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【わかる人】30年前の発達障害【教えて】

先日、学校の先生と話す機会があって。

そこで、ざっくばらんな質問を受けた。

 

学校では、発達障害が増えている実感があるんすけど。

医療ではどーすか?

やっぱ、増えてるんすか?

 

発達障害は増えている

先生からの素朴な疑問だ。

答えは明確。

 

全然、増えてるっす。

 

発達障害、増えています。

統計的にも増えているし。

 

 

体感的にもめっちゃ多い。

 

こんなに初診を受けているのに、なぜ、受診希望者が一向に減らないんだ!

と常々思っている。

 

どうしてこんなに多いのか。

なぜこんなにも、需要と供給のバランスが崩壊しているのか。

みんな待ってる。

困っている。

これでいいのか。

 

医療は保険点数で金額が決められているけれどさ。

コレ、自由経済にしたらさー。

需要供給曲線的にさー、需要過多で価格が爆上がりしてサ、僕とか一気に億万長者ウフフフ……じゃなかった、医療人としての使命に燃え、患者様のために、患者様第一で、滅私奉公でがんばります!!!

 

 

ってことで。

発達障害は増えている。

爆増している。

 

医療でも教育でも福祉でも、受け皿が足りない。

受診だけでなく、療育も通級もカウンセリングもいっぱいだ。

需要過多、供給過小。

このブルーオーシャンにビジネスチャンスがウフフフ……じゃなかった、広く公的支援が行き渡ることを、現場から切に希望する。

 

増えた理由と、実際増えたか

これ。

なぜかというと、

見つかるようになったから

が最大の理由で。

 

  1. 発達障害という概念が、広く浸透した。
  2. あの子そうかも? と思う機会が増えた。
  3. 「そういう目」で見ると、受診につながる。
  4. 受診が増えると、診断が増える。

↑コレが一番大きい理由だと思う。

発達障害は増えている? 発達障害は増えているのだろうか。 統計でみると、ここ数十年でかなり増えているようだ...

 

不登校が増えた理由と似てるよね。

「不登校」という選択肢がなければ、不登校は選べない。

今はその選択肢ができたため、不登校が増えている。

 

同様に発達障害も、「発達障害」という概念がなければ、発達障害の人口はゼロだ。

「発達障害」の概念を知らなければ、疑うこともできない。

ということだろう。

 

 

でも。

実際に、発達障害の人は増えているかいないのか。

↑コレはわからない。

 

概念の浸透による診断率の増加は、ひとつ、絶対にある。

でも、それを抜きにして、発達障害の実数自体が増えている可能性もあるんじゃないか。

先生の質問は、こういうことだ。

 

あると思う。

「わからない」。

 

 

個人的には、発達障害は先天的なものだと思っている。

だもんで、実数は昔から同程度で、さほど変化ないだろうという考え。(遺伝子頻度はそんなに急に変わらないから)

でも、あくまで僕の勝手な予想であって。

 

後天的な要素で発達障害が生じるという仮説に立てば、その実数が増えている可能性は、全然ある。

環境とか社会とか栄養とか習慣とか薬物とかウイルスとか?

わかんねーけどさ。

そんなものが本当に影響するなら、発症率が大きく変わっている可能性は十二分にある。

 

 

だから、わからない。

診断数が増えただけで実数は変わらないのか。

それとも実数自体増えているのか。

 

実際どうなのかと問われたら、答えは「わからない」になる。

そう答えたら、先生は不満そうにしてたけど。

しょうがない。

だって、わかんねーもん。

 

発達障害:親の率

でね。

この件について、あとからぼんやり考えてたのね。

歯磨きしながらぼんやり。

ゼニ勘定しながらぼんやり。

 

僕、思いついたんだ。

 

あの先生に、「発達障害かもしれない親の率」を聞けばよかった!

 

 

ちょっと前に文科省から、

発達障害かもしれない子が、小中学生の8.8%

と発表された。

センセーショナルな数字で、結構話題になったんだけど。

コレね。↓

https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2022/1421569_00005.htm

 

コレ、学校の先生から見て「あの子発達障害っぽいなー」って子の割合だ。

言っちゃえば先生の主観。

 

でさ。

主観で発達障害かもしれない子の数字が出せるなら、親御さんのそれも出せない?

先生から見て、コミュニケーションとか社会性に難のある親の割合ってどのくらい?

それがわかれば、30年前の発達障害者の率を推測する助けになるんじゃないだろうか。

と思った。

 

親も子どもの8.8%と同程度なら、昔から同様の頻度だった可能性がある。

明らかに少なければ、昔はもっと少なかった可能性がある。

と、思った。

 

 

先生なら発達障害の知識も持っているだろうし、親御さんと話す機会もあるだろう。

  • 話がなかなか通じないとか、
  • 提出物や持ち物管理が明らかにアレとか、
  • 社会的に支援が必要な家庭とか。

どんなもんだろう。

それとも、面談や保護者会程度じゃわからないものか?

 

 

もちろん、大人の社会的困難が、イコール発達障害じゃないことは理解している。

その他の精神疾患やパーソナリティ障害、トラウマ経験なんかからの不適応行動は、子どもと比較し圧倒的に増えるだろう。

 

でも逆に、大人になると、発達障害の人が診断から外れるケースも多いからさ。

社会経験から適応が良くなって。

だから、無理くり相殺ってことにして。

乱暴だけど、「今の社会的困難から発達障害有病率を推計する」ってことにしてさ。

 

学校の先生って、生徒児童だけじゃなく、親の対応に難渋することも多いだろう。

正直、親と子と、どっちの困難事例が多い?

 

求ム! 一般的な割合

病院だとどうしても、受診者にバイアスがかかるからさー。

子ども:発達障害

親:定型発達

↑このケースは受診するけど。

子ども:定型発達

親:発達障害

↑このケースは、病院に来ない。

だから発達外来では、明らかに子どもの困難率が高い。

 

でも一般外来(風邪とかインフルエンザとかみる外来)(あ、僕全然一般外来やってますよ)(フツーの小児科医)(メンタル専門じゃない)(ましてや、精神科医じゃない)の患者層だと、勝手な体感、困った親率8.8%って、大きくずれない。

  • こちらの説明が通じない。
  • 「いつ」「どこで」「だれが」「なぜ」の説明ができない。
  • 独特な解釈やこだわり。
  • 受診の曜日や時間が守れない。
  • 想定外が起きるとパニック。
  • モンスターペイシェント。

↑こんな親御さんが8.8%って言われると、うん、まぁそんなもんかなと思う。(個人の体感です)

 

学校だと、さらにバイアスが少ないと思うから。

「特定の地域に住む、特定の年齢の子を持つ親」ってだけだから。

先生方、どうでしょうか。

 

学校の先生以外でも、広く一般の人と接する立場にいる方。

どんなもんだと思います?

 

 

親世代の困難事例の頻度から、30年前の発達障害発生率が推測できないかなーという、個人的な興味。

あくまで乱暴な推測で、エビデンスとしてはめちゃ弱だけど。

親世代と、子世代と、どちらに困難な人が多いでしょうか。

 

わかる方、やさしい方。

自由にコメント書けますので、教えろください。

pediatrician-p

View Comments

  • 私の個人的意見ですが、、、

    昔は子供が出された宿題を、親が丸付けして、わからない所は一緒にやって提出しろ、(娘小低の話)なんて事はありませんでした。
    「えっ?このレベルわからないなんて学習障害?」なんて不安にならなかったし、しょっちゅう宿題忘れる子も、「不注意?」なんて親も教師も思わない。
    いい加減、だらしない、で終わり。

    今は絶滅的扱いの血液型占いに人を当てはめていた時代。

    落ち着きなく、やること中途半端で興味があっちゃこっちゃなADHDタイプ → 気分屋のAB型だから

    アスペルガーの特性 → B型だから、マイペース

    神経質で気にしやすいHSC → A型だから

    グレーな子は血液型に当てはめて終了、ある意味「治すべき特性ではなく、その子はそうなんだから、それで良し」的な。
    「将来それじゃ困る」なんて発想なかったなー。

    今だって、「あの人はそういう人」で通っちゃってますよね。
    現代は学生時代が1番キツイかも。
    もう、周りの目が気になるんだったら、ポツンと一軒家にでも引っ越して自給自足でもいいかぁー、なんて思ったりします。

  • P先生よりちょっとお姉さんの年齢です。小学校時代、明らかにこれは普通学級じゃ難しいぞ!って子は
    学年に1人いるかいないかの割合。35人編成4クラスです。
    学年によって違うけれども、今思いだすとそんな割合かなと。
    令和なら発達障害だな、特性ありだなと診断されるくらいの子は
    隠れ特性有りも含めると、クラスに10%くらいはいたんじゃないかと。
    授業中どっか行っちゃう、キレやすい、ずっと寝ちゃってる、受け答えが個性的で笑われる、姿勢が悪すぎて走り方が独特などなど。
    私の母親世代も、ちょっと風変わりなお母さん、お父さんもいました。
    さらに先生も変わってる人は一定数いました。発達障害やHSCって言葉すら知らない時代だったので、
    ちょっと変わった子
    ちょっと難しい子って感じで普通にクラスにいました。児童精神科や
    心療内科もあんまりないし、精神科ってまだ偏見がある時代だったからもちろん受診はしない。だもんで
    普通に発達障害くらいならクラスにいましたよー。HSCタイプもいましたよー。受診するかしないかだけだと思います😂

  • 30年前田舎の小学生でした。
    わたし自身、多分ちょうどその頃まで今でいう場面緘黙?でした。場面緘黙自体が発達障害かどうかはわかりませんが…(小5の転校がきっかけで性格180度変わりました)昔はそんな概念ないし、母がとにかく寄り添ってくれるので
    困っていたのは母だけかな。
    我が子はADHDが目立つASDです。

    診断はついてないですが、
    わたしの弟はだいぶグレー濃いと思います。(今は画家で独身)
    そしてわたしの義姉は娘と全く同じ性格、特性です。義両親も大変子育て苦労したようです。

    こんな風に周りみると
    もし現代の子どもなら…診断、受診につながったろうな、と思う30年前子どもだった人、
    8%くらいいる気がする!

    そして、30年前の8%はヤンキーも!
    暴走族に入っちゃうくらいヤンキーは2%くらいだけど、暴走族の暴走見に夜中行動しちゃう子合わせたらそれくらいいた印象です。
    昔の8%と聞いて最初に思い浮かんだのがヤンキーでした。

  • 個人的な実感ですが、面白いと思うので一つ。
    同じ年代でも地方、都会で違うと思います。

    私の実家はコンビニが大人になってから出来たけど人はそこそこいる地方。
    そこまで発達障害感のある方って学生時代12年、1、2人でした。
    真面目でゆったりした場所というか…小さい時の発達のさw

    • 途中投稿失礼しました。

      小さい頃の発達の差レベルというか…
      今は東京在住ですが、一方濃縮率がすごいなって思います。

      求められる「普通」が多様性があってブレてるのに「普通」を求める圧の強さも桁違いなのが都会だと思います。
      そこに適応するのは大変だし、弾かれていく率が強いのも仕方ないんじゃないかと。
      徐々に全国的にはなってくるけど、特性の塊劇強以外のグレーの子達って都会から増えてるんじゃないかなーとか。

      なんか差別的かもしれませんね。
      田舎者の卑屈な意見でしか無いのかもしれませんがそういう意図は無いんです…人口密度も違うし。
      なんか常に見えない不安定感に今の子供達を憂う、田舎者でした。

  • 昭和40年代生まれ。いわゆる新興住宅地で、いろんな地方の人が寄せ集めの地域に住んでいました。

    先生、今回のこの角度、興味深いんですが、不登校の話題よりも、書き込み難しいかも。

    なぜかというと、不登校は見たまんまの数字だけど、発達障害ともなると、当時の子供同士では判断つかないですよ。ましてや30〜40年前、ちょっと変わった子がいても、みんな、クラスの仲間としてもう少し温かい目で見ていたし。
    授業中、座ってられないような子が、昼休みには鬼ごっこの名人だったりして、それはそれで人気者だったりしましたよ。今でもクラス会やるとカラオケで一番騒いでますけど、みんなから可愛がられてますもん。
    あの子に誰も「障害」なんて言葉、つけられませんよ。

    でもあえていえば、今思えば、 明らかな多動・大騒ぎ 自閉 学習障害 忘れ物だらけ 知的障害あり など、集団から外れてるような子はどのクラスにも5〜6人はいたかな。
    母親が精神疾患で、ネグレクトされてるような子も7クラスの中、各クラスに一人ずつくらいはいました。何日もお風呂入ってないとか。歯が真っ黒とか。髪の毛が鳥の巣状態でクシが通らないとか。ふつうに何人もいましたよ。

    、、、発達障害とは別かも知れないけど、当時は子供は放任なのが当たり前だったから、いろんな不慮の事故で、毎年、地域で何人かずつは亡くなったりしてたし。
    自分の子が他の子とちょっと違う、とかって、親もあんまり気にして無かったんじゃないかな?

    あと、今回の質問で、もう一つ答えが難しいのは、私の知ってる範囲で、このちょっと集団から外れた子たちって、今、ほとんどが独身で、子供を残していないんですよ。
    もう少し上の世代だと、誰しもがお見合いとかで結婚するのが当たり前だったのかも知れないけど、今の40〜50代って自由恋愛の世代だから、対人関係が難しかったり、仕事が続かないタイプはずっと独身で実家暮らしが多いです。
    (でも、不思議と引きこもりとかは少ないかな。みんなそれなりになんか仕事はしてるし、尊厳持って人生楽しんでる感じ)
    なので、30年前の発達障害の子=現代の発達障害の親。ではないような。(まあ、当てはまる方もいるとは思いますが)

    他の方も書いてるけど、現代は少子化で、すごく子供にスポットライト当てて、ちょっとした違いを炙り出して「障害」と言っちゃってる気がします。それで、親も子も自信なくしてる気もします。
    現に、私も40過ぎで産んだ子がADHDに見えて仕方なくて、何をしてもそれに結びつけたりしちゃって、子育てがすごく不安なんですよね。
    学校でも、若い先生は「ちょっとオカシイかも?」っていうけど、年輩のベテラン先生は「その人並外れた好奇心の芽をつんじゃダメだ」って言って下さったりして。集団から外れてるのは明らかなんだけど、その評価はまちまちなんです。
    匿名だから一標本として言うのですが、娘、理科のテストで偏差値70とってくるんですよ。でも、普段は身の回りの科学変化や生き物に集中しすぎて、集団行動はできない。、、、幼稚園の時はものすごく問題児で、今となっては褒められる場面もあるけど、親としては本当に心配な子です。
    将来、普通に就職したり、結婚できるか?はわかりません。
    普段から私が見てても多動でイライラするから、一度「あなたは脳がヒートしてておかしいんだからね!!」って娘に叫んじゃったことがあっ
    て(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
    あー、こういう言葉が二次障害を生んじゃうんだなー。とつくづく後で後悔しましたね。
    娘の心に一生の傷をつけたと思います。
    本当は、娘にはもう、アオムシを何時間も眺めてニコニコしてくれてるだけでいいよ。って寝顔見ると反省するんですけどね。

    昭和40年代。多動な男子とも、自閉な彼女とも、なんの抵抗もなく遊んでた私でも、やはり、現代の情報過多な中で子育てしていると不安なことだらけです。
    他人の目も気にしちゃうし。
    ある意味、「鈍感力」や「無知」が子供の尊厳を救うこともあるのかも?

    、、、うーん。でも人間、知ってしまったことには縛られてしまうし。知ったことにより「困り事」に思えることもあるんじゃないかな。
    今後も「障害」の定義で炙り出される子は増加する一方じゃないでしょうか。
    うまくまとまりませんが、先生方も、難しいお仕事ですね。

  • いつも貴重なお話をありがとうございます
    子供の療育仲間で勝手に言っている話ですが、「発達障害の子供は体感で昔より増えている、目立っている。そしてその理由は発達障害同士で結婚して濃くなっているから」
    昔はお見合い結婚が多かったけど、今は恋愛結婚が増えて発達障害同士で結婚してるケースが多い気がします
    やっぱり分かり合える者同士で惹かれ合うというか

    私の周りは両親ともにグレーゾーンのご夫婦が多いです、そしてその子供達もグレーゾーンが多いです
    偏見を助長するような話で申し訳ありません
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