先生、いつもありがとうございます!
アンケートに回答させていただきます。
●通院中の人は、「正直意味ねーな」と思いながら、でも言われるから継続していたりする?
↓
意味ないなーと思ったら継続しないです。
●不要になったときははっきり言えそう?
↓
はい、言えます、
ただ、大丈夫ですと言いにわざわざ受診しないです。コロナ禍ということもあり、先生は大変忙しそうですし。(小児科の先生が診てくれています)予約も取りづらいクリニックなのであえて行きません。でも、何かあったときはまた頼れるという安心感がある先生だからでしょうね。途中行かなくなったとしても、困った時はまたあたたかく相談にのってくれる先生なので。
●すでに卒業した人は、主体的に決めました?
↓
はい、主体的です。
高校生、起立性男子。めまい、吐き気がひどかったので、お薬を処方してもらいました。薬を飲めば症状はおさまりましたが、春休みや夏休みの長期休暇は薬を飲まなくても体調も良かったんです。ということは、彼にはゆっくり休むことが一番の薬かと。で、通院はやめました。あと、先生から言われてもピンとこなかったようですが、生活リズムですね。夜更かしすると体調悪くなるとか、身体を動かすと体調が良いとか色々経験して自分でわかってきたようです。
以上、先生のお役に立てれば幸いです。
うちの場合。ASD高IQ不登校引きこもり男子。
幼稚園入園を機に「困ったら来て」と
医師から言われ卒業。
2年後、困ったので再受診。
でも本人自身は困り感はない為、
受診は難しい。
受診は本人にとって負担。
(親は継続したい)
書類の為に2年に1回程、なんとか継続。
卒業してないけど、
実質病院との関わりは、ほぼ無し。
こんな感じです。
困った事を受容したら
受診の必要なくなりました。
学校に行かない環境で過ごしている今、
本人も落ち着いていて元気で明るく楽しく
過ごしているので、
ほぼ卒業のような物ですが、
親としては繋がっていたいです。
こんな家庭も多そうです。