新学期ですね。
9月。
辛い子が多い時期でしょうか。
夏休み明けは、不登校が増える。
そんな話をよく聞く。
でさー。
子どもが学校に行けなくなると、湧いて出るのがそう、彼ら。
ペリーだ。
どこからともなく湧いてきて、嫌なことを言ってくる。
求めていないアドバイス。
聞きたくない決めつけや悪口。
などの、子どもへの攻撃。
みたいな、親への攻撃。
ネットやSNSで見聞きしたり。
風の噂で耳に入ってきたり。
時には直接言われたり。
いるんだかいないんだか。
実在するんだか被害的な妄想か。
開国、してくださいよぉ〜
と迫ってくる、そう、まるでペリーだ。
望んでいないのに、奴らは来る。
親御さんはパニック。
あっちの海にペリーがきたぞっ!!!
陸地は、上を下への大騒ぎ。
海の向こうに浮かぶ黒船に、大砲を打ってみたり。
あ、実際にペリーが来たときも、昔の人は沖合の黒船に向かって大砲打ったらしーよ。
そりゃもうバンバン。
で、届いてなかったって。
そう読んだ。稲中で。
ペリーが来たとき。
どうしても耳に入ってしまうときに。
あなたはそう思うんだね。
でいいと思った。
あなたはそう考えるんですね。
それは分かりましたぁ!
あ、なんか聞いたことある!
そう、僕の推奨する魔法の言葉。
お子さんの言葉を、とりあえず受け止めるために使う言葉だ。
子どもの意見に、同意できないとき。
子どもだもん、無茶苦茶なこと言うからさー。
同意できないけど、とりあえず「あなたがそう思っていることは承知した」とメッセージを送っておく。
これがとっても大事。
あとで効いてくる。
で。
この魔法の言葉を、ペリーに向けて使ってもいいんじゃないかと。
ペリーは、ガチでそう思っている。
彼らの主張は時代錯誤だし、今のこの子の状況に合わない。
だけど、そのやり方が絶対の正解だと彼らは思っている。
だから言ってくるのだ。
聞いてもないのにわざわざ言ってくる。
でも、当事者(本人および親御さん)は納得できない。
じゃあさ。
へー。
あなたはそう思うんですねー。(笑顔で遠い目)
で、どうでしょう。
言葉を変えると、
それってあなたの感想ですよね。(ひろゆき)
だ。
コレ言ったらケンカになるだろうけど。
でも、言いたいのはこういうこと。
実際、単なる感想なのだ。
ペリーの言葉は、その人の世界(しかも大抵非常に狭い)の中での感想。
鵜呑みにする必要はない。
不登校界隈ってたくさんの主張があって、ぶっちゃけ、全て感想に過ぎない。
偉い人の意見だって、所詮その人の感想だ。
僕の意見は僕の感想だし。
親御さんのそれだってそうだ。
その中で、どの「感想」を優先するかという話で。
正解はない。
そうなのだ。
全てが「感想」だ。
こと不登校に関しては。
ペリーの言う
引っ張ってでも連れて行け
も。
僕の言う
とりあえず無理させないのがアンパイ
も。
どちらも個人の感想に過ぎない。
正解はないのだ。
「コレが正解」って結論が出ていたら、不登校界隈の議論などすでになくなっている。
でも、実際そうじゃない。
いろんな人がいろんな意見を言って、最近は「無理させない」が主流になってきてはいるけれど、でも絶対の答えではない。
それでうまくいくケースもあるし、いかないケースもある。
どれが正解かは、わからない。
どっちを選ぶとどうなったかなんて、比較できないしね。
だから、選ぶしかない。
いずれかの「感想」を。
誰が選ぶか、誰の意見を優先するかって。
そりゃ本人を一番見ている親御さんが第一。
たとえ一般論からかけ離れていても、親御さんの思うやり方があるならやってみるべきで。
だって、その子を一番よく知っているんだもの。
※もちろん本人がしっかり考えられるなら、本人が第一優先だけど。そんな余裕のないケースが多いから。
ただ、そうもいかないとき。
そんな時は、誰かの意見を頼ることになる。
誰の「感想」を参考にするか。
ペリーは、自分および近しい数人を見ての感想だ。
多分、ほとんどがそう。
目の前のこの子とは、生まれ持った特性も置かれた状況も違う。
時代背景も異なっていたりするし。
僕および専門家は、数の暴力だとは言える。
たくさんのケースを見ている。
どちらを採用するかは、親御さんの判断だ。
納得いく方を選べばよい。
ペリーに大砲打っても届かない
不登校界隈。
結局、全ての意見が単なる「感想」で。
どれを選ぶかって話だ。
違うと思ったら、
あなたはそう思うんだねー。(遠い目)
で良い。
もちろん、人の意見を聞くことは大事だけどさ。
必要以上に振り回される必要はないだろう。
ペリーには、国に帰ってもらってですね。
その時、大砲打っても(直接やりあっても)届かないからさ。
へー、アメリカ?
知らなぁ〜い。
ってことで。
あなたはそう思うんだねー。(遠い目)
で、どうでしょうか。
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心にあたたかく寄り添ってくれる先生の言葉にやっぱり元気をもらいます。更新ありがたいです!
甘えてるとか、社会に出たらどうするのとか、何度も傷ついてきたような気がします。
けれど、どうしようもないこと、ただ今の息子を受け入れるんだと思いながら日々過ごす中で息子のエネルギーがたまってきている気がします。
ペリーの言葉を聞くと、そんな発想のステージはとっくに通り越してきましたよと最近は思います。
息子が不登校になる前は私もペリー側の考えに近かったと思うから。
そこからたくさんのステージを乗り越えて今があると思うから。進んできた道を振り返るかのように、『あなたはそう思うんですね』
最強の言葉です!先生ありがとうございます!!
ひろゆきの「それってあなたの感想ですよね」は、相手を煽る返しの意味しかないと思ってましたが、見方を変えれば自分を守る言葉にもなるんですね
面白い!
先生、記事更新待ってました〜
やっぱり、先生が書く文章は温かくて大好き!
ありがとうございます!
先生の外来で一緒に働くナースという設定で、妄想してみました!
「先生、私、昔、ペリーが来た町に住んでたことがあるんです」(これは本当)
「エッ!どんな感じだった?」
「町民が使う公衆トイレに、ペリーが来た当時の御触書が飾ってあって」(これも本当)
「なんでトイレに飾ったんだろうね。御触書、どんな内容だった?」
「ペリーは人食い人種のように大きな人間だから、女、子供、牛を隠せ。女は愛人にされてしまうから。子供は異国に連れて行かれてしまうから。牛は食べられてしまうからって内容だったと思います」
「恐るべしペリーだね。でも、御触書、なんかいいかも。診断書、御触書みたいな感じで出してみようかな」
「先生!それすごくいい!」
会話弾んじゃって、気が付けば診察室満員でしたぁ〜。
ペリー教師、ペリー医師、ペリー親、ペリー親戚…
ま、最終的には子どもの人生ですよね。
衣食住が自分で確保できれば問題なし。
更新嬉しいー!
ペリーにも、魔法の言葉が使えるなんて万能ですね!でも思い返すと自然とやれていたかもしらません。
うちは義母がペリーです。
直接「ああいうのは間違っているから、もっとこうした方がいいと思う」と言及してきたり、義母の意見に近い専門家のWEBサイトのURLを送ってきたりします。
「は?」 とワナワナしてきて、きちんと言い返そう、ロジカルに反論しようみたいな気持ちに一瞬なるのですが、その戦法は賢くないなと思って「なるほどー、そういう考え方(やり方)もあるんですね、やってみます。」と返しています。
本当にやるかどうかは別、です。
ほとんどやりません。
でも、義母ペリーは決して意地悪で言ってるわけではないんですよ多分。
自分だけが正しいと思っていて、ぜひこの正解を教えてあげたい、って思って言ってくれてると思うので、とりあえず受け取ることにしています。
多分、義母ペリーもわかってます。
それでいいと思ってます。
ペリーが良いアイデア持ってくることだって今後あるかもしれませんしね!
専門家の意見さえも、言ってしまえば感想文である、ということが目から鱗でした。
や、考えてみればそうなんですけど「感想文」って単語がとてもしっくりきました。
ありがとうございます!
先日ネットニュースで流れてきた不登校関連の記事をうっかり見てしまい…。
「不登校はほぼ親の対応次第」「親が主導権を握っていかないと!」みたいな内容に勝手にモヤモヤしてました。
(うちは不登校ではなく発達障害ですが)
このモヤモヤをどう処理したらいいのか…タイトルから怪しかったのに見なきゃよかった…としばらく引きづっていたのですが、今日のP先生のお言葉でスッキリしました!
私が見たのは感想文だったのですね(^_^;)
そしてうちにもペリーやってくるんで『あなたはそう思うんだね』を活用させていただきます♪
最近、不登校経験者の中にもペリーが出現しています。
自分のやった方法なら絶対学校に行けるようになる!
と言って押し付けてくる。
それはあなたのお子さんだったからだよ、と言っても聞かないんです。
「あなたはそう思うのね~」でいってみます。
うちも不登校歴一年、LD、ASD小6息子ですが、夏休み明けは
ペリー増えますね 笑
特に今年は、卒業に向けて、中学を案じるご意見ペリーに、ザワザワしてました
先生のブログで、何か軽くなりました
いつもありがとうございます!!
小4不登校、ASD、2Eの娘がいます。
ペリー、よく来ます。
こんなにいるんだってくらい、ペリーっているんですよね。知りませんでした。
娘が開国したくなるような魅力的なペリーが来たら、話しを聞こうかなと思います。
P先生、あまりにもタイムリーで驚きました。
昨日、ひろゆきをググりまくっていたの、透視しました?(笑)
娘も真面目、親の私も馬鹿正直でクソ真面目。
真っ向から反論したり、不満なのに愛想笑いでお茶を濁すことを考えてしまいます。
ひろゆきの達観した考え方、自分には無くて面白いです。
いろいろ言ってくる相手に、
「変な動物がなんか言ってる」
「ありがとう!と返事して内容は無視する」
笑いました。
「無駄な弾は撃たない」んだそうです。
同じ土俵に上がらず、カド立てず。すごいな〜。
職場でストレスがあり、辞めようかな、と思うのですが、時々別室登校の遅刻早退ムスメが在宅なので。
心を守る為に、家を安心安全にしたい。
けれど、「あのアニメがね〜」
「このゲームがね〜」
全く興味のない話を延々と話し、私がやってほしいことと、娘がやりたいことは違う。
「あなたはそう思うんだね」ループになりハゲそう。
私の中のペリーがいらんことを口走り、せっかく築いた関係が悪化しそう。
「チャカチャンチャン♪仕事でストレスあるけれど〜家にいてもストレスなのよ〜、チックショー!」
通勤の車中で小梅太夫になってる今日この頃です。