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子どもの白いキャンバスは……

子どもは、可能性の塊である。

真っ白なキャンバスで生まれてくる。

 

そう思っていた時期が、僕にもありました。

 

生まれつき個性がある

だってさ。

言うじゃん?

言われるじゃん?

 

  • 子どもには、無限の可能性がある。
  • スポンジのように、なんでも吸収する。
  • 将来、なんにだってなれる。

 

言われてきたんだよ。

小学校でさ。

テレビなんかでも。

 

だからがんばれ。

夢を持て。

希望を持て。

努力しろ。

必ず報われるから。

 

僕は

ふーん、そんなもんかぁ

と鼻クソをほじりながら聞き流すイヤなガキだったけど。

だから頑張ろうとかビタイチないけど。

 

でも、「そんなもんかぁ」程度の認識はあったんだよね。

大人はみんなそう言うしさ。

だから子どもは尊い、というか。

無限の可能性! キラキラした未来! 的な。

 

 

大人になって、ハッキリわかりました。

 

 

違いました。

 

 

子どもは、真っ白なキャンバスではない。

生まれ持った個性や特性が、すでに刻まれている。

得意と苦手がある。

できることとできないことがある。

 

 

人間は、多様性を含んだ生き物だ。

生まれつき、遺伝子に規定された個性がある。

ここに気づいてやること、「その子個人」の特性を見極めてやることも、周囲の大人の役目なんじゃなかろうか。

 

残念ながら、「なんにでも」はなれない。

みんなが野球選手になれるわけじゃない。

学力は、IQに左右される。

コミュニケーションの得手不得手だって、どうしてもある。

先生に言われた通りにできる子と、できない子とがいる。

 

そして残念ながら、「親ガチャ」がある。

詳細な言及は避けるが、生まれによって将来的な学歴や職業はかなり色濃く影響される。

※全例ではない。生まれがアレでも、努力で成り上がる人もいる。でも少数派。「そうじゃない人もいるしぃ」と少数の例を挙げての反論は、論理的でない。貧困家庭の子は、その後も高確率で貧困だ。生まれた家や場所で、その後が相当規定される。これが現実。

 

 

生まれつきの遺伝傾向でも、相当な個性がある。(:遺伝)

ここに、幼小児期の養育環境(多くは同様の傾向を持った親が養育する)が加われば、すでに相当な修飾があると考える方が自然だ。(:環境)

 

もちろん、それで全ては決まらない。

その子が選んで描いていく余地は、もちろんある。

が、そのキャンバスは

  • 最初から枠線が引かれている
  • 材質が特殊で絵の具が乗らない
  • 形がいびつ
  • すでに少し書き込みがある

↑とか、こんなイメージじゃない?

 

これを、「真っ白なキャンバス」と言ってよいものか。

どうしても、どう考えても、「みんな同じ(=真っ白なキャンバス、無限の可能性)」から出発する考え方に無理があると、大人になった僕は思ってしまうのだが。

 

「規格外」の子

  • なんとなく育てづらかった。
  • フワッとスルッといかない。
  • 他の子となんか違う。

↑こんなお子さんを育てている親御さん。

この場合は特に、「真っ白なキャンバス」から離れて考えた方がよいかもしれない。

 

子どもは放っておいても勝手に育つ。

↑この言葉に、「うせやろ……!」と口をあんぐりしている親御さん。

特に、「真っ白なキャンバス」から離れて考えた方がよいかもしれない。

 

おそらく、その子のキャンバスは市販品ではありません。

規格外です。

イビツで、市販はされてないやつです。

 

 

実際、勝手にすくすく育つ子もいるのです。

ビックリですが。

都市伝説みたいですが。

宇宙人じゃない子、地球人もいるのね。

 

でも、この子はそうじゃなかった。

じゃあ、どんなふうにイビツで、どう生かせばよいか。

これを考える方が建設的と、僕は思う。

できないこと、多分いっぱいある。

でも、できることもある。

 

 

もちろん、可能性を閉ざすってことじゃなくてさ。

努力次第で克服する可能性はあるにしても、大まかな方向性は見出してやっても良いんじゃないかと。

子どもの頃に、ある程度は。

 

ツルツルなキャンバスで絵の具を弾いてしまうなら、油彩に特化するとかさ。

絵の具セットに青系しか入っていないなら、空や海の絵を描きましょうか。

↑何この偏った色のチョイス。

……だけど、刻一刻と色を変える空や海の、その深く繊細な表現ができるかもしれないな!

 

 

逆にさー。

「なんでもできる」「無限の可能性」と思い込んで、得意不得意の方向性を知らずに育ったら。

「真っ白な大人」になっちゃったらさ。

そっちの方が、人生詰むんじゃない?

「真っ白な大人」、コレ、動けなくない?

 

それよりさ。

どう足掻いてもムリなことがある。

それを知っている。

じゃあそこは切り捨てて、それ以外の道を選ぶ。

そっちの方が、人生スムーズじゃない?

圧倒的に選びやすいじゃん。

 

 

偏った子は特にさ。

早めにキャンバスに色をつけてやった方がいいと思った。

どんどん汚してよい。

むしろその子、最初から色がついているからさ。

それを生かした作品に、どんどん向かっていくのがいいんじゃないかと思った。

 

まとめ

子どもは真っ白なキャンバス?

 

 

ねぇ。

 

 

知ってる?

 

 

 

 

白って200色あんねん。

 

 

 

 

「みんな同じ」じゃない。

さっさと自分だけの色を発揮し、自分だけの方向性を見つけるのが良いと思った。

今の時代の流れ的に。

中でもデコボコな子は特に、だ。

pediatrician-p

View Comments

  • 確かに!うちの子のキャンバスは規格外だったのですね(笑)。
    ものすごく納得です!
    どうして、子どもはみんな白いキャンバスだっていう幻想が、こんなにも広がってしまったんでしょうね。
    がんばればみんなと同じようにできるようになる!みたいな発想にもつながっていくような気がします。
    そもそも、生まれたときから横一列だと思われてるから矛盾が出てくるんですね。
    みーんなが同じ材質の同じサイズの同じ白のキャンバスだったら、今の学校システムでもきっと問題ないんだろうなぁ。

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